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by sasakitosio

東電 福島原発事故対応費用 国に追加支援要請 <ならば、債務超過のまえに、法的整理を!?>

 8月2日付東京新聞朝刊28面と29面にわたって、「こちら特報部」というページがある。
 今日はこ記事に学ぶことにした。
 記事の見出しが立て横に躍る。
膨らむ一方の「賠償」+「除染」
上限の9兆円越え確実
廃炉費用2兆円どころか「桁違い」
取沙汰される「新基金」
「税金投入の前に、まず事業者負担」
 まず記事は、「東京電力ホールでングスが、政府に「追加支援」を求めている。福島第一原発事故による賠償や除染費用が足りない可能性賀高まったからだという。
政府が設定した東電支援のための上限は当初5兆円だったが、2014年に9兆円に増え、さらに増えることが確実になった。
 最終的には一体、いくらになるのか。
 政府と東電は、国民にきちんと説明する責任がある。(白名正和、三沢典丈)
 先月28日、全国知事会議は「東日本大震災からの復興を早期に成し遂げるための提言」をまとめた。
 風評被害対策、財政支援、など49項目のうち筆頭が原発事故処理だった。
 「廃炉など原子力災害のあらゆる課題については、東京電力任せにすることなく、国主導で早期に解決すること」
 「福島県の内堀雅雄知事は「日本全体に関わる極めて重要な課題」と訴える。
 示し合わせたかのように同じ日、東電ホールでングスが政府に追加支援を求める方針を発表した。数土文夫会長は記者会見で、支援要請の理由について「経営環境が劇変した」ためと説明した。
 13年に賠償額を5兆4千億円と見込んだが、今年3月時点で6兆円を超えた。
 各地で訴訟を起こされ、賠償額はまだまだ増えそうだ。
 除染費用も見込んだ2兆5千億円では足りない。
 「追加」の名の通り、東電はこれまでも、原子力損害賠償・廃炉等支援機構(原賠機構)を通じて政府の支援を受けてきた。原発事故が起きた11年の時点で、支援の上限は5兆円に設定されたが、14年に9兆円に拡大された。
 今年3月の時点で、東電支援のための貸与総額は約7兆4千6百億円。
 実は、まだ、約1兆5千4百億円の余裕がある。なのに、追加支援を求めるのは、9兆円突破は確実と東電が判断したからだろう。
 負担しなければならないのは、賠償と除染費用だけではない。総額の見当がつかないのは廃炉費用も同じだ。
 「東電は2兆円を用意していたようだが、桁が足りない。これから10兆円、20兆円という規模で必要になってくるだろう」と、九州大の吉岡斉教授(科学技術史)はみる。
 先月、2号機の溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の状況すら分かっていない。人が近づいたら即死してしまうほどの高い放射線量の中、デブリを取り出せる日が本当に来るのか。
 技術の進歩によって、とり出せたとしても、デブリの廃棄場所を確保できるのか。
 高レベル放射性廃棄物の「ガラス固形化」の最終処分場の候補地すら決まらない。
 デブリについては福島県以外どころか、福島第一原発の敷地外でさえ搬出するのは困難だろう。
 原賠機構は先月13日、廃炉に向けた戦略プランで、デブリを残したまま福島原発を建屋ごとコンクリートで覆う「石棺」に言及した。
 だが、地元の反発が相次ぎ、2日後、「石棺を検討していることは全くない」と釈明する事態に追い込まれた。
 原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「石棺はデブリを長期間、隔離保管することで放射線量の減衰が期待できる。現実的な手段ではなかったか」と指摘する。
 「石棺を含めた対応について、機構側は福島県側と冷静に話し合うべきだったと思う。今回、逆に議論をする機会が失われ、政策の選択肢が狭まってしまったのではないか」と指摘した。
 つづけて記事は、「政府は東電の追加支援要請に対し、慎重な姿勢を見せた。林幹雄経済産業相は先月29日の閣議後の記者会見で「東電自ら行うことが大原則」などと述べた。
 その二日後だった、31日、廃炉費用を支援するための公的基金を新設することを経産省が検討しているという報道があった。
 それによると、原賠機構の上限9兆円の支援とは別に、政府が同機構に東電支援のための基金を設ける。
 デブリの取り出しなど廃炉の作業状況に応じ、基金から資金を援助する。廃炉費用を政府が一時的に立て替えることになるが、最終的に東電が返済する。
 原賠機構の支援上限を14年に続いて引き上げようとすれば、強い批判が出るだろう。
だから、基金の新設かもしれないが、国民の税金が投入されることに変わりはない。
 だが基金について、林経産相は31日、視察先の福島県相馬市で、「廃炉は東電が責任をもって行うもの。支援のための制度設置についてあらたな検討を行っている事実はない」と否定した。
 では、「基金新設」は誤報なのか。
 「単なる誤報ではないだろう」というのは立命館大の大島堅一教授(環境経済学)だ。
 「東電の発表に合わせて、政府が国民の反応を見るために、経産省が情報を流したのではないか」
 特に気になるのは、「デブリの取出しなど廃炉の作業状況に応じ」などの点だ。
 大島氏は「廃炉費用は原発を設置した電力業者が利益などから全額負担すべきものだ。だが、、4月の電力小売り全面自由化で、従来のように利益を上げることが難しくなった。そこで、廃炉資金を継続的に東電に支援する仕組みをひねり出す必要が出てくる」と推測する。
 大島氏の試算によると、賠償や除染を含め、東電が負担すべき事故費用総額は13兆3千億円。原賠機構の支援上限9兆円を上回っている。
 基金新設は、東電には願ってもないことだが、大島氏は、「事故を起こした原子力事業者だけ優遇するのはおかしい。電気料金の自由競争もゆがめてしまう」と批判する。
 そもそも、福島の原発事故での資金の使われ方がおかしい。「ゼネコンや原子力関連会社の言いなりに、凍土壁などに巨額の資金が投じられる一方、効果について政府は何の検証も行っていない。政府は第三者委員会などを立ち上げ、廃炉にかかる費用総額を精査し、国民に示すべきだ」
  九州電力川内原発に続き、11日には四国電力伊方原発が再稼働する予定だ。東電も、柏崎刈羽原発の再稼働に向けて動いている。だが、ひとたび原発が過酷事故を起こすと、処理にかかる期間、費用が全く分からない。万一の事故が起きる可能性があるのに、原発の再稼働をすすめていいのか。」と指摘した。
 最後に記事は、「大阪市立大の徐本理史教授(環境経済学)は「廃炉費用の負担で債務超過になるのなら、本来、東電の法的整理を進めるべきだ。費用を国民に負担させるのは本末転倒だ」と指摘し、再稼働の前に、国民が事故のコストに対する意識を高める必要があると訴える。
 「福島原発事故のコストが、今後、起きるかもしれない事故に向け、各電力会社へのメッセージとなる。
 今の制度であれば、原発事故を起こしても、電力会社の経営リスクは発生しない。このうえ、廃炉費用まで負担せずに済めば、事故を抑止しようとする動機付けすら働かなくなる。事故のコストを誰がどう負担するのか、曖昧なまま再稼働を進めるべきではない」」として締めくくった。
 読んで勉強になった。
 「原発事故が起きた11年の時点で、支援の上限は5兆円に設定されたが、14年に9兆円に拡大された。」
 立命館大の大島堅市教授の試算によると、「賠償や除染を含め、東電が負担すべき事故費用総額は13兆3千億。原賠機構の支援上限9兆円を上回っている」とのこと、
 また、大阪市立大の徐本理史教授は「廃炉費用の負担で債務超過になるのなら、本来東電の法的整理を進めるべきだ。費用を国民に負担させるのは本末転倒だ」と指摘している」とのこと、等を知ることができた。 
 ただいま今日では、「原子力ムラ」の解体と、政権交代と、労働者の権利擁護と、景気回復 等をセットにした「哲学の誕生」が待ち遠しい。
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by sasakitosio | 2016-08-09 06:24 | 東京新聞を読んで | Trackback