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by sasakitosio

「わが闘争」復刻の影響は?

 1月24日付東京新聞朝刊社説横に、「太郎の国際通信」という欄がある。筆者は。ジャーナリスト・木村太郎氏だ。今日は、この筆者に学ぶことにした。
まず筆者は、「外国人の移民に反対するデモが広がっているドイツで、アドルフ・ヒトラーの著書「わが闘争」が戦後初めて書店に復活した。
 この本は、ヒトラーが1923年にミュンヘンでのクーデターに失敗した後、獄中で執筆したとされる。自伝と自身の世界観をまとめたもので、ナチス・ドイツの在り方を示した「大典」的な存在として知られ、千二百万部が出版された。
 特に、ヒトラーはユダヤ人をドイツ人の対極の存在と位置づけて反ユダヤ主義を強く訴え、これが後にホロコースト(ユダヤ人の大量虐殺)につながったと言われている。
 ナチスドイツの敗戦後、この本の著作権は連合国がバイエルン州に付与し、同州当局は著作権を凍結して出版を認めず「わが闘争」はドイツ国内では禁書的な存在だった。」と切り出した。
 つづけて筆者は、「しかし、著作権は著者の没後70年を過ぎた翌年の1月1日に消滅するという規定から「わが闘争」は今年の元日以降は誰でも出版できることになった。
 そこでミュンヘン現代史研究所が学術書として出版を計画、ナチスの所業を正当化し賛美することにならないよう配慮して3500余の注釈を挿入した復刻版をまとめ、今月8日に「わが闘争」がドイツ国内の書店に並んだ。
 中には同書を扱うことを尻込みする書店もあったため主に受注販売の形をとったが、全2000ページで59ユーロ(約7千5百円)のこの本は発売と同時に初版4千部は売り切れ、追加の注文が1万5千部にのぼるという。。
 「わが闘争」はドイツ国外では自由に出版されており、ドイツ語版もインターネット上に公開されていたが、あらためてドイツ国内で出版され店頭を飾ったことは、やはり衝撃的な出来事と受け止められたようだ。」と教えてくれる。
 さらに筆者は、「世界ユダヤ人会議ロナルド・ラウダー会長は「ホロコーストの生存者はこの反ユダヤ書が再び書店に置かれることで苦痛を与えられる」とAFP通信に語っている。
 またフランスの法律家で「憎悪防止イニシアチブ」の創始者フィリップ・コーエンしは「わが闘争」そのものには歴史的な価値しかないが、ヒトラーの理論がユーゴー内戦の際の民族浄化など他の人種憎悪を正当化するのに使われているとフランスのテレビで危惧を表明している。」と指摘した。
最後に筆者は、「戦後ドイツではナチス的運動は非合法化され、ナチスを肯定したり、カギ十字のナチスのシンボルを掲示することも禁止されている。しかしここへきてイスラム教過激派のテロや難民申請の移住者による暴行事件などもあって、いわゆるネオナチの台頭が目立って来ている 。
 そうした時に復刻されたナチスの「大典」はドイツ社会にどんな影響を与えるのだろうか、あるいはあたえないのだろうか、」として締めくくった。
 読んで勉強になった。
 「ヒトラーの著作「わが闘争」は1200万部が出版された」とのこと、
 「ナチスドイツの敗戦後、この本の著作権は連合国がバイエルン州に付与し、同州当局は著作権を凍結して、出版を認めず「わが闘争」はドイツ国内では禁書的な存在だった」とのこと、等を知ることができた。
 筆者は、「復刻されたナチスの「大典」はドイツ社会にどんな影響を与えるのだろうか、あるいは与えないのだろうか」と心配している。
 昨年12月29日から今年1月3日の日程で、ベルリンを歩いてきた。ザクセンハウゼン強制収容所でのオゾマシイ虐待の機器と施設を見、ホロコーストを見、満員の「テロのトポグラフィー」を見、ヒトラー自殺の地をくまなく踏みしめながら見、街の中をキョロキョロ見ながら歩き回ってきた。地下鉄や近郊電車やバスに乗っても見た。
 そして、ドイツの社会がナチズムを敗戦から今日まで社会の隅々から「排除」し続けていることを知った。それは、日本が戦争を推進した「国家神道」を戦後いまだに「排除」できていないのとは、全く違う戦後の歴史をドイツ国民・国家が歩んでいることが分かった。
 ちなみに、ホテルの前の歩道に、たたみ2枚はある大きな掲示板に、アイヒマンの裁判での姿のまあたらしい写真と、近くにあったアイヒマンのアパートのまあたらしい写真が、掲示してあることに、驚いた。
 
 
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by sasakitosio | 2016-01-29 06:37 | 東京新聞を読んで | Trackback