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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

消えたマイナス金利 <総理の記者会見でだが!でも庶民も銀行も必死にレジスタンスだぞ!!>

 6月12日付東京新聞朝刊4面に、「時代を読む」という欄がある。筆者は、同志社大教授・浜矩子氏だ。
 今日はこの筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「消費税増税延期騒動が一巡した。
 実に醜い顛末だった。いやな後味の中で、参院選の選挙戦が進んでいく。
 現状の経済実態では、とてもじゃないが、消費増税を予定通りに打ち出せない。だが、だからといって、経済実態がぱっとしないと認知するわけにもいかない。
 だから、やれ、リーマンショック当時的な状況にいるだの、内需の腰折れ回避だのと、苦しい屁理屈から屁理屈へと飛び移っていく。これでは、まるで下手な義経の八艘とびだ。こんなことを繰り返していると、そのうち、飛び降りそこねて溺れ死にする。」と切り出した。
 つづけて筆者は、「ところで、あの6月1日の消費増税見送りの記者会見で、筆者は、もう一つ別のことを発見した。
 それを皆さんと共有したいと思う。
 あの時の総理大臣冒頭発言の中に、次のくだりがある。
 「現下のゼロ金利環境を最大限に生かし、未来を見据えた民間投資を大単に喚起します」。
 ここで筆者は「えっ?」と思った。今って、マイナス金利じゃなかったっけ?
 今年の1月28,29両日にわたる金融政策決定会合で、日本銀行は「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を導入することを決定した。
 当日の議事要旨には、「今後は「量」・「質」「金利」の三つの次元で緩和手段を駆使して、金融緩和を進めていくこととする」と記されている。
 つまり、ここで日銀が三つ目の金融緩和手段として打ち出したのは、あくまで「マイナス金利」なのである。ゼロ金利政策をやるとはいっていない。
 これはどういうことなのだろう。
 まさか、日銀がマイナス金利政策を導入したことを、総理大臣がご存じないはずはない。知っていながら「ゼロ金利」という言い方をしているわけだ。ということは、マイナス金利じゃいいやなのだろうか。マイナス金利は無かったことにしてしまいたいのか。
 もしそうだとすれば、それも無理もない面はある。何しろ、マイナス金利の導入以来、世の中は誠に実に妙な具合になっている。
 民間金融機関の日銀当座預金に部分的なマイナス金利が適用されると、彼らは直ちに預金金利の引き下げに向かった。行き着く先は、預金金利のマイナス化か?
 この恐れが手伝って、人々は預金を取り崩して現金を金庫にしまい込む。金(カネ)を金(キン)に変身させる。百貨店の友の会に入って、預金からは得られない実質的な高利回りを稼ぐ。マイナス金利の脅威に対し、人々の必死のレジスタンスが始まった。 
 それだけではない。ここにきて、三菱東京UFJ銀行が国債に関するプライマリー・デイーラーの資格(国債入札に関する特別会員的特権)を返上すると言い出した。マイナス金利の利付き国債を買って最後まで持ち切れば、買い手が損をするに決まっている。そんなものを買うための特権なんか、いりません。日本の代表的メガバンクにそういわれた。」と教えてくれる。
 最後に筆者は、「こんな具合だ。安倍総理が、マイナス金利をもう無かったことにしたくなるのも分かる。
 だが、現実にあるマイナス金利を、それが嫌だからといって無いことにしてはいけない。現実には無い「リーマン級の事態」を、それが欲しいからと言って、あることにしてはいけない。八艘とびも、明らかに、もはやこれまで。」として締めくくった。
 読んで勉強になった。
 6月1日の消費増税見送りの記者会見での総理大臣冒頭発言の中に、「現下のゼロ金利環境を最大限生かし、未来を見据えた民間投資を大胆に喚起します」とのことがあった、とのこと。
 その時筆者は「「えっ?」と思った。今ってマイナス金利じゃなかったっけ?」とおもったとのこと。
 また筆者は、「人々は預金を取り崩して現金を金庫にしまい込む。金(カネ)を金(キン)に変身させる。百貨店の友の会に入って、預金からは得られない実質的な高利回りを稼ぐ。マイナス金利の脅威に対して、人々の必死のレジスタンスが始まった。」と指摘。
 「さらに筆者は、「三菱東京UFJ銀行が国債に関するプライマリー・デーラーの資格(国債入札に関する特別会員的特権)を返上すると言い出した。」と教えてくれる。
 たまたま金融機関の待合席でみた業界紙に「日銀資産が名目GDPの80%」とあった。
 政府の借金1000兆円と、日銀の抱える巨額の国債、この二つの現実は先々私たち日本人の暮らしに何をもたらすのだろうか?
 そのことを、筆者に教えてほしくなった。あわせて庶民のレジスタンスの手も。
 
by sasakitosio | 2016-06-14 07:01 | 東京新聞を読んで | Trackback