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by sasakitosio

世界経済の苦悩を打診す」<日独提携を軸に、英米を国際協調の輪に引き戻す、出来たらいいね!?>

 7月17日付朝日新聞朝刊3面に、「日曜に想う」という欄がある。
 筆者は、編集委員・曽我豪氏だ。
 今日はこの筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「戦前の日本政治にとって運命の日、1931年9月18日。その朝、東京朝日新聞に「世界経済の苦悩を打診す 苦難に当たる英独の異相」と題する井上準之助蔵相の寄稿が掲載された。
 29年に世界恐慌が起き、国際協調の基盤たる金本位制は危機に瀕していた。
 だがイギリスはその信用を死守すべく挙国一致内閣を結成した。ロンドンを中心とする国際金融システムの再生に自国の政治的運命を賭けたのだった。
 井之は記した「イギリスの立場は絶対的に信用を基礎として成り立っていると見なければならならぬ。・・・イギリスの苦境を救うためには平常政策上の異なった立場から相争っている労働、保守、自由の三党も一致協力して努力しなければならなくなったのである。」
 国際金融システムは各国の政党政治と密接に連関し、互いに安定をもたらす関係にあった。
 だからこそ若槻礼次郎民政党内閣の蔵相として井上は、イギリスの政治家たちに深い共感を表明したのだ。
 だがそこまでだった。まさにその夜10時半、満州事変は起きた。政党内閣は拡大を阻止できず、軍国主義が台頭する。
 3日後の21日、イギリスは金本位制を離脱した。
 世界は国際協調からブロック経済へ、対立と戦争の時代に突入する。
 翌年、井上は暗殺された。
 33年、日本は国際連盟を脱退した。
 36年井上と並び称された国際金融政治家の高橋是清蔵相も暗殺された。
 2.26事件である。
 日本の政党政治も終焉を迎えた。」と教えてくれる。
 つづけて筆者は、「以上は三谷太一郎・東大名誉教授の「ウォール・ストリートと極東」(東京大学出版会)に拠った。もとより著者の問題意識は現代に及んでいる。
 「2009年晩秋」と記された後書きで著者はリーマンショックと日本の政権交代を念頭に「現代世界はおけるあらゆる「信用」の体系が揺らぎつつある」と指摘し、その揺らぎを「プロフェショナルと呼ばれる専門家」にみる。
 その点でイギリスのキャメロン前首相の今回の判断はどうだったか。
 EU(欧州連合)離脱という国際協調システムを破壊しかねない課題に対し、挙国一致内閣や総選挙といった間接民主主義が培ってきた合意形成でなく、直接民主制的な国民投票に自国の政治的運命を賭けた。
 そして敗れ、国内の階層・世帯間の分裂はより強まった。国民的統合に必要な信用を自ら失墜させた行動は、プロの政治家として一種の職務放棄ではなかったか。
 アメリカ大統領候補たちはどうだろう。
 TPP(環太平洋経済連携協定)について、共和党のトランプ氏は離脱を宣言し、クリントン氏は反対に傾き、そのライバルだったサンダーズ氏はより強く反対で突き上げる。ナショナリズムを制御するのではなく、逆にあおりあおられ、総体としてアメリカ政治は非理性的な喧騒の中にある。
 国際政治学者のイアン・ブレーマー氏は2日付日経新聞朝刊で語った。
 「投票結果はEUへの拒絶と同時に、支配階級層に対する拒絶も意味している。・・・・
 グローバリゼーションの影響に対する人々の怒りをおさめる指導者の不在で、一段と不安定な状況になるだろう」」と教えてくれる。
 最後に筆者は、「参院選で安倍晋三首相は3分の2の改憲勢力を得た。いま首相は国会論議の深まりを見守る慎重冷静な姿勢である。
 だがそれが建前に過ぎず、興奮状態でただ国民投票を急ぐ展開を許せば、急進的な改憲論を制御できなくなるだろう。その先に国論二分の不幸が待ち構えよう。
 保守とは、激変より漸進的な改革を望み、歴史に培われた知恵や慣習、制度を大切にするはずだ。
 昨年の戦後70年談話公表の際、世界恐慌や満州事変後の日本について「進むべき進路を誤り、戦争へと進んでいった」と断じたのは安倍首相だ。
 リーマン・ショックに首相として望んで国際協調に努めた経験を持つのは麻生太郎副総理・財務相だ。
 それから教訓を引きだし、おそらくは日独提携を軸にして英米を国際協調の輪に引き戻す。
 これこそが日本の保守政治家の歴史的責務であり、同時に政党政治が信用をつなぎとめる道である。」として締めくくった。
読んで大変勉強になった。
 「「戦前の日本政治にとって運命の日、1931年9月18日。その朝、東京朝日新聞に「世界経済の苦悩を打診す 苦難に当たる英独の異相」と題する井上準之助蔵相の寄稿が掲載されていた」とのこと、
 「まさにその夜10時半、満州事変は起きた。政党内閣は拡大を阻止できず、軍国主義が台頭する」とのこと、
 「3日後の21日、イギリスは金本位制を離脱した。」とのこと、
 「翌年、井上は暗殺された。」こと、
 「33年、日本は国際連盟を脱退した。」こと、
 「36年井上と並び称された国際金融政治家高橋是清蔵相も暗殺された。2.26事件である」こと、等を知ることができた。
 また、三谷太一郎・東大名誉教授は、「2009年晩秋」と記された後書きでリーマンショックと日本の政権交代を念頭に「現代世界におけるあらゆる「信用」の体系が揺らぎつつある」と指摘し、その揺らぎを「プロフェッショナルと呼ばれる専門家」にみる」とのこと、
 国際政治学者のイアン・ブレマー氏は2日付の日経新聞朝刊で語った。「投票結果はEUへの拒絶と同時に、支配階層に対する拒絶も意味している。・・・・グローバリゼーションの影響に対する人々の怒りをおさめる指導者の不在で、一段と不安定な状況になるだろう」」とのこと、等も知ることができた。
 筆者の「保守とは、激変より漸進的な改革を望み、歴史に培われた知恵や習慣、制度を大切にするはずだ」との指摘、
 「日独提携を軸にして英米を国際協調の輪に引き戻す」との提案、等はよく理解でき納得した。
 ただ、グローバリゼーションの影響に対する人々の怒りをおさめる指導者が、日独にも英米にも、目下のところ姿が見えないのが、気掛かりだ。
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by sasakitosio | 2016-07-21 07:00 | 朝日新聞を読んで | Trackback