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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

「非戦」という国家戦略<そして想定外の外国での核戦争の際、「国民一人ひとり」を守る備えはあるの!?>

 1月4日東京新聞社説に、「「非戦」という国家戦略」という見出しで、日本の安全保障のことが載った。
 今日はこの社説に学ぶことにした。
 まず社説は、「私たちにとって「平和主義」とはなんでしょうか。単なる理想?
 いえ、終戦から71年が過ぎ、日本の国家運営を支える重要な「戦略」となっています。
 安倍内閣は2013年12月17日、「国家安全保障戦略」を閣議決定しました。今後10年程度を念頭に置いて、外交・安全保障の基本方針を示したものです。
 それまでは1957年に閣議決定された「国防の基本方針」が国の安全保障を考える指針になっていました。それに代わるものとして策定されたのです。 
 米国など諸外国には、外交・安全保障の基本方針を体系的に示すこうした文書は既にありますが、日本では初めてでした。
 「戦略」は「国家安全保障の基本理念」の中で「我が国は、戦後一貫して平和国家としての道を歩んできた。専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならず、非核3原則を守るとの基本方針を維持してきた」と、日本の安保政策を振る帰ります。
 そして「こうしたわが国の平和国家としての歩みは、国際社会において高い評価と尊敬を勝ち得てきており、これをより確固たるものにしなければならない」と平和国家としての歩みに高い評価を与え、堅持する決意を表明しています。
 この戦略の策定を主導した安倍晋三首相は「ただ平和、平和と唱えるだけでは平和は守れない」と繰り返します。
 憲法改正で自衛隊の「国軍化」も目指します。
 その安倍内閣ですら、平和国家としての歩みが日本に極めて重要で、今後も堅持すべき理念であることは認めざるを得ません。
 この戦略は「日本の平和主義」の普遍性を明確に示しているのです。」と切り出した。
 つづけて社説は、「専守防衛に徹し、軍事大国とはならないことを誓った日本の平和主義は、無謀な戦争に突入して国内外に多大な損害を与え、日本人だけで310万人の犠牲者を出した、先の大戦に対する痛切な反省に基づいています。
 国権の発動たる戦争と武力による威嚇、武力行使を国際紛争解決の手段としては永久に放棄することを宣言した憲法9条は、海外で武力を行使しないという「非戦の誓い」でもありました。
 その後、米国と安全保障条約を結び、自衛のための必要最小限度の実力組織として自衛隊を創設しましたが、この誓いに基づく抑制的な防衛力整備と平和外交が戦後日本に平和と経済的繁栄をもたらし、国際社会の高い評価と尊敬を勝ち得たことは周知の通りです。
 平和と唱えるだけで平和は守れませんが、平和を唱えなければ平和が守れないのも事実です。
 戦後日本にとって平和主義は、地域の情勢を安定させ、国民には安全、安心と経済的繁栄をもたらし、国際社会から信頼と尊敬を勝ち取るための国家戦略なのです。
 米国にとって「自由、民主主義、市場経済」や、フランスにとっての「自由、平等、博愛」と同様「国のかたち」をしめす「アイデンティティー」であり、国家に力をもたらす「ソフトパワー」といってもいいでしょう。
 気掛かりなのは安倍首相が「平和主義」の前に「積極的」との言葉を冠していることです。
 安倍内閣は積極平和主義を掲げて、歴代内閣が禁じていた「集団的自衛権の行使」を一転、容認し、15年9月には安全保障関連法を成立させました。
 南スーダンに派遣している陸上自衛隊の国連平和維持活動(PKO)部隊には昨年「駆け付け警護」任務が付与されました。
 戦闘に巻き込まれれば、海外での「武力行使」につながりかねない危険な任務です。
 1990年に起きた湾岸危機当時の外務次官で、その後、駐米大使を務めた栗山尚一さんは最後の著書「戦後外交」(岩波現代全書)で「われわれが将来にわたって堅持すべき9条の基本的趣旨とは何だろうか。筆者は、それは同条1項の「戦争放棄」であると考える」と記しています。」と教えてくれる。
 最後に社説は、「栗山さんは集団的自衛権の行使を認め、PKOにも積極的に参加すべしとの立場でしたが、自衛権の乱用は厳に戒めています。
 それは9条1項が、先の戦争への深い反省に立ち「自衛権の行使に当たっては、自ら厳しい制約を課する覚悟を象徴している」(同著)からです。
 平和主義が、国家価値を高める戦略であっても「積極的」という言葉を冠することで暴走、変質することはないか。専守防衛に徹し、二度と軍事大国にならないという9条の原点を、私たちは常に確認する必要があります。」として締めくくった。
 読んで勉強になった。
 「安倍内閣は2013年12月17日、「国家安全保障戦略」を閣議決定しました。今後10年程度を念頭に置いて、外交・安全保障の基本方針を示したものです」とのこと、
 「こうしたわが国の平和国家としての歩みは、国際社会において高い評価と尊敬を勝ち得て来ており、これをより確固たるものにしなければならない」と平和国家としての歩みに高い評価を与え、堅持する決意を表明しています」とのこと、等等を社説で知ることができた。
 社説指摘の「戦後日本にとって平和主義は、地域の情勢を安定させ、国民には安全、安心と経済的繁栄をもたらし、国際社会から信頼と尊敬を勝ち得るための国家戦略なのです」は全くその通りだと思った。
 そして、戦中に生まれ生き残り、戦後を今日まで生きてこれたことを、ものすごく幸せな人生だったと思っている。
 平和主義のまえに「積極的」との言葉を冠して、「集団的自衛権の行使容認」、「安全保障関連法の成立」、「南スーダン派遣の陸上自衛隊の国連平和維持活動(PKO)に「駆け付け警護」任務の付与」しか「知恵」が無いとは、日本の指導層の志の低さにあきれ、情けない気がした。
 どうせ、積極的平和主義をいうならば、憲法前文にある「われらは、全世界の国民が,ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和の裡に生存する権利を有することを確認する」との精神を、具体化する施策を生み出してほしいと思った。
 また、国内的には非核三原則を貫いても、外国間の核戦争が想定外の事態で勃発した場合に備えて、血税を戦艦や戦闘機や戦車や弾薬に使うのではなく、日本国民の安全保障として「核シェルターの年次的建設促進、食料や医薬品の備蓄」等等に使うことに目を向けてほしいと思った。
by sasakitosio | 2017-01-09 08:02 | 東京新聞を読んで | Trackback