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by sasakitosio

勤労感謝の国であれ

11月24日付東京新聞社説に、「勤労感謝の国であれ」との見出しで、「総活躍」を論じている。
 今日は。この社説を学習することにした。
 まず社説は、「労働を貴び国民が互いに感謝し合う。勤労感謝とは、そんな趣旨の祝日。働く喜びを感じられる人がどれだけいるか。総活躍という前にやることがある。
 体育館のような広大な作業場。えんじやブルーなど体育ジャージー用の生地が山積みとなり、裁断機やミシンの音が響き渡る。福島市に本社があるクラロンは、東北や関東の1200の学校に納入する体育着を製造している=写真。どこにもありそうな工場だが、働いている人たちに驚かされる。
 従業員135人のうち身体、知的障害者が37人を占める。高齢者や女性も非常に多い。亡夫と創業した田中須美子会長は90歳。社員最高齢は女性営業課長で78歳。希望すれば生涯働き続けられる文字通りの終身雇用だ。
 田中会長の夫は大戦で耳が不自由になり、障害者の働く場が必要との思いに至った。1956年の創業以来、障がい者を正社員として雇用し、増やしてきた。
 倍換算する重程度の障害者もいるため、障害者雇用率は実に35.5%にもなった。とうの昔から「真の総活躍」を体現してきたのである。
 ここは障害者たちが生き生きと働く喜びに満ちている。 一本の重さが20キロ以上もあるロール状の生地の保管、整理という力仕事から、5百通りもある型紙の管理まで任されたT君、知的障害があり、仕事を覚えるまでは時間はかかった。でも覚えたら決して忘れないし、手抜きをしない。T君なしに会社は回らなくなった。
 3.11は新年度直前の最も忙しい時期を襲った。通勤バスは運行休止となり、水道もでない。休業は仕方ないと、田中さんは覚悟を決めた。しかし、翌朝、誰ひとり休まずに始業時に全員の顔があった。「みんな会社が大好きなんです。自家用車で相乗りし、助け合って出勤した。胸が熱くなった」」と切り出した。
 つづけて社説は。「震災で子どもを持つ家庭ほど移住していき、体育着の需要は大きく減った。経営は楽ではない。
 それでも夫の遺志を貫きたい。「障害者が社会とつながりを持つ唯一の方法は、働くことですから」
だが現実は、クラロンのような会社は稀有の存在だ。障害者手帳を持つ人のうち18―64歳は約340万人いるが、雇用されているのはわずか30万人弱。労働が可能なのに職に就けない人は推定240万人以上になる。
 2%強の障害者法定雇用率を守らない企業が少なくない。完全な遵守と、法定雇用率引き上げを実現していかなければ、総活躍などとは到底いえまい。」と指摘した。
 さらに社説は、「職業に貴賤はない。ただ、「尊敬される仕事」と「尊敬されない仕事」というのは外国でよくある。
 フランスはお金に縁が無い職業が「いい仕事」と尊敬を集める。パリの20年以上暮らしてきたエッセイストの吉村葉子さんが書いている(「フランス人は人生を3分割して味わい尽くす」。)
 尊敬される最たるものは学校の先生で、売れない作家や芸術家も「いい仕事」とみられている。
 逆にお金が儲かる職業をフランス人は尊敬しない。
 正確にいえば、お金の匂いがプンプンする職業は蔑まれる。仕事に誇りを持ち、お金を稼ぐために働くのではないとの矜持(プライド)があるからだ、という。」と教えてくれる。
 さらに続けて社説は、「安倍晋三首相は9月訪米先で投資家らを前にスピーチした。安倍政権は「一に経済、二にも三にも経済だ」と日本への投資を促した。聞く人によっては「金、金(マネー、マネー)」と叫んだと受け取られかねない発言だった。
 首相が掲げる「一億総活躍社会」も、それが経済成長のため、経済優先の発想が出発点だとしたら、国民の多くが望むものとは違う。
 低賃金で不安定雇用の非正規労働ばかりが増えたり、生産性向上のためだからと残業代ゼロで、成果が出るまで長時間労働させられるようなブラック社会では看板倒れである。」と指摘した。
 最後に社説は、「目指すべきは、働きたい人が存分に働け、同時に働く喜びが得られる社会だ。それには健常者も、障害者も、高齢者も女性も、お互いの立場や事情を尊重し、助け合いながらそれぞれの力を発揮する。「人を大切にする」という当然の働き方を出発点にすべきだ。
 忘れてならないのは、障害や高齢などで存分に働けない人も肩身の狭い思いをしなく済む優しい社会となることだ。勤労感謝の意味を問い直す機会としたい。」として締めくくった。
 読んで勉強になった。
 クラロンという障害者雇用率35.5%の会社の存在を、障害者手帳を持つ人のうち18~64歳は約340万人いるが雇用されているのは30万人弱であることを、
 フランスではお金に縁が無い職業が「いい仕事」と尊敬を集めることを、等々を初めて知った。
 社説の「目指すべきは、働きたい人が存分に働け、同時に働く喜びが得られる社会だ」との主張は、その通りだ。
 その目標に、いま日本の社会が向かっているのかどうかが、最大の問題かも知れない。
 自分的には或るとき、おのれむなしゅうして、周りを見渡せば、生きていくうえで必要な「モノやサービス」は、自分以外の誰かが「作り、提供してくれる」ものであることに気づいた。
 その時から、家族も含め周りの人々に感謝し、ものを大切にし、ものの寿命をつくす使い方を心がけている。
 

 
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by sasakitosio | 2015-11-27 06:46 | 東京新聞を読んで | Trackback