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by sasakitosio

排撃すればテロは防げるか

 11月22日付東京新聞朝刊社説横に、「太郎の国際通信」という欄がある。筆者は、ジャーナリスト・木村太郎氏だ。
 今日は、この筆者に学ぶことにした。
まず筆者は、「「私はパリで金曜日に起きたことが「前例のない惨事」などとは言わない。
 そうではないからだ。
 「世界はフランスと連帯する」とも言わない。
 それはむなしい言葉だからだ。
 フランソワ・オランド(仏大統領)の「容赦なく復讐する」という言葉に拍手するつもりはない。
 そんなことはできないからだ。
 そのかわりに私が言えるのは「これがまさに文明の凋落を示すものだ」ということだ」
 15日、英紙「ザ・タイムズ」電子版に載ったコラムの書きだしには正直驚いた。筆者は英米で教鞭をとる歴史学者のニーアル・ファアーガソン氏だ。
 コラムの見出しは「欧州はローマ帝国のように守りを喪失させてしまった」というもの。
 パリの同時テロ事件はローマ帝国末期の「蛮人」による大虐殺の再現で、これが西欧文明の終わりの始まりだとする。」と切り出した。
 つづけて筆者は、「ファーガソン氏は、まず著名な歴史書エドワード・ギボンの「ローマ帝国衰亡史」が、西暦410年ゴート族によるいわゆる「ローマ略奪」を次のように描写する。
「冷酷な虐殺がローマ人に対して行われた。市内の道は死体で埋め尽くされた。野蛮人たちは抵抗に遭うと無抵抗なもの、無実のもの、無力なものなど見境なく虐殺した」
 これは、まさに金曜日夜のパリの光景だとファーガソン氏は指摘する。
 ゴート族は4世紀に始まったゲルマン民族大移動の先兵のような形でローマ帝国に侵入するが、すでに衰退していたローマ帝国は抵抗する力もなくなく蹂躙されるに任せ、これが西ローマ帝国の崩壊につながった。」と教えてくれる。
 さらに筆者は、「ファーガソン氏は今の欧州でもシリア難民だけでなく、よりよい生活目的の移住者ら百万単位の民族大移動が始まっており、それはかっての「蛮人」たちがローマの富を求めて侵入してきたのと同じと考える。
 それに対して欧州の人たちはローマ帝国の市民がそうであったように、世界は何をせずとも永遠に続くと信じて守りをないがしろにして来たとファーガソン氏は言う。その結果、イスラム過激派の欧州への侵入を許し、かってのゴート族のように文明を滅亡させると同氏は警告する。
 今後欧州ではファーガソン氏のような警戒心が高まることが十分考えられる。政界では移住者受け入れに反対する右翼政党が進出するだろうし、社会的にも異文化に対する寛容度が薄まることは間違いない。」と指摘した。
 最後に筆者は、「これで現代の民族大移動にブレーキがかかり、過激派テロもある程度防ぐことができるかもしれない。
 しかし、ローマ帝国はローマ人が傲慢になり周辺民族を蔑視し排斥したことが衰退を早めた原因にあるという分析もある。(新訳ローマ帝国衰亡史普及版 中倉玄喜編訳)
 「蛮人」を排撃するだけでは帝国は守れなかったのだ。」として締めくくった。
 読んで、勉強になった。そして、疑問もわいた。
 歴史学者のニーアル・ファーガソン氏が「パリのテロ事件はローマ帝国末期の「蛮人」による大虐殺の再現で、これが西欧文明の終わりの始まりだとする」とのこと。
 しかし、現代の世界と、ローマ帝国時代の世界は、文明の発達によって、情報的・地理的に近く、経済的に一体化し、宗教的に混在し、だいぶ違うような気がするが?
 もう一つ、テロを実行する「人や集団」を、「蛮人」の一言で片づけていいのだろうか?そこに、ローマ人的な傲慢と蔑視をかんじてならない。
 また、ファーガソン氏のいう「西洋文明」とはどんなものなのだろうか?アジアの片隅の日本までも影響を及ぼしている「西洋文明」が「テロ集団」の思想や行動で、そう関単に終わらないような気がするが。
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by sasakitosio | 2015-11-23 07:25 | 東京新聞を読んで | Trackback