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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

イヤな感じの三つの理由<議員の首相礼賛は異様!?自衛隊の海外活動にも「敬意」へか!!??>

 10月28日付朝日新聞社説下、「社説余滴」という欄がある。筆者は、政治社説担当・坪井ゆづる氏だ。
 今日は、この筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「この一カ月の国会を見て、あの時のイヤな感じがますます募る。
 衆院本会議場で先月、自民党議員が次々立って拍手したあの光景だ。
 安倍首相が領土、領海、領空を守る決意を語り、海上保安庁、警察、自衛隊への「心からの敬意を表そうではありませんか」と呼びかけた。
 演説にあった通り、現場は「極度の緊張感に耐え」ているに違いない。
 でも、なぜ、あそこで起立なのか。
 拍手なのか。
 野党からの批判に、首相は「どうして問題になるのか理解できない」と答えた。
 米国の議会でスタンでングオベーションを受けた人らしい感想だ。同じ思いの読者も多いかもしれない。」と切り出した。
続けて筆者は、「だが、そうだろうか。三つの点で引っかかる。
 第一は原則論だ。
 首相は行政府の長であり、自衛隊の最高指揮官だ。
 国会は立法府で、議員は国民の代表だ。両者は三権分立の緊張関係のもとで並び立つ。
 首相が部下である自衛官たちへの敬意を、野党を含むすべての国会議員に促すのは緊張感に欠けていないか。
 気持ちのどこかで、立法府を一段下に見ていないか。
 それも無理からぬ現実がある。今首相は「一強」だ。
 国政選挙で4連勝し、国会でも「数の力」で野党を圧倒する。だから、自民党総裁の任期も最長9年まで延びる。
 首相は「私は立法府の長」と言ったことがある。
 その後、「言い間違えたかもしれない」と述べ、議事録は修正されている。だが、実は国会を牛耳っている実感のこもった本音ではなかったか。
 第二の光景の見え方だ。
 起立して手をたたく議員の視線の先に、拍手しながら議場を見下ろす首相が立っていた。多くの議員が首相を礼賛するかのようだった。
 討論の場の議場を、首相がみずからの権力を誇示する舞台に変えたように見えた。
 第三は将来の話だ。
 政権に戻って4年近くになる。特定秘密保護法の制定、武器輸出三原則の緩和、解釈改憲での集団的自衛権の行使容認、そして安全保障法制。
 首相はきっちり布石を打ち、いまや自衛隊は世界中で他国軍を支援できる。」と指摘した。
 最後に筆者は、「この先いずれ、首相は憲法違反の疑いのある自衛隊の海外活動にも「敬意」求めないだろうか。安保法制は違憲だとの批判を、議場の規律と拍手でかき消そうとするかのように。」、として締めくくった。
 読んで勉強になった。
 先月の衆院本会議でのスタンでングオベーションについて、筆者の引っかかった3点を知ることができた。
 まず筆者は、国会と行政府は三権分立の対抗関係にあるのに、首相は気持ちのどこかで、立法府を一段下にみていないか、と指摘した。
 また、筆者は、多くの議員が首相を礼賛するかのようだった、と指摘した。
 この点が、私も異様な風景を見た気がした。
 映像でしか見ないヒトラーと安倍首相の言葉のリズムに何故か共通性を感じ、起立して手を叩く議員が首相を礼賛するかのような風景が、ヒトラーの演説に「ハイルヒトラー」と手を挙げて叫ぶ「ドイツの大衆」と2重写しになって、わたしも筆者と同じように「イヤな感じ」を持った。
 さらに、筆者は、「この先、首相は憲法違反の疑いのある自衛隊の海外活動にも「敬意」をもとめないだろうか。」と危惧している。
 筆者の危惧は当たるような気がしている。首相の行為が、海外での自衛隊員の「災禍」を事前に「美化・礼賛」しようとしているような気がしてならないが?ここは落ち着いて考えれば、自衛隊を海外に派遣し、災禍にさらすのは、政府そのもの、その法律を作ったのは与党そのもの、であることを忘れてはならないはずだ。
by sasakitosio | 2016-10-30 06:39 | 朝日新聞を読んで | Trackback