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by sasakitosio

インドの発展 不平等の解消が課題

 2月3日付朝日新聞朝刊17面下に、「ピケティ・コラム」という欄がある。筆者は、「21世紀の」資本の著者・トマ・ピケティ氏だ。
 今日は、この筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「中国とその金融システムに対する不信感が募るなか、今後数十年にわたる世界経済のけん引役として、インドがますます注目を集めている。
 インドの2016~17年の経済成長は、中国の推定6%なのに対し、15年と同様に8%近くになると、見られる。国民1人あたりの月間平均購買力は、中国が700ユーロ、欧州連合2千ユーロなのに対し、インドはおよそ300ユーロ。このペースで進めば、30年以内に欧州に追いつく(中国は15年以内)ことは確実だ。
 人口の多さがインドに有利に働くことも言い添えておきたい。国連によると、インドの人口は、すでに高齢化が始まり人口減に向かっている中国を、25年までに完全に上回る。インドは人口において、21世紀最大の国となる定めだし、掛け値なしで世界最大の大国となる可能性を秘めている。確固とした民主的体制と選挙制度を備え、報道の自由や法治国家を基盤に持つだけに、より現実味がある。
 その点、中国とのコントラストは鮮明だ。このほど中国は、フランス人女性記者を国外追放した。フランスも欧州も抗議こそしないが、中国の独裁的な政治モデルが今後、どのように展開していくかを読み解くことは不可能である。」と指摘した。
 つづけて筆者は、「ただ、インドが取り組まなければならない課題は極めて重大なものばかりだ。
 まず不平等の解消がある。インドの経済成長の数値を、世帯ごとの消費実態調査から読み解くのは難しい。
 富の法外な取り分を我がものとするごく一部のエリート層が、調査対象から漏れているためとみられる。
 インド政府は2000年代初頭に、所得税に関するデータの公開を中断したため、なかなか正確には判断できない。
 確かな点は、「インドにおける教育と保健衛生への公的投資は明らかに不十分で、それがインドの発展をむしばんでいるということだ。
一例を挙げよう。
 インドでは公衆衛生にGDP(国内総生産)の0.5%ほどがあてられているが、中国では3%。要は中国共産党の方が、インドの民主的な議会のエリートたちよりはるかに巧みに財源を集め、社会投資と公的サービスに資金を投じている。人口全体が経済成長を享受し、持続可能な国の発展を保証できるのは今や、こうした政策だけなのだ。
 中国モデルは、開かれた体制にならない限り、その不透明性と独裁制のため、おそらくは終わりをむかえざるをえないだろう。
 一方で、インドの民主的モデルも、今なおその真価を示すに至っていない。西洋のエリートは20世紀、危機や衝突を経てようやく必要不可欠な社会改革と税制改革を受け入れたが、インドではこうした危機や衝突を経験せずにすむなら、それにこしたことはない。
 最大の問題は、西洋ではなかなか理解されにくいが、カースト制という負の遺産に関する問題だ。
 これに加え、多数派のヒンズー教徒と少数派のイスラム教徒との間のアイデンティティーをめぐる対立がある。ヒンズー教の民族主義政党で、1998年から04年まで政権を担い、14年に与党へと返り咲いた「インド人民党」が今、さらにこうした宗教間の対立をあおっている。
 手短にまとめよう、1947年、インドは公式にカースト制度を廃止し、あわせてカーストごとの人口調査を撤廃した。これはインドを植民地としてきた英国が採り入れた調査だ。英国は支配と統治を容易にするために、インド人民を分割し、階級を固定化しようとはかった。
 ただし、インド政府はカーストの最下位として差別されてきた、かっての不可触民出身の子弟らに大学進学や公的機関への就職で優先枠を与える制度を設けた。
 だがこの政策により、最上位と最下位のカーストに挟まれた格好の中間にカーストの出身者の間に不満がふくれあがった。このため80年代以降、インドの多くの州が優先枠をあらたな対象へと拡大。それまでは恩恵から排除されてきたイスラム教徒にも適用されるようになった。」と教えてくれる。
 最後に筆者は、「この措置をめぐる対立がより激しくなったのは、かってのカーストの境界が流動化したことで、収入や資産が生み出す現実の社会階層と必ずしも一致しないばかりか、かけ離れてきたからだ。
 2011年、ついに政府は1931年以来となる社会経済・カースト国勢調査を実施。古いカーストと、現実の社会階層との間の複雑な社会経済関係を解き明かすことを決めた。極めて反響の大きなテーマであり、すべての調査結果の公表が待たれる。
 目的は、この優先制度を両親の収入や地域性といった、社会に共通の基準に則したルールへと徐々に変えていくことだ。
 共通の基準とは、フランスでは高校や高等教育機関に学生を振り分けるたり、企業に特定の補助金を振り分けたりする時、(政府が)つかうソフトウエアに用いられている方法だ。
 フランスではこのソフトを使って、奨学金を受けている学生や恵まれない学校・地域出身の学生に限り、追加ポイントを加算している。
 ある意味で、インドはただ、法治国家に可能な手段を使って、真の平等の実現へと挑もうとしているのだ。
 現状では、過去の差別がうみだし、古い社会に根ざす身分上の不平等があまりにも極端で、今にも暴力沙汰の対立へと堕ちていく恐れがある。
 こうした難しい問題が、自分たちと関係ないものと考えるとすれば、私たちは判断を間違えることになるだろう。(仏ルモンド紙、2016年1月17日付、抄訳)」として締めくくった。
 読んで勉強になった。
 「インドの2016~2017年の経済成長は、中国が推定6%なのに対し、15年と同様8%近くに成ると見られる」とのこと、
 「国民一人当たりの月間平均購買力は、中国が700ユーロ、欧州連合(EU)2千ユーロなのに対し、インドは300ユーロ。このペースで進めば、30年以内には欧州に追いつく(中国は15年以内)ことは確実だ」とのこと、
 「インドは人口において21世紀最大の国となる定めだし、かけななし掛け値なしで世界最大の大国となる可能性も秘めている。確固とした民主的体制と選挙制度を備え、報道の自由や法治国家を基盤に持つだけに、より現実味がある。」とのこと、
「最大の問題は、西洋ではなかなか理解されにくいが、カースト制という負の遺産に関する問題だ。これに加え、多数派のヒンズー教徒と少数派のイスラム教徒との間のアイデンティーをめぐる対立がある」とのことを、等々を教えてもらった。
 確かに、ガンジーの足跡を訪ねてデリー・ニューデリーを、ガンジス川の沐浴を尋ねてベナレスを、釈迦の足跡を訪ねてブッタガヤを、三年で三回歩き回ってきた。その時、この国は大きな可能性を秘めた国だと、感じてきた。
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by sasakitosio | 2016-02-05 07:30 | 朝日新聞を読んで | Trackback