いちばん会いたい人<それは坂口弘確定死刑囚??なぜ?筆者が宗男事件で独房に収監されたとき隣に彼がいた、そして獄中での彼のストイックな姿が印象に強く焼き付いているから??わかんない!>
2017年 05月 27日
5月26日付東京新聞朝刊27面に、「本音のコラム」という欄がある。筆者は、作家で元外務省主任分析官・佐藤優氏だ。
今日はこの筆者に学ぶことにした。
まず筆者は、「編集者から「今,いちばん会いたい人は誰ですか」という質問を受けることがある。そういうときに「私は人見知りをするので・・」と言葉を濁しているが、実は一人だけ会いたい人がいる。東京拘置所に収監されている坂口弘確定死刑囚(70)だ。
連合赤軍幹部だった坂口死刑囚は、山岳ベース事件や浅間山荘事件で殺人を犯した。」と切り出した。
続けて筆者は、「筆者は鈴木宗男事件に連座し、2002年5月から2003年10月まで東京拘置所に拘留され、最後の8か月間、坂口死刑囚の隣の独房に収監されていた。
拘置所の規則で、筆者は他の囚人と言葉を交わすことが禁止されていたので、坂口死刑囚とは一言も会話したことがない。
しかし、獄中でのストイックな坂口死刑囚の姿は印象に強く焼き付いている。」と教えてくれる。
最後に筆者は、「率直に告白するが、筆者がもう少し早く生まれ、キリスト教神学に触れることなく、学生運動に関与していたならば、坂口死刑囚と同じような道を歩んでいた可能性が十分あったと思う。
外交官時代、筆者は北方領土が返還されるならば、文字通り命を捨ててもいいと思っていた。この思考事態に問題があったと今では思っている。絶対に正しいことがあると思い詰め、それ以外の世界が見えなくなっている状況から、人はどうすれば抜け出せるかについて坂口死刑囚と率直に話し合ってみたい。」として締めくくった。
読んで勉強になった。
「筆者は鈴木崇男事件に連座し、2002年5月から03年10月まで東京拘置所に拘留され、最後の8カ月間、坂口死刑囚の隣の独房に収監されていた」とのこと、
「獄中でのストイックな坂口死刑囚の姿は印象に強く焼きついている」とのこと、
「外交官時代、筆者は北方領土が返還されるならば、文字通り命を捨ててもいいと思っていた」とのこと、
「絶対に正しいことがあると思い詰め、それ以外の世界が見えなくなっている状況から、人はどうすれば抜け出せるかについて坂口死刑囚と率直に話し合ってみたい。」とのこと、等々を知ることができた。
坂口死刑囚と同じ年代の読者にとっては、坂口死刑囚の所業は、狂気としか言いようがなかった。同志を殺して、なにが革命だ。同志さえ信用できず殺してしまう集団や個人に、個人の解放ができるわけはない、と当時思った。
智慧の教えと言われている般若心経に「照見五蘊階空、度一切苦厄」の一説があるが、坂口死刑囚には是非熟考してほしい、と思った。