マグナ・カルタ制定800年 悪政背景権力者に歯止め
2015年 12月 06日
まず筆者は、「日本ではほとんど話題にならなかったが、今年は、中世イングランドで王の権力を制限する「マグナカルタ(大憲章)」が制定されてから800年のメモリアル・イヤーだった。マグナ・カルタは「法の支配」や立憲主義の原型とされ、歴史上、最も重要な文書の一つとされる。日本の安全保障関連法をめぐる議論では、立憲主義の危機が叫ばれただけに、あらためてマグナ・カルタについて考える。(鈴木伸幸)」と切り出した。
まず筆者は、「大英図書館によると、マグナ・カルタが制定された背景には、「歴史上、最悪の国王の一人」とされるジョン王の悪政があった。
元妻を監獄に閉じ込めたり、政敵を餓死させたりと暴君ぶりを発揮する一方、海外での戦費を賄うために慣習法を無視して重税を課した。
貴族や教会、商人たちが猛反発し、1245年6月15日、ジョン王に「王もルールに縛られる」とする63か条の誓約書に署名させた。このラテン語の文書がマグナ・カルタだ。
内容は多岐にわたる。
例えば、第12条で重税には貴族などによる会議の承認を必要とし、第39条では法に基づかない逮捕や投獄を禁じた。
権力者に恣意的な政治をさせないために、議会や憲法が歯止めをかける議会制民主主義や立憲主義の原点とされるゆえんだ。2009年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録された。」と教えてくれる。
つづけて筆者は、「今年6月15日にロンドで開催された記念式典には、英国のエリザベス女王やキャメロン首相、米国のリンチ司法長官らが参加し、欧米のメディアは大々的に報じた。キャメロン首相はマグナカルタについて「支配されるものと政府のバランスを永遠に変えた」「自由、正義、民主主義、法の支配が形成され、それは一層大切にすべきだ」などと演説して拍手を浴びた。
演説に立ち会った中村良隆・明治学院大講師(英米法)は「発祥の地とあってキャメロン首相は歴史的意義、その重要性について正しく認識している。その精神は米国の独立宣言や合衆国憲法、フランスの人権宣言、さらには日本国憲法、国連の人権宣言にも受け継がれている」と指摘する。」と教えてくれる。
さらに筆者は、「現存する数少ない1217年の写本の展覧会が9月から3か月間、米国やルクセンブルグ、シンガポールなどで開かれた。
英紙ガーディアンによると、中国では北京の中国人民大学で10月に予定された展覧会が当局の圧力で中止され、中国人権活動家らが抗議したが、それ以外の展覧会は盛況のうちに終わった。
その写本世界ツアー中の9月19日、安倍政権が他国を武力で守る集団的自衛権の行使を柱とする安保関連法案を成立させた。「違憲立法」との批判は根強く、立憲主義や民主主義を大きく揺るがせた。」と指摘した。
最後に筆者は、「中村講師は、マグナカルタと安保法の皮肉なめぐり合わせに思いをいたす。
「ジョン王の悪政は彼だけの責任ではない。取り巻きの「お友だち」がいて、すべて内輪で決めて失敗した。なにやら今の日本に似ている。制定8百周年で世界的にマグナカルタの重要性が再認識される中だけに、一層の違和感がある」として締めくくった。
読んで大変勉強になった。
先ず、「今年は、中世イングランドで王の権力を制限する「マグナカルタ」(大憲章)」が制定されてから800年のメモリアル・イヤーだった」ことを知った。
そして、「今年6月15日にロンドンで開催された記念式典には、英国のエリザベス女王やキャメロン首相、米国のリンチ司法長官らが参加し、欧米メディアは大々的に報じたこと」も知った。
さらにマグナ・カルタの精神が「米国の独立宣言や合衆国憲法や、フランスの人権宣言、さらに日本国憲法、国連の人権宣言にも受け継がれている」と中村良隆・明治学院大講師(英米法)は指摘してる、ことも知った。
2009年にユネスコの世界記憶遺産に登録された「マグナカルタ」が制定された背景には、「歴史上、最悪の国王の一人とされるジョン王の悪政があった」とのことであるが、今の日本政権はイギリスのそれと比べて、どの程度なのだろうか?。日本版マグナ・カルタができるのだろうか?