仏大統領選 EUの命運を握る選択だ<仏独の歴史的和解にひびが入るかも?EUは独仏不戦の安全装置だが!>
2017年 02月 05日
今日はこ社説を学習することにした。
まず社説は、「EUの行方を左右すると言われるフランス大統領選の主要候補が固まった。
投票は4,5月となるが英国のEU離脱、トランプ大統領勝利のような波乱は起きるのか。慎重な判断を望みたい。
現職のオランド大統領が支持率低迷で出馬せず、左派は予備選に勝ったアモン前国民教育相が候補に決まった。
これで右派共和党のフィヨン元首相、極右「国民戦線」のルペン党首。「右でも左でもない」と訴えて支持を広げるマクロン前経財相の対決構図が固まった。
欧米で吹き荒れるポピュリズムの波に惑わされることなく、今回の選挙が持つ重い意味を問い直すべきだろう。とりわけ重要な争点は二つある。」と切り出した。
つづけて社説は、「一つは欧州連合(EU)との関係だ。
今月の世論調査では、EU離脱を掲げるルペン党首が支持率トップに躍り出た。
よもやの事態が現実味を帯びつつある。
だが、フランスの場合、英国やギリシャなどが離脱するのとは全く意味合いが異なる。
EUの前身時代からおよそ70年間、創始国として「統合、拡大、深化」の歩みを主導してきたのである。
離脱はEUの瓦解を意味する。
欧州の歴史は侵略と戦乱、蛮行に明け暮れ、そしてナチスの台頭を許した。
暗い過去の反省から仏、独が二度と戦火を交えない安全装置として生み出した英知がEUである。
その命運を左右する重みを十分に思い返してほしい。
単に離脱か残留かという議論にとどまらず、英国で問われた超国家集合体といえるEUと国家主権の問題や、EU内の「南北格差」の一因である財政の未統合といった直面する課題こそ、選挙戦で掘り下げるべきではないか。」と指摘した。
最後に社説は、「もう一つはフランス特有の移民問題である。国民の10人に一人がムスリム[イスラム教徒]という移民大国。
だが、フランスの文化や伝統、国是を強いる「同化政策」はうまくいっていない。
それゆえに凄惨なテロは誘発された面がある。
現時点で選挙戦をリードするルペン氏とフィヨン氏は移民問題に強硬だ。
だが力ずくで解決できるような単純な問題ではないはずである。
寛容さや多様性を重んじつつ、いかに共存を図るか理性が問われる。
英国の国民投票や米大統領選では「ポスト真実」と呼ばれる根拠のない言説や不確かな情報が投票を左右した。
扇動的な発言が国の分断を招いた。
だからこそ熟慮は求められる。」として締めくくった。
読んで勉強になった。
「フランスの場合、英国やギリシャなどが離脱するのとは全く意味合いが異なる。EUの前身時代からおよそ70年間、創始者として「統合、拡大、深化」の歩みを主導してきたのである。離脱はEU瓦解を意味する」とのこと、
「欧州の歴史は侵略と戦乱、蛮行に明け暮れ、そしてナチスの台頭を許した。暗い過去の反省から仏、独が二度と戦火を交えない安全装置として生み出した英知がEUである。」とのこと、
「国民の10人に1人がムスリム(イスラム教徒)という移民大国。だが、フランス文化や伝統、国是を強いる「同化政策」はうまくいっていない」とのこと、等々を知ることができた。
英国でも、アメリカでも、国民の選択は現実を表している。フランスの国民が日々の暮らしの現実の中で、考えているようにしかならない。
が、新聞の一読者としては、フランス国民がEU離脱の候補者を選択しないことを、神仏に祈るしか手立てはない。