憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

テロと空爆 不条理の連鎖

 11月29日付朝日新聞2面に、「日曜に想う」という欄がる。筆者は、論説主幹・大野博人氏だ。
 今日はこの筆者に学ぶことにした。
 先ず筆者は、「「警戒心と連帯感と抵抗の気持ちがないまぜになっている。」
 パリの友人が街の空気をメールでそう伝えてきた。彼女は、1月に週刊誌編集部とともにテロの被害に遭った食品雑貨店近くに住んでいる。今回のテロでは、姪たちが現場近くにいて、治安部隊に避難誘導されたという。
「1月のテロから、人生の一瞬一瞬をそれまでより慈しむようになった」と書いている。被害者を懸命に助けた近隣の人たちやタクシー運転手たちがいたことで、自分たちの社会の強さに少し「自信をもった」とも。
 今回のテロの直後、フランスで話題になった米国からのエールがある。ニューヨーク・タイムズ電子版への読者の投稿だ。
 「フランスは狂信的宗教者が憎むものをすべて体現している。友人と味わうワイン、短いスカートの女性、カロリーを気にせず、婚外セックスをし、政治家も聖職者もからかう権利・・・。「そんなパリが好きだ」「あなたたちは再び笑、歌い、セックスをし、癒されるだろう。人生を楽しむことがあなたたちの本質だから。闇の力は負けるだろう」と励ます。
 いささかステレオタイプなフランスのイメージ。いつもなら斜に構えて反応しそうなフランス人の多くが素直に感動したようだ。仏紙ルモンド電子版も「美しい文章」と仏訳して紹介した。不条理に、自分を見失うまいとする心情がのぞく。」と教えてくれる。
 さらに筆者は、「事件のあと、フランス政府は空爆強化に急速に傾いていった。空爆は、その下にいる人たちにどう見えるか。
 空爆下の都市で1カ月ほど取材したことがある。1999年、旧ユーゴ・コソボ紛争当時のベオグラード。
 北大西洋条約機構(NATO)が毎日のように爆撃機や巡航ミサイルを飛ばした。軍や政府の施設が次々破壊された。ときにバスや病院などが「誤爆」に遭い、市民も多く犠牲になった。
 その街の空気も「警戒心と連帯感と抵抗の気持ち」がないまぜだった。
 攻撃目標になりやすい橋を渡るときの人々の緊張した表情。
 警戒下で人々を慰めようと演奏会を開いたオーケストラ。
 空襲警報が聞こえてもカフェから立ち去らない客たち。
 空爆で大破した政府施設の前であった男性は自国の独裁的大統領が嫌いだと言いながら「こんなことをされたら彼を支持して結束するしかない」と反発をあらわにした。
 標的の街に生きる人々には、空爆もまた不条理と映る。」と教えてくれる。
 さらに続けて筆者は、「過激派組織「イスラム国(IS)」の支配地域で生きる人たちにとっては、日常が不条理に違いない。その上、そこを逃げ出せずにいると空爆にさらされ、出国できても難民としてさまようばかりとなれば、こんどは世界そのものが巨大な不条理と化すだろう。
 だが、国際社会はテロリストが紛れ込むのではと懸念して難民との向き合い方に動揺している。
 たとえば大規模な受け入れを表明していたドイツはその姿勢を変えないか。
 ルモンド紙の問いにドイツの思想家ユルゲン・ハーバーマス氏はこう答えている。
 「そうならないことを願う。私たちは同じ船に乗っている。テロも難民危機も重大な、おそらく究極の試練なのだ。求められるのは緊密な連携による協力だ」
 どんな問題をもたらすかわからないという不安に耐えて、他者を受け入れられるか。連帯を広げられるか。
 パリの友人は、メールに日本映画「海街diary」に感動したと書き添えていた。3人姉妹が自分たちを捨てて家を出た父親の死をきっかけに、腹違いの妹の存在を知る。不安を抱えながらいっしょに暮らし始める。それが一人一人の再出発につながる物語。
 静かな映像に、時代の試練が少し重なって見えたのだろう。」として締めくくった。
 読んで勉強になった。
 空爆の都市で1カ月取材したことがある筆者が教えてくれる、
「標的の街に生きる人には、空爆もまた不条理と映る。」、
「過激派組織「イスラム国(IS)」の支配地域で生きる人たちにとっては日常がすでに不条理にちがいない。
 そこを逃げ出せずにいると空爆にさらされ、出国できても難民としてさまようばかりとなれば、こんどはこの世界そのものが巨大な不条理と化すだろう」との言葉は、その先を想像するだけも恐ろしくなる。人類全体の危機ではないのか?
 「テロも難民危機も重大な、おそらく究極の試練なのだ。」とのドイツの思想家ユンゲル・ハーバマスの言葉は、当たっているのかもしれない、と思った。
 ここは一番、平和憲法の下で、戦争しない70年余を過ごしてきた「日本の指導者」の出番のはずだが、違憲の法制を強行採決して、しゃあしゃあとしている「指導者」たちでは、人類の危機回避に一肌脱ぐ「器量」はとてもなさそうなのが、誠に残念だ。
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by sasakitosio | 2015-12-03 06:56 | 朝日新聞を読んで | Trackback