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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

「冷戦体制」の温存

 1月14日付東京新聞朝刊1面に、「「戦える国」に変質 言わねばならないこと」という欄がある。
 筆者は、トロント大教授・米山リサさんだ。
 今日はこの筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「安倍晋三首相が昨年4月に米議会で演説し「先の大戦」への反省を表明した。しかし、アジアでの侵略や植民地支配には触れなかった。これは、米国重視、アジア軽視という70年前の歴史認識と変わらない。
 「慰安婦」問題をめぐる年末の「日韓合意」も、当事者不在の国家間処理という点で、日韓政府が請求権問題は「完全かつ最終的に解決した」とする協定を結んだ50年前の躓きの亡霊を見るかのようだ。」と指摘した。 
 つづけて筆者は、「米国が中国・ソ連と覇権を争う中で旧植民地支配の仕組みを引き継ぎ、その米国に日本は付き従うという冷戦レジューム(体制)が温存されている。米国は中ソに対抗するために日本の再軍備化を急いだ。日本は核の傘への批判を控え、沖縄に基地という負担を課してきた。
 米軍と自衛隊の一体化を進める特定秘密保護法や安全保障関連法も、その延長線上にある。首相は「戦後レジュームからの脱却」というが、みしろ戦後の冷戦体制を完結させつつある。
 今回の日韓合意を米国は、高く評価した。米国が日本に和解を進めるのも、自衛隊に米軍の片代わりをしてもらうには、アジアの同盟国の理解が必要と考えているからだ。」と指摘した。
 最後に筆者は、「歴史認識の問題で日本は謝罪の姿勢さえ示せば、和解できるとしてきた。だが、謝罪は一方的に押し付けるものではない。
 女性国際戦犯法廷(2000年)で中国の元慰安婦の女性が「日本に赦しを請うてほしい」と訴えた。日本政府は「赦してくれ」と言ったことはあるのか。
 当時、主要マスメディアは萎縮し、この法定をほとんど伝えなかった。戦前・戦中の検閲も「勘ぐれ、おまえ」という自己検閲だった。侵略の過去を振り返らない民主主義は、他者を抹殺するナショナリヅムに直結する。
 ジャーナリズムはそこを見定めてほしい。」として締めくくった。
 読んで勉強になった。
 「米軍と自衛隊の一体化を進める特定秘密保護法や安全保障関連法も、その延長線上にある。首相は「戦後レジュームからの脱却」というが、むしろ戦後の冷戦体制を完結させつつある。」との指摘は、理解し、納得した。
 また、「女性国際戦犯法廷(2000年)で中国の元慰安婦の女性が「日本に赦しを請うてほしい」と訴えた。」ことを初めて知った。
 そして、「侵略の過去を振り返らない民主主義は、他者を抹殺する攻撃的なナショナリズムに直結する。」との筆者の指摘は、ヘイトスピーチをまき散らす人たちを思い浮かべて、よく理解出来た。
by sasakitosio | 2016-01-16 10:38 | 東京新聞を読んで | Trackback