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by sasakitosio

「日本人」   日系人の多様性に学ぼう

 10月23日朝日新聞朝刊15面に、「記者有論」という欄がある。筆者は、ニューヨーク支局・中井大助氏だ。
 今日はこの筆者に学ぶことにした。
 先ず筆者は、「「日本人」という言葉から、どのような容姿を連想するか。日本に住む多くの人にとっては、考えるまでもなく、比較的均一なイメージだろう。ところが、世界に目を向けて「ジャパニーズ」という言葉に置き換えると、イメージは一気に広がる。
 日経米国人の戦中、戦後の体験を取材し、「もう一つの戦後」を連載しながら、日系人と日本人のとの違いを痛感することがいくつかあった。最も大きいのは、その多様さだ。
 もちろん「日本人」と聞いて重い浮かべるような顔つきの人も多いが、異人種間の結婚が進む米国では「日系人」の定義も広がりつつある。2010年の米国勢調査では自分は「ジャパニーズ」と答えた人は約130万人いたが、他の人種との組み合わせをを選択した人が54万人。3分の1以上が、人種につて複数のアイデンティティーを持っていることになる。
 米本土の日系人が戦中に強制収容された施設を訪ねる「巡礼」の参加者をみても、その傾向は明らかで、名字や顔だけでは日系人とは分からない人が多い。戦中の収容者の写真とは対照的で、戦後70年間でいかに多様化が進んだかが分かる。
 ただ、「ジャパニーズ」という意識が失われているかというと、決してそうではない。人種を理由とした強制収容所の苦い経験もあり、戦後米国への同化に務めた日系人が、今ではその施設の跡地を訪ね、歴史を残そうとしているのもその表れ。巡礼では盆踊り、和太鼓と言った日本の伝統が披露され、子供に日本の名前をつける親も増えている。」と教えてくれる。
 つづけて筆者は、「一方、「アメリカン」の意識が薄れているわけではない。国家の日本に忠誠を感じているのではなく、「日本から受け継いだ伝統」を大切にしようとしているだけなのだ。
 翻って、日本では「日本人」以外との結婚や、その結果生まれた子供を特別視する雰囲気がいまだにある。母親が白人で、米国で生まれた私も、家族構成や出自を話すと、自分が何をしたわけでもないのに「かっこいい」と言われ、戸惑うことがよくある。日本人と白人との間に生まれ、「視線を感じるから、日本には住みたくない」という人もいる。
 最近も、ミスユニバースの日本代表やラグビー代表の肌の色をめぐって「日本人らしくない」という声があった。」と指摘した。
 最後に筆者は、「でも、それはあまりにももったいない。 グローバル化と人口減という二つの大きな力が作用するなか、日本社会が活力を保つためには、多くの人を受け入れ、多様化していくことが不可欠ではないだろうか。
 少なくとも、日系人の多様性が日本にとって一つのヒントになるのは間違いない。
 そのためにも、日本人と日系人が、互いをより良く知るための労力を惜しむべきでない。」として締めくくった。
 読んで勉強になった。
 まず、「2010年の米国勢調査では自分は「ジャパニーズ」と答えた人は約130万人いたが、そのうち他の人種との組み合わせを選択した人が約54万人。3分の1以上の人が人種について複数のアイデンティティを持っている」とのこと、
 「一方、「アメリカン」の意識が薄れているわけでもない。国家の日本に忠誠を感じているのではなく「日本から受け継いだ伝統」を大切にしようというだけなのだ」とのこと、いずれも知って納得。
 筆者の「日本社会が活力を保つためには、多くの人を受け入れ、多様化していくことが不可欠だ」との指摘はその通りだと思った。
 そして、日本の世界平和戦略に、「日本人と日系人が、互いをより良く知るための努力」を加えることが大切のような気がした。
 
by sasakitosio | 2015-10-26 06:37 | 朝日新聞を読んで | Trackback