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by sasakitosio

広がる中国の格差 西洋に学ばないとしても  < 「富者の共産主義」を発展させる?中国社会の不平等のレベルは欧州を超え、米国に近づいている!?>

2月22日付朝日新聞朝刊17面に、「ピケティ コラム」という欄がある。筆者は、パリ経済大学教授・トマ・ピケティ氏だ。

 今日はこの筆者に学ぶことにした。

 まず筆者は、「「トランプ」と「ブレグジット(英国のEU離脱)で、西洋の民主主義モデルが失速している。中国メデイアはこの状況に大喜びだ。

 「環球時報」(中国共産党機関紙・人民日報系の国際情報紙)は何段にもわたって、ナショナリズム、排外主義、分離主義、リアリティー番組、俗悪さ、拝金主義をないまぜにして危険な状態だと告発している。

 それらは西洋が世界に押し付けたがる「自由選挙や素晴らしい政治制度」が行くつく先であって、お説教はもう結構だ、と。

 中国当局は最近、「グローバル経済ガバナンスにおける政党の役割」についての国際アシンポジュームを開いた。

 この機会に中国共産党が発してメッセージはまったく明快だ。中国共産党は9千万人の党員を擁し、成人人口の約10%に相当するが、これは米国フランスの大統領候補者選びへの参加率に匹敵するもので、このような堅固な媒介機関をよりどころにするからこそ、審議して決定することが可能となり、アイデンティティーに左右されることなく、安定し調和がとれ考え抜かれた成長モデルを構想することもできる、と言いたいのだ。」と切り出した。

 続けて筆者は、「このような振る舞いで、中国の自信過剰という誤りに陥っているのではないか。

 中国モデルの限界はよく知られている。

 第一に透明性が全くなく、体制の不透明さを非難する人々を容赦なく抑圧することが挙げられる。

 公的な統計によると、中国は経済成長の恩恵が均等に分配され、格差は小さいままだ。

 しかし、リー・ヤン、ガブリエル・ズックマンと行った最近の私たちの調査結果(インターネットのサイトWID.warldで閲覧可能)から分かることは全く違う。

 未公開資料の組み合わせ、特に税や資産データを、全国調査や国家会計報告と突き合わせてみると、公的データは中国の不公平レベルとその進行具合を、かなり過小評価していることがわかるのだ。

 1978~2015年、中国が経済成長によって貧困国から脱して事は明白だ。

 世界のGDPに占める中国のシェアは1978年にはせいぜい4%だったが、2015年には18%になった。人口の割合は22%から19%へと若干減少したにもかかわらず、である。

 15年時点のユーロに換算した[物価水準を考慮する]購買力平価を用いると、一人当たりの国民所得は1976年に150ユーロ程度だったのが、2015年には、月ほぼ1千ユーロに増加。中国の平均収入がいまだに欧州や北米の3分の一~4分の1だとしても、上位10%の富裕層、つまり1億3千万もの人々は、富裕国に等しい平均年収を手にしているのだ。

 問題は、下位50%の所得層での所得の伸びが、平均の2分の1だったことだ。

 私たちの推計は中国の不平等の下限と考えるべきだが、それでも国民所得における下位50%のシェアは、1978~2015年に28%から15%まで落ちた一方、上位10%の富裕層のシェアは26%から41%に上昇した。

 この格差の広がりは衝撃的だ。

 中国社会の不平等のレベルは、明らかに欧州レベルを超え、猛烈な勢いで米国のそれに近づいているのだ。

 私有財産の集中に至っては、さらに劇的な形で格差の広がりが認められる。

 1995~2015年に、上位10%の富裕層が保有する私有財産のシェアは、41%から67%に上昇した。

 この20年間で、スウエーデンよりも低かった割合が、米国に近い水準になったのだ。

 この期間に不動産はほぼ全面的に民営化されたわけだが、この取得をめぐって大きな不平等があり、また部分的な私企業化が、非常に不透明な条件のもとでごく限られたグループの人たちにだけ可能だったことを示している。

 このペースでいけば、中国は一種の「富者の共産主義」を発展させる」恐れがある。

 資本主義国以上に私有財産の集中が進み、全てを共産党一党が把握するという状態である。」と教えてくれる。

 最後に筆者は、「しかし、本質的な違いがあることも強調しておかなければならない。

 中国では、不動産、企業、土地、インフラ、施設など(公的資本と民間資本の総和である)国民資本のうち国の持ち分が、大幅に減ったとはいえ、いまだに大きい。私たちの推計によれば、1978年にはこうした公的資本は国民資本の70%にそうとうしており、206年以降は30%程度に落ち着いているものの、経済危機以降は若干上昇すらしていて、公的企業の復活がうかがえる。

 それに対して資本主義国では、公的資本の割合は1950~80ねんまでの(公営企業と私営企業が混在した)混合経済時代にはだいたい20~30%だったが、80年以降に公共資産が民営化され、負債が増えるにつれてこの数字は急落した。

 2007年時点では負債が資産を上回った公的資本がマイナスだったのは、イタリア一国だけだった。

 それが2015年には、米国、英国そして日本もマイナスになる(フランスとドイツの公的資本はかろうじてプラスである)
 言い換えると、民間資産の所有者が国民資本のすべてを保持するだけでなく、将来の税収を引き出す権利もをも有するということだ。

 これは、政府の財政統治能力に重大な制限をかけることになる。

 中国政府の情勢は、それよりは前途有望だ。ただし、その可能性を大多数の人々のために役立てられるということを当局が証明すればの話だ。

 もはや中国人は西洋から教えられることを望んではいない。

 だがその一方で、最高指導者たちの説教にずっと我慢できるかどうかも、定かではないのである。」として締めくくった。

 読んで勉強になった。

 「環球時報」(中国共産党機関紙、人民日報系の国際情報紙)は何段にもわたって、ナショナリズム、排外主義、分離主義、リアリティー番組、俗悪さ、拝金主義をないまぜにして危険な状態だと告発している。」とのこと、

 「中国モデルの限界はよく知られている。第一に透明性が全くなく、体制の不透明さを非難する人々を容赦なく抑圧することが挙げられる」とのこと、

 「問題は、下位50%の所得層での所得の伸びが、平均の2分の1だったことだ。

 私たちの推計は中国の不平等の下限と考えるべきだが、それでも国民所得における下位50%のシェアは、19782015年に28%から15%に落ちた一方、上位10%の富裕層のシェアは26%から41%に上昇した。

 この格差の広がりは衝撃的だ。

 中国社会の不平等のレベルは、明らかに欧州のレベルを超え、猛烈な勢いで米国のそれに近づいているのだ」とのこと、

 「私有財産の集中に至っては、さらに劇的な形で格差の広がりが認められる。

 19952015年に、上位10%の富裕層が保有する私有財産のシェアは、41%から67%に上昇した」とのこと、

 「このペースでいけば、中国は一種の「富者の共産主義」を発展させる恐れがある」とのこと、等々を知ることができた。

 筆者の著作「21世紀の資本論」を読んで、歴史的に「格差」を解消したのは、革命と戦争であった、ことを知った。確かに、平和革命はシステムを破壊し、暴力革命は財産とシステムを破壊し、戦争は財産を破壊し、システムや財産の蓄積から生じる「格差」を結果的に解消してきたのかもしれないと、思った。

 アメリカも中国も、体制は違っても、「格差の拡大」が止まらないとしたら、人類を等しく豊かにする「経済」「政治」のシステムは、どのようなものになるのだろうか?

 社会の変化のスピードが人の一生より短くなったような「今日」、持続可能な「理念」をどうやって創造するのか?

 釈迦やソクラテスや孔子がいなくなってから約2500年経つが、人類は存亡の岐路にあるのだろうか?

 


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by sasakitosio | 2017-02-25 12:03 | 朝日新聞を読んで | Trackback