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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

戦後の闇を検証し 新たな国の形を <裁判権放棄密約!指揮権密約!日本は独立国ではないじゃん??>

 8月14日付東京新聞朝刊14面に、「あの人に迫る」という欄がある。
 五味洋治氏から、編集者の矢部宏治さん(56)へのインタビューが、その内容だ。
 今日はこの記事を学習することにした。
 まず記事は、「日本は戦後71年間、平和と繁栄を享受してきたが、その一方で日米関係に関連して[密約]と呼ばれる闇を抱えていた。
 沖縄の基地問題を糸口に、その見えにくい実態を6年間かけて本にまとめた人がいる。
 編集者の矢部宏治さん(56)だ。戦後の大きな節目となる改憲が現実のものとなりつつある今、あらためて「闇」の構造や、成り立ちを聞いた。(五味洋治)」と切り出した。
 続けて記事は、「戦後史を調べ始めたのは鳩山由紀夫首相(民主党)の退陣(2010年)がきっかけだったとか。の質問委対し、矢部氏は次のように答えています。
 「鳩山政権は、子育て支援や農家への戸別補償など、庶民の暮らしに手厚い政策を掲げた政権でした。
 あのまま続いていたら、私たち日本人は、現在と全く違った16年を生きていたと思います。
 しかし、普天間基地の「移設」問題でつまずき、わずか9カ月で倒れてしまいました。
 その後、鳩山さん自身の証言によって、日本の首相と在日米軍の方針が対立したときに、日本の高級官僚たちは、在日米軍の方につくという事実が明らかになったのです。
 なぜそんなことが起こるのか。とにかく、現場に行ってみようと写真家と二人で沖縄に渡り、米軍基地を訪ねあるいてそのガイドブックを作りました。」と。
 11年ですね、との質問に対し、矢部氏は次のように答えています。
 「沖縄に行くと街を歩いている普通の人が、基地がよく見えるスポットを教えてくれたので、次々に撮影しました。
 そこから疑問が解けて行ったのです。
 日本という国は大多数の人が日米安保体制の枠内にいる、いわば「安保村」だといえます。
 しかし、沖縄に行って、その村の外側に出ると、おかしな国家の現状が見えてきたのです。
 例えば東京を中心とした首都圏の上空は米軍の管理空域になっていて、日本の民間機は、その空域を許可なく飛ぶことができません。
 また、米軍が日本の国土全体をいつでもどこでも基地に出来ることは、外務省の内部文書が認めています。
 日本国内での米軍関係者の犯罪は基本的に裁かないという、「裁判権放棄密約」が存在していることも分かっています。
 沖縄と深く関わっているうちに、「戦後日本」を見る目がすっかり変わってしまいました。
 その時の驚きが出発点になっています。」と。
7月の参院選で、改憲勢力が国会で憲法改正を発議できる3分の2の議席を獲得しました。との質問に対し、矢部氏は次のように答えています。
 「あの選挙結果を受けて、日本の戦後民主主義を巡る本当の戦いが、始まったのだと感じました。
 これまでの戦後71年、日本のリベラル勢力は憲法に指一本触れるな」という方針をとってきた。
 改憲議論そのものをするな、という立場ですね。
 私は、それは戦術的には正しかったと思います。
 憲法9条2項、つまり日本は軍事力を持たないという条項は「米軍基地」と「自衛隊」によって破壊されていたわけですが、より弊害の大きい9条1項の破壊、つまり(海外派兵)だけは、「指一本触れさせない」戦術で食い止めてきた。
 歴代首相も、9条を盾に、米国から繰り返される自衛隊の海外派兵の要請を拒み続けてきた。
 しかし、安倍政権は14年に、海外での戦争を可能にする集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、9条1項を破壊しました。
 こういった状況の中で安倍首相に対抗するには、護憲派自身が、国民の多数派が支持できるような改憲案(微修正案)を一致して考え出し、広く提示する必要があるのです。」と。
 焦点は何といっても憲法9条です。かとの質問に対し、矢部さんは次のように答えています。
 「「日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか」という本を書きながら、憲法9条1項と2項の破壊は、いずれも米軍の軍事的要請によって、日本の独立(1952年)前から進められていたことがわかりました。
 転機は、日本の独立直前に起きた朝鮮戦争(50~53年)です。」と。
 と言うと。との質問委対し、矢部氏は次のように答えています。
 「旧安保条約(米軍の日本駐留などを定めた条約、60年に改定)が結ばれる。1年前の50年6月に朝鮮戦争が起こり、米軍は(朝鮮国連軍)は当初、釜山の一角まで追い詰められました。
 この時、米軍占領下にあった日本は、米軍への徹底的な戦争協力を求められたのです。
 そして憲法9条の根本的な変質が始まります。
 代表的な例が二つ。
 米軍の求めに応じて海上保安庁が朝鮮半島での軍事作戦に参加し、機雷の掃海を行って戦死者まで出したこと。
 もう一つは、朝鮮半島へ出撃してがら空きになった在日米軍基地を守るため、警察予備隊という事実上の軍隊を米軍指導の下につくったことです。
 そうした「占領下での戦争協力体制」を独立後も継続することを定めたのが、旧安保条約とそれに付随する条約や、数々の密約なのです。」と。
 9条「破壊」を示す米側文書も残っているのですね。との質問委対し、矢部さんは次のように答えています。
 「そうです。米軍が朝鮮半島で大苦戦する中、米国政府は、安保条約を講和条約から切り離しその条文を米軍自身に書かせた。
こ こが現在まで続く戦後日本のゆがみの原点です。
 その米軍が書いた旧安保原案の「日本軍」という項目には、次のような二つの例外規定があったのです。
 <この(安保)条約が有効なあいだ、日本政府は陸海空軍は創設しない。ただし、米政府の同意や決定に基づく軍隊の創設計画の場合は、例外とする>
 この条文によって軍隊の放棄をうたった9条2項の破壊が計画され、それは日本独立後すぐに「自衛隊の創設」というかたちで現実のものとなります。
 さらに、
 <日本軍が創設された場合、日本国外で戦闘行動はできない。ただし(米政府が任命した)最高司令官の指揮による場合は例外とする>という規定もありました。
 この原案にあった文言は密約などの形で生き続けていますし、原案は米国務省のウェブサイトで公開されています。
 自衛隊はもともと米軍の指揮下で戦争するという「指揮権密約」を前提として創設されていきます。
 密約を結んだのは、当時の吉田茂首相です。
 その米軍の指揮権を前提とした、今説明した二つのの例外規定によって、憲法9条は変質し、破壊されていったのです。
 ですから安倍晋三首相は突然現れてきた存在ではなく、「米軍の戦争を全面的に支援する戦後日本」という」当初のグランドデザインを、最終段階で完成させようとしている人物だという認識が必要です。」、と。
 改憲を巡る状況をどう見ますか。との質問にたいし、矢部さんは次のように答えています。
 「大変厳しい状況にあると思いますが、やはりポイントは護憲派が説得力を持ち、国民の幅広い合意が可能な「国のかたち」を一致して考え出せるかです。
 二つの例があります。
 憲法に条項を加え、「日本は専守防衛で必要最低限の防衛力を持つ」が「今後、国外に基地を置かない」と明記することです。
 フェイピンが87年に実現しました。
 もう一つはドイツ、東西ドイツの統一と欧州連合(EU)の拡大に伴い、ドイツは主権を回復してきました。
 これを参考にするなら、日本が朝鮮半島での平和条約の締結に貢献し、その中で朝鮮戦争を原因とする米国との不平等な条約の解消を進める。
 護憲派の中に存在する、いくつかの矛盾も見直す必要があります。
 憲法9条2項と自衛隊の問題に象徴される「解釈改憲」の歴史を私たち自身が検証し、克服しなければ、国民の多数派の信頼を得ることはできないでしょう。」と。」として締めくくった。
 読んで、大変勉強になった。
 筆者は、「鳩山さん自身の証言によって、日本の首相と在日米軍の方針が対立したときに、日本の高級官僚たちは、在日米軍の方につくという事実が明らかになった」とのこと、
 「東京を中心とした首都圏の上空は米軍の管理空域になっていて、日本の民間機は、その空域を許可なく飛ぶことができません」とのこと、
 「米軍が日本の国土全体をいつでもどこでも基地にできることは、外務省の内部文書が認めていいます」とのこと、
 「日本国内での米軍関係者の犯罪は基本的には裁かないという、「裁判権放棄の密約」が存在していることが分かっています」とのこと、
 「歴代首相も、9条を盾に、米国から繰り返される自衛隊の海外派兵の要請を拒み続けてきました。
 しかし、安倍政権は14年に、海外での戦争を可能にする集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、9条1項を破壊しました。」とのこと、
 「「占領下での戦争協力体制」を独立後も継続することを定めたのが、旧安保条約とそれに付随する条約や、数々の密約なのです」とのこと、
 「米軍が書いた旧安保条約の原案の「日本軍」という項目には、次のような二つの例外規定があったのです。
 <この安保条約が有効なあいだ、日本政府は陸海空軍を創設しない。
 ただし米政府の同意や決定に基づく軍隊の創設計画の場合は、例外とする> (中略)
 <日本軍が創設された場合、日本国外で戦闘行動はできない。
 ただし、(米政府が任命した)最高司令官の指揮による場合はその例外とする>という規定がありました」とのこと、
 「この原案にあった文言は密約などの形で生き続けていますし、原案は米国務省のウエブサイトで公開されています」とのこと、等等を教えてくれた。
 そうだったのかと、目からうろこが落ちる、感覚だ。
 それにしても、日本は、高級官僚(高給官僚では?)までが、日本人の税金で生きているのに、日本の総理より在日米軍につく、しかも戦後70年間ズート、ここは護憲も改憲もない、国民全体が怒らなければならないところだと、思った。
 また、「首都圏の上空が米軍の管理空域であること」、「米軍が日本の国土全体をいつでもどこでも基地に出来る(外務省の内部文書)の存在」、「裁判権放棄密約」、「指揮権密約」、等々は、日本は独立国家でないことの証明のような気がした。
 そこで、筆者の「安倍晋三首相が、突然現れた存在ではなく、「米軍の戦争を全面的に支援する戦後日本」という当初からのグランドデザインを、最終段階で完成させようとしている人物だという認識が必要です」との指摘は、当たっているような気がした。
そして、 日本国憲法の破壊の転機が、朝鮮戦争にあるとすれば、日本の平和と安全のためには「絶対に朝鮮半島で戦争」を起こさせない、「出来るなら、日本が朝鮮半島での平和条約の締結に」貢献し、「米国との不平等条約」の解消を図ることに道がありそうな気がした。
by sasakitosio | 2016-08-18 19:48 | 東京新聞を読んで | Trackback