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by sasakitosio

水俣病と社会の基底

 11月19日付東京新聞朝刊27面に、「本音のコラム」という欄がある。筆者は、法政大教授・竹田茂夫氏だ。
 今日は、この筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「先頃、岡本達明氏の「水俣病の民衆史」全6巻が完結した。3千6百ページを超える大作で、今年80歳の氏の若いころからの志、つまり「日本社会の基底を掘り下げる」という生涯の目標を、水俣の民衆と水俣病に即して達成されたことになる。
氏は、1960年代にチッソ水俣工場の大争議を第一組合の立場で闘い、68年の「市民会議」結成と翌年の水俣病第一提訴に中心的な役割を果たした。」と教えてくれる。
 つづけて筆者は、「70年代には第一組合の委員長として患者支援の市民運動とチッソ内部の労働運動を結びつける立場にあった。当事者でもあり観察者でもある氏の記述は専門の研究者にとっても貴重な資料となるはずだ。
 二点が特に印象に残る。
 一つは、聞き書きの手法で土地の記憶と一人ひとりの生活史のディテールにこだわる姿勢だ。
 労働争議では多くの農民が結束して第一組合を支援する一方、初期には彼らは多くの患者を出した漁民を差別した。
 差別と格差の旧来の地域共同体の上に、チッソは企業城下町をつくったわけだ。
 もう一つは、患者らが尊厳の回復を求めてチッソや黒幕の興銀から必死で闘い取った補償金が、地域共同体を解体させるプロセスの悲しさだ。」と指摘した。
 最後に筆者は、「命と引き換えのカネが患者らや支援者らの連帯を引き裂く。水俣病闘争は高度成長によって日本社会が一変する時期と重なる。」として締めくくった。
 読んで勉強になった。 
 まず、「日本の基底を掘り下げる」という目標を、水俣の民衆と水俣病に即して達成された「岡本達明」氏のことを初めて知って、感心した。
 筆者の「差別と格差の旧来の地域共同体の上に、チッソは企業城下町をつくった」との指摘、「命と引き換えのカネが患者らや支援者の連帯を引き裂く」との指摘は、よく分かった。
 また、小学校6年生の時の修学旅行に、新潟県津南町のチッソの工場を見学し、先も見えず、呼吸もできないほどの煙の中、釜の赤い炎を見た記憶がよみがえった。そして、それが阿賀野川水銀事件につながっていたことを、後で知った。
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by sasakitosio | 2015-11-24 06:00 | 東京新聞を読んで | Trackback