究極の平和外交
2016年 03月 12日
まず筆者は「シリア内戦終息への糸口となるだろうか。
米国とロシアは、シリアのアサド政権、反体制派の双方に停戦を呼びかけることで合意、「一時停戦」が実現した。
過激派組織「イスラム国」(IS)などのテロ組織は停戦対象外とし、IS掃討を最優先した。
このところ、欧米との対立が際立つロシアのプーチン大統領も「流血と暴力を終わらせる現実的なチャンスが生まれた」と緊急演説する力の入れようだ。」と切り出した。
つづけて筆者は、「米ロ合意発表の前、地ならしともいえる動きがあった。
カトリック総本山バチカンのローマ法王フランシスコとロシア正教会キリル総主教との初めての会談だ。
キリスト教会は1054年に東西分裂した。
西欧に広まったカトリックはコンスタンティノーブル総主教庁とは関係を改善させていたが、ロシア正教会とは東欧や旧ソ連圏、特にウクライナでの布教をめぐり対立が続いていた。
バチカンとロシア正教会を接近させた大きな理由は、ISによるキリスト教徒迫害の危機感だった。
ロシアのプーチン政権は国民の精神のよりどころとして教会を保護。バチカンとの和解では、国際的孤立からの脱却に利用しようという政権の思惑も働いたようだ。
一方、三年前に即位したアルゼンチン出身のローマ法王フランシスコは、オバマ米大統領のリベラルな外交を支持している。宗教和解は政治的な背景が色濃い。」と教えてくれる。
さらに筆者は、「バチカンは国際政治と深く関わってきた。
ナチス・ドイツと政教条約を結んでカトリック教会にナチスへの忠誠を誓わせたことで、ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)への認識の甘さを批判された。
1978年に即位したヨハネ・パウロ二世は、共産主義諸国の人権軽視を批判。母国ポーランドを訪問してワレサ氏ら自主管理労組「連帯」のリーダーらとも会談し、民主化の後押しした。銃撃され重傷を負った。
ソ連や東ドイツの情報機関による関与が指摘されている。
現法王フランシスコは2014年、人類は広島や長崎の歴史から何も学んでいないと述べ、核兵器の脅威に警鐘を鳴らした。韓国訪問では朝鮮統一への願いを語った。
激戦の米大統領選への介入も辞さず、不法移民流入防止のため国境に壁を築くと主張する共和党の不動産王トランプ候補を「架け橋ではなく、壁をつくることだけを考えている人はキリスト教徒ではない」と厳しく批判した。
言動からにじみ出るのは人道主義と平和への願いだ。」と教えてくれる。
最後に筆者は、「ローマの中にある世界最小の独立国だが、約180カ国と国交を持つ。軍事力を持たないバチカンが繰り広げているのは、究極の平和外交だ。
実績は、米国とキューバとの歴史的な国交回復を仲介したことで実証済みだ。
ISの脅威をどう抑え、シリア和平を働きかけていくのか、憲法9条を持つ国の鑑としても注目したい。」として締めくくった。
読んで勉強になった。
「キリスト教会は1054年に東西に分裂した。」とのこと、
「バチカンは国際政治と深く関わってきた。ナチスドイツと政教条約を結んでカトリック教会にナチスへの忠誠を誓わせたことで、ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)への認識の甘さが批判された。」とのこと、
「現法王フランシスコは2014年、人類は広島や長崎の歴史から何も学んでいないと述べ、核兵器の脅威に警鐘を鳴らした。韓国訪問では朝鮮半島統一への願いを語った。」とのこと、
「共和党の不動産王トランプ候補を「架け橋ではなく、壁をつくることだけを考えている人はキリスト教徒ではない」と厳しく批判した。」とのこと、
等々を知ることができた。
ローマ一人旅で、ローマの城壁を数日かけて一周し、サンピエトロ寺院の石柱の一本一本に触れながら、入場待ちの行列に並びながら、天地創造の絵画や、ピエタの真っ白い透き通るような石造をみて、感動をたくさんもらってきたことを思い出す。
ローマの中の世界最小の独立国に出来て、究極の平和憲法をもち、戦後70年余武力行使をしなかった歴史を持つ日本に出来ないはずがないと、思いたいが。