複雑怪奇な中東外交 <サウジアラビアとイスラエルが関係正常化??新たな構図?>
2016年 08月 12日
今日はこの筆者に学ぶことにした。
まず筆者は、「米国の大統領選擧、英国の欧州連合(EU)離脱、欧州各地のテロ事件などに目を奪われているうちに、中東で大きな変化の兆しが見えていた。
それは、アラブ世界の盟主としてイスラエルの存在を許さない立場のサウジアラビアが、ひそかにそのイスラエルと関係正常化の協議を進めているというもので、レバノンのイスラム教シーア派武装組織「ヒズボラ」のナスララ氏が先月28日に行った演説の中で暴露した。
「この関係正常化はイスラエルを利するだけだ。それもタダでくれてやるようなものだ」
ナスララ氏はこう避難したものの、その根拠は示さなかった。」と切りだした。
つづけて筆者は、「しかしこの発言から3日後、イスラエルの英字紙「エルサレム・ポスト」は「ナスララの不安に根拠があるのか?」と題してイスラエルとサウジの接触を伝えた。
それによると、サウジの情報機関の責任者だったトルキ・ファイサル王子が、国際会議等の場でイスラエルの軍事関係者らと接触しているのを目撃されている。
サウジの退役将軍のアンワル・エシュキ氏は、今年7月学術代表団の団長としてイスラエルを訪問し、外務省のドレ・ゴールド局長や数人の国会議員と会合を持っている。
それ以上に進んでいると思われるのが水面下の接触だ。
イスラエルはすでに情報活動用の機器や指揮命令センター装置一式をサウジの情報機関に提供しており、イスラエルの情報機関「モサド」のトップとサウジ側の責任者や、両国の軍の責任者同士もすでに顔を合わせているという情報もあるとか。
さらに、今年4月イスラエルから紅海へ通じる海峡にある二つの島をエジプトからサウジに譲渡したが、これもサウジがイスラエルに対して敵意を抱かないことを保証したため可能になったと考えられる。「エルサレム・ポスト」紙は「火のないところに煙はたず」と両国間で間違いなく何かが進行中だと伝えている。
最後に筆者は、「その背景には、イランの核兵器開発があることは間違いない。
また、イランの「先兵」でもある「ヒズボラ」を排撃したということでも両国の利害は一致する。
つまりは、「敵の敵はは味方」という外交力学でイスラエルとサウジが急接近を図っているのだ。
これで、もしサウジが、イスラエルとの関係を改善すると、湾岸諸国もサウジに追随するのは目に見えてくる。
その結果、中東の勢力関係は「アラブ対イスラエル」から「イスラム教スンニ派対シーア派」と、それにイランとイスラエルの核が絡んだ複雑な構図に変わる。
しばらくは、中東全体を俯瞰しながらその変化の予兆に目配りをしていかなければならないだろう」として、締めくくった。
読んで勉強になった。
イスラエルとサウジアラビア間に関係正常化の動きがあるとのニュースを知った。
それが、国家間、地域間の平和へとつながることを期待したい。責任者が、まず会って話をするということが、誤解を解く一番のカギだろうから。
ただ、筆者は「サウジがイスラエルとの関係を改善すると、湾岸諸国もサウジに追随するのは目に見えている」とのこと、
「その結果、中東の勢力関係は「アラブ対イスラエル」から「イスラム教スンニ派対シーア派」と、それにイランとイスラエルの核が絡んだ複雑な構図に変わる」とのこと、等を教えてくれる。
イスラエルをめぐる中東情勢の変化が、国家間の衝突を回避し、核戦争の危機を回避しながら、国家間・民族間・宗教間の戦争ない時間を少しでも長くしてほしい、と思った。