憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

ワイマールの「教訓」 <その憲法下、ナチスも戦争もホロコーストもドイツ国民は積極的に受けいれた??>

 10月4日付東京新聞11面に、「論説委員のワールド観望」と言う欄がある。筆者は、熊倉逸男氏だ。
 今日は、この筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「社説の企画「今憲法を考える」で、ドイツを合せ鏡にして考えながら、あらためて引っ掛かった疑問があった。日本国憲法の先駆とも言われるほど民主的な内容だったワイマール共和国憲法下でなぜ、ナチスが政権を握ることが可能だったのか。
 歴史をたどり直すと、憲法を骨抜きにする一方で、国民の支持を集めていった巧みな手法が浮かび上がった。
 利用したのは、第一次大戦後の「空気」だ。戦勝国からの高額な賠償金、高い失業率やハイパーインフレーションに国民の怒りは沸騰し「あいくち(ドルヒシュース)伝説」が広がった。
 敗戦は軍の責任ではなく、ドイツ皇帝を退位に追い込んだ革命のせい、背後から刺されたようなものだ、という言い訳だ。
 共和国、ユダヤ人へと広がった憎悪を養分に、ナチスは勢力を拡大した。」と指摘した。
 つづけて筆者は、「ヒトラーは、いったんは挫折する。敗戦5年後の1923年、ミュンヘンでクーデターを起こすが鎮圧された。禁固刑を受け、「わが闘争」を執筆する間に、合法的に政権を奪取する方針へと転換した。
 帝政崩壊後に発足したワイマール共和国の憲法は「国家権力は国民に由来する」と明記し、基本的人権の尊重と議会制民主制を保障した。
 一方で憲法は、危急時には基本的人権を制限して必要な措置を講ずることができる大統領緊急命令を認めていた。
 ナチスは、32年の総選挙で第一党に躍進。ヒトラーは元軍人のヒンデンブルグ大統領に取り入り、首相任命を勝ち取ると、大統領緊急命令を乱発した。
 国会議事堂放火事件を口実に反対勢力を弾圧、言論の自由を制限し、政府を批判する集会を禁じた。
 仕上げは、国会審議なしに法律を作る全権委任法制定。
 憲法違反の法律制定も可能になり、ナチス以外の政党を禁じて一党独裁化した。
 共和国の「決められない政治」に不満が募っていた中、賠償金支払い拒否などで、第一次大戦後の「戦後レジーム」からの脱却を進めたヒトラーは、頼もしいリーダーにも見えただろう。」と指摘した。
 最後に筆者は、「人心掌握のため、国民へのアメは不可欠だった。アウトバーン(高速道路)建設などで雇用を拡大した。低所得者への課税引き上げ免除、兵士の家族への手当支給など福祉を充実させた。
 福祉や戦費の財源となったのが、没収したユダヤ人住宅や家具はドイツ人が利用し、占領地ではドイツ人兵士が物品を買いあさり、故郷の家族らに送った。
 現地の経済は破壊された(ゲッツ・アリー「ヒトラーの国民国家」岩波書店)。
 人々は積極的にナチスを受け入れ、戦争にもホロコーストなど国家的犯罪にも歯止めをかけることができなかった。
 時代の鬱屈に付け込んで、経済で国民の歓心を買う。
 米大統領選や欧州各国の選挙でポピュリストが跋扈するのを見ると、ヒトラーに限った話ではない。「空気」つくられやすい。用心に越したことはない。」として締めくくった。
 読んで勉強になった。
 9月26日の臨時国会での安倍首相の施政方針演説の中、首相の呼びかけで立ち上がって国会議員が拍手した、あの光景をみて、ヒトラーの映像を思いだした。
 ファシズムとは、誰一人として国民が用心しない時に現われ、悲劇で終わるまで止まらない、と思っていたが、国会の過日の光景は「日本国のファシズム」の見える化だったのだろうか、と思っていた矢先に「この記事」に出会った。 
 まず記事は、「日本国憲法の先駆けとも言われるほど民主的な共和国憲法下でなぜ、ナチスが政権を握ることが可能だったのか」との疑問、
 「利用したのは、第一次大戦後の「空気」だ」との指摘、
 「共和国、ユダヤ人へと広がった憎悪を養分に、ナチス勢力は拡大した」との指摘、
 ワイマール憲法には「緊急時には基本的人権を制限して必要な措置を講じることができる大統領緊急令を認めていた」との指摘、
 「仕上げは、国会審議なしに法律を作る全権委任法制定」との指摘、
 「人心掌握のため、国民へのアメは不可欠だった。
 アウトバーン建設などで雇用を拡大した。低所得者への課税引上げ免除、兵士の家族への手当支給などで福祉を充実させた」と指摘、
 「人々は積極的にナチスを受け入れ、戦争にもホロコーストなど国家的犯罪にも歯止めをかけることはできなかった」との指摘、等等を知ることができた。
 そして、「ヒトラーに限った話ではない。「空気」はつくられやすい。用心に越したことはない。」との筆者の指摘は、その通りだと思った。
 日常生活の中で、「空気」を感じる「カナリヤ」にならなければ、と思った。
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by sasakitosio | 2016-10-09 16:53 | 東京新聞を読んで | Trackback