ディストピアへの道 <共謀罪は、いわば「ディストピア法案」だ!テロ対策の美名の下で、私たちは悪夢の世界へ!たくさんの人が欺かれている!その責任はだれがとるの!!???>
2017年 05月 18日
5月17日付東京新聞朝刊25面に、「本音のコラム」という欄がある。
筆者は、文芸評論家・斉藤美奈子氏だ。
今日は、この筆者に学ぶことにした。
まず筆者は、「最近読んだ村上春樹へのインタビュー「みみずくは黄昏に飛びたつ」に印象的な個所があった。
聞き手の川上未映子に村上いわく。
たくさんの人間を一時的に欺くことはできるし少しの人間を長く欺くこともできる。
しかし、たくさんの人間を長く欺くことはできない。
リンカーンの言葉だそうだ。
それが物語の基本原則だとした上で作家は続ける。
「だからヒトラーだって、結局は10年少ししか権力を持ち続けられなかった。麻原(彰晃)だって10年も続かなかったですよね」」と教えてくれる。
続けて筆者は、「ちょっと希望の見える言葉である。でもさあ、10年続いたよね。ヒトラーが総統だった12年間には、600万人とも900万人ともいわれるユダヤ人らが虐殺された。
日本でも日中開戦から太平洋戦争に敗れるまでの8年間で、310万人といわれる犠牲者が出た。」と指摘した。
最後に筆者は、「衆院での採決が迫る共謀罪法案も、リンカーン式に言えば「たくさんの人間を一時的に欺く」法案だろう。
仮に成立しても、治安維持法同様いつかは歴史の審判を受けるにちがいない。だけどそれまでの期間は?
計画段階で処罰ができ監視社会への道を開く共謀罪は、いわば「ディストピア法案」だ。
テロ対策の美名の下で、私たちは悪夢の世界へ向かっている。
たくさんの人が欺かれている。
物語ではなく現実で。
その責任はだれがとる?」として締めくくった。
読んで勉強になった。
「村上春樹へのインタビュー「みみずくは黄昏に飛びたつ」という本がある」とのこと、
「本の中で「だからヒトラーだって、結局10年少ししか権力を持ち続けられなかった。麻原(彰晃)だって10年も続かなかったですよね」と作家の言葉がある」とのこと、等々を知ることができた。
そのことから、「衆院で採決が迫る「共謀罪」も、仮に成立しても、治安維持法同様いつかは歴史の審判を受けるに違いない」との筆者の指摘は、その通りだと思う。
が、それまでの期間、被害者は苦しみ、加害者の責任はどう問えばいいのだろうか?
歴史的には無罪放免ではなかったか?
やはり、共謀罪は被支配者国民にとって、廃案が一番だ、と思った。