憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

介護費のため老々離婚 貯金なく生活保護で病の「妻」支え<新貧乏物語 年金プァ①>

 9月13日付東京新聞朝刊31面に、「新貧乏物語① 年金プァ」というシリーズが始まった。
 (取材班=青柳智敏、鈴木竜司、戸川祐馬、斎藤雄介)
 今日はこの記事を学習することにした。
 まず記事は、「やせ細って血管が浮き、自由が利かなくなった腕を優しくさすりながら、岩村勇さん(79)=仮名=が話しかける。
 「痛くない?」たとえゆっくりでも、寝たきりのベットで「う、れ、し、い」と答えてくれると安心するが、勇さんは戸籍上、その人をもう「妻」とは呼べない。
 同じ年齢の2人が見合いで結婚したのは、1961年(昭和36)年2月。愛知県にある町で喫茶店の店長をしていた勇さんは、上品で奥ゆかしい振る舞いに引かれた。結婚の2か月後、岸信介内閣が掲げた「国民皆年金」で国民年金制度が始まった。日本は高度成長に沸いていた。
 常連でにぎわう20席ほどの店に「年金の職員」と名乗る男性が訪ねてきたことを勇さんは今でも覚えている。
 男性は「新しい制度が始まります」と説明して店を出た。
 当時の年金の保険料は月額100円、コーヒー一杯が60円。
 勇さんは「大した額ではない」と思ったが、職員の説明は全員加入ではなく「希望者は入ってください」といっているように聞こえた。
 当時ニュースとなっていたはずの年金を、客と話題にすることもなかった。小さな喫茶店でも商売は順調で、勇さんも「働いて蓄えておけば大丈夫と考えていた。チェーン店やコンビニの数が増え、商いに不安を感じた妻に「やっぱりかけておきましょう」といわれるまで、年金を払ってこなかった。」と切り出した。
 つづけて記事は、「その妻の手が震え始めたのは平成に入ってから。二人が55才の時だった。
 診断結果はパーキンソン病。
 全身の筋肉が弱り、体の自由が奪われてゆく。10万人に百人といわれる難病で、原因はいまだに分かっていない。
 勇さんは一人で店に立ち、20年以上、妻を自宅で介護した。ただ、妻の身体は徐々に弱り、意識がもうろうとして入院するほど症状が悪化した。
 二人の子供は独立し、それぞれ家庭を持っている。
 「退院しても自分が面倒を見るのは難しい」。
 昨年の春、勇さんは妻を介護施設にに入れる決断をした。
 施設の利用料は、おむつ代を含めて毎月13万円。
 夫婦でもらえる国民年金の満額と丁度同じ額だ。
 だが、未納期間が長かった二人は月3万円づつ、あわせて6万円しかもらえていない。足腰が弱り、店を閉める日が多くなった勇さんには、月6万5千円の店の家賃ものしかかる。
 妻を自宅で介護していた時の出費で、預金は底を突いている。
 入居した翌月から施設への支払いが滞り、勇さんは昨年夏、役所を訪ねて生活保護を申請した。
 ところが収入が低くて貯金がなくても、自宅を資産とみなされて却下。
 そのとき、職員が「これは最後の手段ですが・・・」といいにくそうに説明したのが、妻との離婚だった。
 分かれて別々に暮らせば、資産がない妻は生活保護の対象になる。年金で足りない施設の利用料約10万円を、保護費として受け取れる。「仕方がなかった」。勇さんは離婚届を書くときに、自分に言い聞かせた。
 「これはお母さんを助けるための書類で、離婚届じゃない」
 枝のように細くなってしまったウデ。
 聞き取ることがやっとになってしまった言葉。
 「悲しいけれど、心で結ばれていれば大丈夫」。
 役所に届け出を提出して1年。
 勇さんは55年連れ添った「妻」に、自分たちが離婚したことを話していない。」と教えてくれる。
 最後に記事は、「老後を豊かにするための年金をもらっていても、貧困に陥っている高齢者がいる。
 低収入で将来への年金を払えない人もいる。
 19日の「敬老の日」に向け、年金を取り巻く実態に目を向ける。」として締めくくった。
 読んで、「年金プァ」のタイトルの意味が少しわかっような気がした。
 二人でもらえる国民年金月額13万円、これで老後を賄うとしたら、家賃を払わなくていい「住宅」がある、病気や障害・認知症で入院しない、夫婦二人とも生きている、等の条件が不可欠だ、ということが分かった。
 しかも、国民年金の保険料は個人払いなので、忘れがちで未納期間が発生しやすい。だから、未納期間があると、そうでなくとも少ない年金額が減額される。
 その不足は、生活保護を持って充てるしかない。当初から、国民年金の設計は「生活保護を前提」になされたのだろうか。当時の家族構成(大家族)を前提にして、家族の支え合えを前提にして制度設計され散るのかもしれない、と思った。時代が進み、核家族が普通になった今日では、老後の支えとして、不十分になったのかもしれない、と思った。
 それにしても、施設利用料のために離婚して、生活保護を受けることの辛さが、伝わってくる気がした。
[PR]
トラックバックURL : http://sasakitosi.exblog.jp/tb/23510699
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
by sasakitosio | 2016-09-25 06:36 | 東京新聞を読んで | Trackback