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by sasakitosio

戦争 記憶し続ける

 2月28日付東京新聞朝刊1面に、「「戦える国」に変質 言わねばならないこと」という欄がある。
 発言者は、米コロンビア大教授のキャロル・グラックさんだ。今日はこの記事に学ぶことにした。
 まず発言者は、「昨年12月末の慰安婦問題をめぐる日韓両国の合意は、両政権の政治的な戦略に基づいたものだった。
 事前に元慰安婦の声を十分聞いたとは言えないし、安倍晋三首相は直接、元慰安婦に謝罪していない。首相はこれまで、演説などで女性の人権の大切さに言及しても、慰安婦問題には直接触れない。
 女性の人権と慰安婦問題を分けて考えているのだろう。これも政治的な技法だ。
 日韓両政府が慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的」な解決を強調しても、これで終わると考えるのは無意味だ。記憶し、記憶されなければならないという市民らの動きは、政府間の合意に関係なく続いていくだろう。」と切り出した。
 つづけて発言者は、「今、戦争に関する共通の記憶が、世界的な文化となっている。欧州では1960年代になって、ナチスによるホロコーストの被害が裁判で証言された。90年代には韓国の元慰安婦が声を上げた。犠牲者が語り始め、戦争中に何が行われていたかが明らかになり、歴史の見方が大きく変わった。
政府が語る戦争物語から外れた人たちが、「記憶の権利」を主張するようになった。将来二度と繰り返さないために忘れてはならないということ、補償や謝罪を求めている。」と指摘した。
 最後に発言者は、「過去を知る責任があるという考えが生まれている。
 過去は単なる過去ではない。現在の中にも「過去」があり、分けることはできない。こうした考え方が、慰安婦問題を知ることで、女性に対する性暴力をなくそうとの運動につながっている。私たちは、声を上げた元慰安婦たちに対して責任を負っている。
 歴史を政治の道具にして、国民を操作しようとする指導者もいる。だからこそ私たちは、戦争に関する共通の記憶を持ち続けることが大切だ。」として締めくくった。
 読んで勉強になった。
 発言者の「今戦争に関する共通の記憶が、世界的な文化となっている。欧州では1960年代になって、ナチスによるホロコーストの被害が裁判で証言された」との指摘、
 「90年代には韓国の元慰安婦が声を上げた」との指摘、 
「政府が語る戦争物語から外れた人たちが、「記憶の権利」を主張するようになった」との指摘、等等はなるほどと思った。
 年末年始にベルリンの町を初めて歩いて、街中の目抜き通りに、アイヒマンの裁判での写真、アイヒマンの住んでいたアパートの写真、等が等身大の大きさで掲示してあるのに驚いた。ホログラフェイーを訪ねて記憶の徹底さに感動した。日本は筆者の視点では、戦争文化の後進国なのかもしれない、と思った。
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by sasakitosio | 2016-03-06 10:04 | 東京新聞を読んで | Trackback