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by sasakitosio

中学での社会的分断 多様性を高める進学制度に<フランスの話ですが・・・>

 9月21日付朝日新聞朝刊17面下段に、「ピケティ コラム」という欄がある。筆者は、1971年生まれ、パリ経済学校教授で、「21世紀の資本」の著者のトマ・ピケティ氏だ。
 今日は、この筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「学校が新年度を迎えるこの時期にこそ問いたい。
 フランス政府は社会的な多様性を高めることを本気で望むのか。それとも実態を伴わない宣伝にとどまるのか。
 公民教育省は2015年、中学校において社会階層ごとに分断される現象を減らすため、新たに実効ある措置を実施する意向を示した。だが残念ながら、今なおすべてがあいまいで、美辞麗句を現実に移そうと急ぐ様子はほとんどみられない。
 中学での社会的分断の度合いは、パリでは容認できない程に高まっている。社会的多様性に関する最新研究は私学の役割がカギになることを示す。
 さらに、生徒の進学先を振る分ける制度を、より公平で透明性の高いものにすれば、状況は目に見えて改善できるという点も強調されている。
 パリでは15年時点で8万5千人以上の生徒が175校の公立・私立中学に在籍した。
 私学が占める割合は年々増え、公立中115校に対し私学は60校。両親が労働者層・失業者・無職など社会的に恵まれないとされた子どもの割合は16%。
 中学が社会的多様性を完全に実施すれば、175の各校に恵まれない生徒が16%ずついる計算だ。
 だが、じっさいには最も上流階層の中学に、恵まれない生徒はほとんどいない。(1%未満)一方、反対の極には、恵まれない生徒の60%以上を占める中学がある。
 注目されるのは私学だ。恵まれない生徒がいない中学のほぼすべてが私学で、逆に恵まれない生徒が多数在籍する中学に私学は1校もなかった。私学は授業料がかかり最貧困層は入学できない。それ以上に、受け入れる生徒と受け入れない生徒とを私学は自ら選択できるためでもある。」と切り出した。
 つづけて筆者は、「社会的多様性を本気で考えるなら、生徒の進学先を振り分ける共通ルールに私学を組み込むことが望ましい。公立校だけで推進しようとすれば、恵まれた家庭の生徒がますます私学に移っていく恐れが強い。
 選択の自由を剥奪される保護者や私学教師の憤慨する声が聞こえるようだ。
 だが巨額の公的資金で補助される以上、私学が共通ルールに従うのは当然だ。カリキュラムにはすでに共通ルールが適用されている。生徒の進路の振り分けもそうすべきなのだ。
 地域内格差への対策も必要だ。パリ市では西部および中央部の区には恵まれない生徒が少ない半面、北部、東部の区には集中している学校がある。世帯収入の中央値を調べると、居住地によって階層が極端に分かれるのがわかる。6万ユーロを超えるのは(パリ中央部・西武の)7.8.16区の中の最も恵まれた地域で、2万ユーロを下回るのは、(北部の)18区、(東部の)19区、20区の中の最も恵まれない地域だ。
 区の中の格差を詳しく調べることも大切だ。同じパリ18区でも2.3の通りを隔てただけで非常に不均衡がある。ジャラール・フィリップ中学の恵まれない生徒の割合は56%。徒歩でわずかに離れたモンマルトの丘のふもとのイボンヌ・ルタック中学は9%である。
 中学校で極端な社会的分断がみられるのは、居住地によって社会階層が分断されているためだ。現制度では、両親の住所で機械的に進学する中学が決まる。私学への生徒の流出で分断傾向はさらに強まる。
 状況を改善する方法はある。生徒を振り分ける共通の制度に公立・私学の双方を組み込むことで中学校における社会的多様性を大きく促進できる。別に中学生がパリ市内をはるばる移動する必要はない。パリという都市は非常に密着し、距離は短く、公共交通機関も整っている。登校時間を大きく増やさずとも分断の大幅軽減は可能だ。
 すべての中学に恵まれない生徒が10~20%、あるいは5~25%いる制度は考えられるのではないか。(現状の)「0.3~63%というのは論外だ。」と指摘した。
 最後に筆者は、「状況の改善は決して夢物語ではない。経済学者のグループが6月、「パリ首都圏の高校での社会的多様性に対するAffelnetとは、高校への進学振り分けにあたって、成績と志望のほかに、最も恵まれない生徒に「奨学生ポイント」を加算する制度だ。
 研究によると、07~08年度にAffelnetを用いたことでパリの高校で改善が実現した。社会的多様性が大いに進み、分断の度合いは34%低下した。
 完璧にはまだ遠いものの、Affelnetが社会的分断対策に有効であることが明らかになった。中学校にも応用できるだろう。
 ただし、この制度の限界から教訓を学ぶ必要もある。まず、公立校と私学の双方に適用しなければならない。
 さらに、奨学生ポイントの加算は、同じ学校を希望する奨学生があまりに多い場合など、社会的多様性の到達目標を超えた時点でやめるのが肝要だ。
 しかし教育省はAffelnetのこの根本的不具合の修正を拒み続けている。
 その結果、16年度の新学期に入学者の80%を奨学生が占める学校が出る。つまり社会的分断の度合いが改革前より大きくなってしまったのだ。
 こうした民主主義の根幹にかかわる問題に関する真剣な議論を教育省は受け止めるべき時だ。
 そして、生徒の進路振り分け制度につきまとう極度の不透明性に終止符を打つべきである。
 教育省が執拗に透明化を拒めば、制度への保護者と生徒の信頼は損なわれかねない。だが、この制度は社会の真の進歩を支えることもできるのである。」として締めくくった。
 読んでフランスの一つの現在事情を知る上で勉強になった。
 筆者の指摘で、
 「中学での社会的分断の度合いは、パリでは容認できないほど高まっている」とのこと、
 「パリでは15年度時点で8万5千人以上の生徒が175校の公立・私立中学に在籍した。私学の占める割合は年々増え、公立中115校に対し私学は60校。」とのこと、
 「実際に最も、上流階層の中学に、恵まれない生徒はほとんどいない(1%未満)。一方、反対の極には、恵まれない生徒が60%以上を占める中学がある」とのこと
 「恵まれない生徒がいない中学のほぼすべてが私学で、逆に恵まれない生徒が多数在籍する中学に私学は1校も無かった。」とのこと、等等を知ることができた。
 パリでは、中学校からの社会的分断の度合いの高まりが、若者がテロを起こす原因にもなっているのかなあ、と思った。
 官民の格差について、日本で感じたのは、東京圏と大阪圏では、旧国鉄の駅よりも私鉄の駅が繁盛していたことだ。はじめて関西へ行った時に、カルチュアショックを感じたことを、思い出した。
 また、日本では、教育の場で、周囲をみわたして、社会的分断が起きていないように思うが、どうだろう。
 
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by sasakitosio | 2016-09-24 06:46 | 朝日新聞を読んで | Trackback