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by sasakitosio

不登校 未然防止よりも・・・

 2月14日付東京新聞朝刊4面に。「時代を読む」という欄がある。筆者は、関西学院大学准教授・貴戸理恵氏だ。
 今日は、この筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「ある新聞社の独自分析で、2014年度に新たに不登校になった「新規不登校」の小中学生の全生徒に占める割合が、過去最高だと報道された。65807人が新規不登校であり、1日180人の小中学生が新たに学校に行かなくなった計算だという。
 専門家は[未然防止]の必要性を指摘し、文部科学省もそのための支援策を検討中とされる。
 「新しく不登校になる子どもが増えているから、それを未然に防がねば」というのはわかりやすい。
 だが、ちょっと待ってほしい。
 確認したいのは、「全体として不登校が増えている」わけではないことである。学校基本調査によれば、不登校になる中学生の割合は、2000年代以降ずっと2%台後半で、多少の揺れを含みつつ一定に推移している。14年度も他の年度と比べて必ずしも高くない。それを踏まえれば「新しく不登校になる子どもの割合は増加」は「不登校のままでいる子どもの割合の減少」と関わっている。実際に、中学校において「前年度から継続して不登校であった生徒」の不登校全体に占める割合は減ってきており、02年度に54.7%だったのが14年度には49.6%になっている(文科省「問題行動調査」)。」と教えてくれる。
 続けて筆者は、「ここから読み取るべきは「不登校が増えている」という「量」の変化ではなく、それが子どもにとって、より「入りやすく離れやすい」一般的な道になりつつある。という「質」の変化ではないか。
 不登校の状況が「悪化」したという数値データは、人々の注目を集めやすい。長期欠席の出現率を歴史的に見とおせば、1970年代半ばから4半世紀ものあいだ、学校に行かない子供は一貫して増えてきた。教育問題に関心のある年長の方なら、90年代ごろまで毎年、「不登校の数・割合が、また過去最悪を更新した」とセンセーショナルに報道されていたのをご記憶ではないだろうか。
 不登校は、それを通じて人びとが独自の教育批判を展開する「ネタ」になってきた面がある。」と教えてくれる。
 さらに筆者は、「だが、これを繰り返してはならない。重要なのは、現在不登校の状態にある子どもや、不登校の経験を持っている若者の現実を踏まえ、当事者の利益を考えることである。今回のデータに対し「新規不登校の増加」と必要以上に反応し、性急な「未然防止策」が取られれば、当事者の不利益につながることもある。
 たとえば、いじめ被害者が自らを守るために学校から撤退する場合や、さまざまな負荷を抱えて学校へ行くことが困難になっている場合など「未然防止」によって、新たな不登校になるハードルを上げるよりも「さらりと休める」ことが本人にとって重要な時もある。」と教えてくれる。
 最後に筆者は、「繰り返すが、上記のデータからは「不登校がより多くのこどもにとって義務教育のどこかで経験する一つの道になっている」という現実が見て取れる。
 そうであれば、不登校になる子どもを減らすよりも「不登校になっても本人が不利益を被らない環境」をつくることのほうがより重要ではないか。
 学校に行かなくても、フリースクールや自宅で勉強できる。不登校の自己を否定することなく他者とつながる「居場所」持てる。
 本人のペースで学校や職場に移行できる。重要なのはそれらであって、数字を減らすことではない。」として締めくくった。
 読んで勉強になった。
 筆者の「現在不登校にある子どもや不登校の経験を持っている若者の現実を踏まえ、当事者の利益を考えることである」との指摘、
 「不登校になる子どもを減らすよりも「不登校になっても本人が不利益を被らない環境」をつくることの方が重要ではないか」との指摘は、その通りだと思った。
 自分は、学校へ行きたくないと思ったことは、一度もない。
 夏休みの登校日に、自分のクラスだけしかいない学校はスカスカで嫌だった。学校は全校の生徒が居てはじめて学校だと思ってきた。いま思えば、たまにしか学校に来ない人が一人いたことを思い出した。たまに彼が登校して来た時に、だれも別にその理由を聞くこともなく、違和感なく普通に遊んでいた。ただ、その頃は「不登校」という言葉さえなかったような気がする。学校へ来なければ、家で農作業の仕事をしなければならない、だけだったから。
 学校は、勉強し、友達と遊び、家の仕事を手伝わなくていい、極楽の時間だった。
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by sasakitosio | 2016-02-17 06:33 | 東京新聞を読んで | Trackback