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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

非道の退路を断つ

 1月19日付東京新聞29面に、「本音のコラム」という欄がある。筆者は、ルポライター・鎌田慧氏だ。
 今日は、この筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「長野県のスキー場へむかった深夜バスの転落事故は、日本社会の不安定さを最も悲惨な形で見せつけた。1泊3日格安ツアー、中古バス、「契約社員」の運転手、健康診断なし、安全第一の旅行とはほど遠い運行状態だった。」と切り出した。
 つづけて筆者は、「この事故があきらかにしたのは、数台のバスを抱え、基準額以下の金額で、バスを貸し出している零細業者が急増していた事実である。価格破壊的競争は2000年の規制緩和から激化していたようだ。バス事業は鉄道運輸事業と同じように人命にかかわり、社会的責任が大きいのだが、コスト削減に腐心する経営者にどれだけその意識があったのか。
 乗客の死亡者全員が学生であり、この4月から就職先が決まってたとあって、一層の悲劇性を強めている。保護者の悲嘆は人ごとに思えない。」と指摘した。
 最後に筆者は、「しかしこの事故をバス会社の管理責任の追及だけで終わらせるのではなく、日本社会の安全性の総点検に役立てる必要がある。最近とみに横行しているのが、いのちよりもカネ。追い詰められた大小の権力者たちが、最も関単に選ぶ「非道の退路」である。
 事故が起きるまで決算を黒字にして逃げ切ろうという電力会社の経営陣。原発や武器輸出でもうけようという電機や重工業、若者を戦場に送ろうとする首相や大臣たちである。」として締めくくった。
 読んで勉強になった。 
 「日本社会の不安定さを最も悲惨な形でみせつけた。」、 
 「この事故をバス会社の管理責任の追及だけで終わらせるのではなく、日本社会の安全性の総点検に役立てる必要がある」、等の筆者の指摘は、その通りだと思った。
 そこで、筆者の指摘する「事故が起きるまで決算を黒字にして逃げ切ろうという電力会社の経営陣」、「原発や武器輸出で儲けようという電機や重工業」、「若者を戦場に送ろうという首相や大臣たち」、の非道の退路を、どうやって断つか?
by sasakitosio | 2016-01-21 13:21 | 東京新聞を読んで | Trackback