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by sasakitosio

トランプ現象 答えのない問い <安倍政権の誕生は、日本におけるトランプ現象だったのかな?>

 5月8日付朝日新聞朝刊3面に、「日曜に想う」という欄がある。筆者は、編集委員・大野博人氏だ。
 今日は、この筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「強い既視感がぬぐえない。
 米国大統領選で、共和党の候補者になるドナルド・トランプ氏についてのニュースを見聞きするたびに、2002年のフランスの光景がよみがえる。
 その年の仏大統領選もまた、キワモノ視されていた右翼政党、国民戦線党首のジャンマリ・ルペン氏が決選投票の候補に躍り出た。左派、社会党の候補は一回目の投票で敗退。予想外の展開に左派支持者たちは、決選投票でやむなく保守派の現職シラク氏への投票に回った。
 「鼻をつまんでシラクに1票を」。そんな呼びかけが広がった。
 14年後の米国でも、トランプ氏の勢いを止められない共和党支持者の間から、民主党の候補に投票するしかないという声が出ている。
 迷走する既成政党を尻目に、急速に支持を伸ばすポピリストと形容される政党や政治家たち。
 「当然です。私たちが目指していたことがようやく世界に広がりだした」。
 当時の仏大統領選でルペン氏の選挙参謀だった欧州議会議員のブルーノ・ゴルニッシュ氏(66)は、パリ郊外の自宅でちょっと得意そうだった。
 「人々はグローバル化で、自分たちのアイデンティティーが脅かされていると感じている」。
 だから、移民を問題視し、自由貿易を懐疑し、他国文化の侵入を警戒するのだと。」と切り出した。
 続けて筆者は、「トランプ現象もその表れとみる。
 「トランプ氏は他国に攻撃的でない。たとえば安全保障では他の国の面倒まで見るのはもうたくさんだと主張しているだけでしょう」
 国際社会で覇権を求めず、外より内に目を向ける米国なら歓迎する。他国が心配するのは、米国が出てくることではなくて、引き上げることだが、その方が、イラク戦争のような米主導の災厄に巻き込まれなくなる。 各国の独立が尊重されて結構ではないか、というわけだ。
 トランプ氏は「アメリカ・ファースト(米国第一)」を掲げる。自国民の利益を強調する姿勢も14年前に国民戦線が強調した「フランス人優先」とそっくりだ。
 「どの国民も民族も違いがないかのような考えはおかしい。それへの反発が起きている」とゴルニッシュ氏。
 グローバル化への不安と、その流れに乗って特権階級化しているようにみえるエリートたちへの不信。
 パナマ文書の暴露もポピュリスト政党に傾く人たちの背中を押したことだろう。
 「いい立てているが、答えが悪い」。仏左派の有力政治家、ロラン・ファビウス氏はかって国民戦線をそう評した。経済、テロ、環境、難民・・・。
 国境を越える数々の問題を前に、自国の枠にこだわり、そこに戻っても対症療法以上の解決策は見つからないだろう。
 だが、ゴルニッシュ氏は「全ての同意ではないが、トランプ氏もいい答えを示している」と反論する。
 「彼が大統領になるのは米国にとっていいことだろう」」と教えてくれる。
 最後に筆者は、「毎年恒例の国民戦線の集会が1日、パリであった。目下、ルペン氏は娘の現党首と反目し合っており、今年は分裂開催になった。
 ルーブル美術館そばの広場では、父親の方が約400人の支持者を前に熱弁を振るっていた。
 グローバル化などへの批判もするけれど、もっとも聴衆が反応したのは、他国や移民を非難した部分。
 憎しみの調子を帯びた喚声があがる。トランプ現象と重なる。
 もとより憎む相手を指し示すことが「いい答え」にはならない。結局ポピュリスト政党に人々が求めているのは問題の解決よりもうっぷん晴らしの言説であるように見える。
 ゴルニッシュ氏は若い頃、京都大学に留学していた。自宅には甲冑に身を固めた自画像も飾ってある。
 14年前も今も「「極右」と呼ぶのはやめてほしい」と話す。
 「移民に厳しい、私たちにとって望ましい国籍法を持つ国の一つは日本です。それに政治的な考え方も、自民党とかなり近い」
 日本は、移民どころか難民にも冷たい。12年末総選挙での自民党のスローガンも「日本を、取り戻す。」だった。
 似ているのは米仏だけではない。」として締めくくった。
 読んで大変勉強になった。
 筆者には、 「2002年のフランスの光景がよみがえる」、とのこと
 「その年の仏大統領選もまた、キワモノ視されていた右翼政党・国民戦線党首のジャンマリ・ルペン氏が決選投票の候補に躍り出た。左派、社会党の候補は一回目で敗退。予想外の展開に左派の支持者たちは、決選でやむなく保守派の現職シラク氏への投票に回った」とのこと、
 「14年後の米国でもトランプ氏の勢いを止められない共和党支持者の間から、民主党の候補者に投票するしかないという声が出ている」とのこと、
 「当時のルペン氏の選挙参謀だった欧州議会議員のブルーノ・ゴルニッツ氏(66)は、パリ郊外の自宅でちょっと得意そうだった。「人々はグローバル化で、自分たちのアイデンティティ―が脅かされていると感じている」。だから、移民を問題視し、自由貿易を懐疑し、他国文化の侵入を警戒するのだと。
 トランプ現象もその表れとみる。」とのこと、等等を知ることができた。
また、筆者は、「日本は、移民どころか難民にも冷たい。12年末総選挙での自民党のスローガンも「日本を、取り戻す。」だった」と指摘した。この現実は、アメリカのトランプ現象の先取りだったのだろうか?とすれば、安倍総理は早めに出現した「日本のトランプ現象」なのだろうか?
 人類の歴史は、時と場所を変えて、同じ体制を繰り返すことがよくあるから。
 
  
 
 
 
 
by sasakitosio | 2016-05-10 06:08 | 朝日新聞を読んで | Trackback