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by sasakitosio

一粒の砂から世界を見る<「赤いユートピア」、最初にあったのは美しい理想、地上に楽園を!抑圧は後に!>

1月17日付朝日新聞6面に、「ノーベル文学賞スベトラーナ・アレクシエービッチ」さんへのインタビュー記事が載った。
 聞き手は、共同通信編集委員軍司泰史氏だ。
 今日はこの記事を学習することにした。
 まず記事は、「「ポスト真実」の時代だという。客観的な事実が重視されず、感情や信念へのアピールが世論形成に力を持つ時代。
 我々は何を、どう見すえればいいのか。
 3人の海外の識者に混迷する世界への視点を聞く。
 2015年のノーベル文化賞を受賞したベラルーシの作家スベトラーナ・アレクシエービックさんは、最新作「セカンドハンド時代「赤い国」を生きた人々」でソ連崩壊を経験した人々の声を集め、心打つ長大な作品を編んだ。普通の人々が、なぜこれほど深い言葉を語り得るのかを尋ねた。」と切り出した。
 つづけて記事は、「--最新作には、抑圧的だった旧ソ連を懐かしむ人がたくさん出てきます。なぜでしょう。との聞き手はとう。
 「「赤いユートピア」が強制収容所で成り立っていたと考えるのは誤りです。最初にあったのは美しい理念でした。地上に楽園をつくるのだと。抑圧はその後にやってきました。」
 「人々が語ったのは、自分が(理念を)どうやって信じていたかということでした。自分の人生を無駄だったといえる人は先ずいません。だから人々は戦争に赴いたことや戦勝パレードに 浮き浮きして出かけたことを語ったのです」
 「忘れていけないのは、彼らは別の人生をしらなかったということ、自由の下で生きた経験が全くなかったということです。
 もちろん広場を掛けて「自由を」と叫んだことはありました。
 でも自由とは何かを理解していなかった。想像もつかなかったのです」、とスベトラーナさんは語った。
 つづけて記事は、「最初の作品「戦争は女の顔をしていない」は、前線に出た女性たちの戦争です。新鮮でした。と聞き手が問う。
 「第二次大戦で百万人以上のソ連女性が戦場に赴いたにもかかわらず、戦後彼女たちは忘れられました。
 平和が訪れた故郷に、軍服姿で戻ってきたのです。
 男性からは結婚相手とみなされず、だれも彼女たちに関心を向けませんでした」
 「私が話を聞きに訪れると、目に涙をためて迎え入れてくれました。なぜなら、戦争の時代は本当に心が震えるような日々だったから。戦地での初めての恋。
(自分たちが)美しかった時代、強い感情を抱いて生きていた日々をからりたかったのです」とスベトラーナさんは答える。
 さらに記事は、「――恐ろしい経験も語られています。と聞き手が問う。
 「痛みを語るというのは、私たちの文化では驚くことではありません。痛みこそが(自らの)存在の形です。
 彼女たちは「私は全部話すけど、書くときは時は違うことを書いてね。ヒロイックにね」と注文しました」
 「私がつくったのは、彼女たちが書いてはいけないと言ったことを全部入れた本です。書くことを彼女たちに納得してもらうことが最も難しかった。」とスベトラーナさんは言う。
 さらに続けて「――あなたの本では普通の人々が深い言葉を語っています、と聞き手は問う。
 「フランスのヤン・アルテュスベルトラン監督が製作した「ヒューマン」という映画があります。
 貧困層を含む普通の人々が、カメラに向かって語るのですが、震撼しました。愛について、子どもの時代について、母親について、彼らの発する言葉の素晴らしさといったらありません」
 「これは一つの例になると思います。私はよく「あなたの本には美しい人間ばかり出てくる」と言われますが、愛を覚え、死を身近にに感じた後では、人はすべてこのように語るものです。
 愛と死の[経験の]後で、人は爪先立つように自分より高い存在になるのです。
 そういう瞬間を、私は捉まえるのです」とスベトラーナさんはいう。
 さらに続けて「――ノーベル賞授賞式の「小さな人」と大きな人」を対比させていますね、と聞き手は問う。
 「私の本は証言集ではなく、多数の声からなる長編文学です。人間は大きな歴史の中では一粒の砂に過ぎませんが、小さな歴史から大きな歴史が生まれるのです。一人一人を通してみること。百万人単位で見ていても、ものは見えてきません」とスベトラーナさんは答える。
 最後に記事は「――ロシアのプーチン大統領や米国のトランプ氏など強い国を目指す指導者が支持される世界をどう見ていますか、と聞き手は問う。
 「人々が未来に恐怖を感じ、どうしていいかわからないということだと思います。だから「私はどうすればいいか知っている」と豪語する人々が指導者になるのです。
 ただ彼らの示す解決法は、過去にあった方法です。
 人々は過去に救いを求めているのです。
 この意味でプーチンとトランプは似ています。」
 「いま国民はプーチン大統領の言葉に耳を傾けますが、知識人の言葉は理解不能とされています。
 知識人は当惑し、沈黙しています。一番恐ろしい対立は、私たち知識人と国民の対立なのです」とスベトラーさんは答える」として締めくくった。
 読んで大変ためになった。
 「「赤いユートピア」が強制収容所で成り立っていた考えるのは誤りです。最初にあったのは美しい理念でした。地上に楽園をつくるのだと。抑圧はその後にやってきた」との言葉は、考えるヒントをくれる。
 なぜ、そうなるのか。地上に楽園をつくるという理想にウソはなかったはずだし、そう思いたい。が結果として「赤いユートピア」が誕生し、人々は自由の下で生きた経験が回ほど長く「抑圧」の生活を送らなければならなかった。それは、思想に根本的な欠陥があたのか。例えば「プロ独」のような、民主集中制という「全体主義」のような。はたまた、欲の塊の人間の性なのか?
 サンクトぺテルブルグを昨年29日から今年1月2日までの短い間、街の独り歩きをして、モスクワ駅の革命広場に立ち、昔を思い、見回ししばし佇んだ。
 また、「第二次世界大戦で百万人以上のソ連女性が戦場におもむいた」こと、「平和が訪れた故郷に、軍服姿で戻ってきたのです。男性からは結婚相手とみなされず、誰も彼女たちに関心を向けませんでした」とのこと、等を初めて知り、何故だろうかと考えた。
 戦争に勝って帰還する「兵士」は男でも女でも「英雄」として「国民的喝采」を浴びてもいいような気がしたが、ソ連社会の現実は違ったらしい。
 また、「一人一人を通してみること。百万人単位で見ていても、ものは見えて来ません」との指摘、
 ロシアのプーチン大統領や米国のトランプ氏などが支持される世界を、「人々が未来に恐怖を感じ、どうしていいかわからないということだと思います。だから「私はどうすればいいか知っている」と豪語する人々が指導者になるのです」との指摘は、は共になるほどとストンと腹に落ちた。
    
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by sasakitosio | 2017-01-20 07:04 | 東京新聞を読んで | Trackback