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by sasakitosio

歯磨き粉をチューブに戻す<政治のグローバル化、世界連邦と直接民主主義でできないか?>

 7月10日付朝日新聞朝刊3面に、「日曜に想う」という欄がある。
 筆者は、編集委員・大野博人氏だ。
 今日は、この筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「「政治は、金融のグローバル化についていけなかった。といって、経済をシンプルな国民国家の時代に戻せるだろうか。それは、チューブから出た歯磨き粉を元に戻すと同じくらい難しい」
 8年前、アイスランドのレイキャビックであった大学教授は、自問自答するように語っていた。
 英国の欧州連合(EU)離脱の意味を考えていて、教授の言葉がまたよみがえった。
話を聞いたのは、リーマン・ショック直後、あの北欧の小国は世界経済の大嵐にもみくちゃにされ、銀行が次々に破綻、国家財政が危機に直面していた。
 グローバル化した経済とナショナルな(国ごと)の政治。グローバル化する一方の問題に対し、ナショナルなままの解決策と言い換えてもいい。
 人口30万の国はそのアンバランスに直撃されていた。政府の力ではどうしょうもない巨大な経済危機。
 こんなことにならないためには、国境のない市場を規制できるほどに政治がグローバル化するか、あるいは経済を政府に制御可能なナショナルな規模に縮小するか。
 けれど、グローバル政府なんて想像もできない。」と切り出した。
 つづけて筆者は、「歯磨き粉はチューブに戻せるーーーーー。
 英国のEU離脱派の指導者や彼らに共感する人たちの多くは、そう考えているのかもしれない。
 移民や難民の流入問題は「EUから離脱すればいい」。
 経済や財政を安定させるには「EUの分担金を払わなければいい」。
 国境をしっかり管理する国民国家に戻れば、問題もナショナルなサイズに小さくなって解決できる、というわけだ。うまくいくだろうか。
 環境、金融危機、難民、テロ・・・・。
 今の世界は、国境にこだわっても根本的な解決ができない難問であふれている。
 グローバル政府は無理でも、お互いの協力は欠かせない。なのに、政治は国という枠に帰っていく。
 なぜか、そこに何があるからか。
 「(英国の国民投票は)民主主義をなによりも優先したことを示している」。
 フランスの政治家、ジャンピエール・シュベヌマン氏は仏ルモンド紙への寄稿でそう読み解き、「英国の人々に勇気ある投票」を称賛した。
 左派の中の欧州統合懐疑派として知られ、左のナショナリストと呼ばれたこともある論客だ。
 16年前にインタビューしたときも、こう断言していた。
 「民主主義が可能なのは国民国家という枠の中だけだ」
 彼によれば、民主主義は、帰属意識を共有する人たちの間ではじめて成り立つ。
 なぜなら、多数決でものごとを決めたときに少数派が多数派の主張を受け入れるのは、「私たち」で決めたと思えるからだ。
 だが、欧州人という帰属意識はまだない。
 「欧州議会も欧州人がいない限り、民主主義の戯画にすぎない」
 つまり、英国の選択は、社会の行方をグローバル市場やブリュッセルにいる他のだれかが決めるのを阻み、民主主義を取り戻すためだった、ということになる。
 そして民主主義が可能なのは国という単位。政治は内向きに傾く。」と指摘した。
 最後に筆者は、「ユーロ紙幣の市中への流通が始まった2002年1月、欧州統合を進めてきた人たちに取材して意外だったことがある。
 彼らが真っ先に言及するのは、その経済的側面ではなかった。
 たとえば、元欧州復興開発銀行総裁のジャック・アタリ氏は「ユーロが目に見えるようになることは、欧州人という帰属意識を育て、欧州の連邦としての統合の始まりとなるだろう」と話していた。
 エリートも欧州人という帰属意識の確立を相当気にかけていることがうかがえた。
 だが、それはうまくいっていない。
 グローバル時代の問題を解決するには政治も国境を越えなければ、とエリートは考える。
 しかし、政治が国境を超えれば、それだけ民主主義がないがしろにされていると人々は感じる。
 英国の国民投票は、グローバル時代と民主主義のそんなジレンマも浮き彫りにした。
 難題だが放置できない。
 歯磨き粉はもうチューブから出ている。」として締めくくった。
 読んで勉強になった。
 「政府の力ではどうしょうもない巨大な経済危機。こんなことにならないためには、
 国境のない市場を規制できる力を持てるほどに政治がグローバル化するか、
 あるいは経済を政府に制御可能なナショナルな規模にするか。」との指摘、
 フランスの政治家、ジャンピエール・シュベヌマン氏は、「民主主義が可能なのは国民国家という枠の中だけだ」、「民主主義は,帰属意識を共有する人たちの間ではじめてなりたつ。なぜなら、多数決でものごとを決めたときに少数派が多数派の主張をうけいれるのは「私たち」で決めたと思えるからだ」と断言しているとのこと、等等は理解でき、納得した。
 そして、「グローバル時代の問題を解決するためには政治も国境を超えなければ、とエリートは考える。
 しかし、政治が国境を越えれば、それだけ、民主主義がないがしろにされると人々は感じる。」との筆者の指摘は現実で、このジレンマを前に進めるには「新しい政治哲学」が必要だと思った。
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by sasakitosio | 2016-07-14 06:14 | 朝日新聞を読んで | Trackback