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by sasakitosio

ピケティ、その後

10月18日付東京新聞社説に、「ピケティ、その後」との見出しで、トマ・ピケティ著作の「21世紀の資本」についての記事が載った。今日はこの社説を学習することにした。
 まず社説は、「あのブームは何だったのでしょうか。格差問題の大著で一躍脚光を浴びたトマ・ピケティ氏のことです。
 でも欧州の政治舞台では今も引く手あまたです。
 フランスの若き経済学者が記した「21世紀の資本」は、20カ国の200年にわたる税務会計を調べ、資本主義は富の集中と偏在を生むことを実証、世界的に進む格差各大の現状とも符合して大きな反響を呼びました。約700ページ、6000円近い専門書ながら日本で販売部数14万部を記録、全国の図書館の蔵書に予約が殺到し、中には300人以上の順番待ちで「手に入るのは22世紀になるかも」との冗談がこかれるほどでした。
 それがどうでしょう。今年3月以降はメディアで取り上げられることも少なく、パタッと静かになりました。名門の国立大で2年生に聞いても「知りません」と答えが返ってくる。税の専門家の会合では参加者全員が読んでいなかった。すっかり忘れ去られたようなのです。
 もともと日本で格差に関する本が売れるのは、ある傾向があるといいます。
 それは不況時ではなくて、株価が上がり富裕層の高額消費が話題になって格差が際立つ時です。
 例を挙げると、2000年ごろのITバブル時には「不平等社会日本――さよなら中流」(佐藤俊樹著)、 
02年以降のいざなみ景気の時「希望格差社会――「負け組」の絶望感が日本を引き裂く」(山田昌弘著)。
 今回のピケティ本はアベノミクス相場で「持てる者」と「持たざる者」の格差が強く意識された時期です。
逆に株価など資産価格が下がると国民全体が貧しくなったような気分になり格差への関心が薄らぐ、その裏返しです。」と教えてくれる。
 つづけて社説は、「一時の盛り上がりがすっかり影をひそめた日本とは対照的に、欧州では今、ピケティ氏の存在感がますます増しています。
 英労働党の新党首に決まったコービン氏率いる影の内閣で、ノーベル経済学賞受賞者の米経済学者、スティグリッツ氏とともに経済諮問委員に就任。格差論のオピニオンリーダーといえる二人です。
 さらにスペインでは、大衆党左派政党ポデモスの経済政策アドバイザーに就任した。12月に総選挙が行われる同国では、この新興政党は反緊縮を掲げ、一時は支持率トップになりました。
 ギリシャのチプラス首相が党首を務める急進左派連合と連携してきたが、急進左派連合の低落と軌を一にするように失速気味。その巻き返しの重責を担う格好です。
 英、スペインで新しい仕事に共通するのは(反緊縮)を訴えることです。ギリシャの債務問題に揺れる欧州では、一様に緊縮財政ばやりです。しかし、それはピケティ氏の主張とは相いれない。
 ピケティ氏が明らかにしたのは、資本主義下では、お金持ちの資産の増大の方が勤労者の所得の伸びより大きいのでほっておけば格差は拡大する。また、お金持ちの富は世襲されると言います。
 だから所得再分配 や教育機会の平等のために投資が重要になるのですが、緊縮路線はそれらを妨げてしまう。結局成長も阻害することになるのでピケティ氏は異を唱えるのです。」と教えてくいれる。
 さらに社説は、「それにしても日本と欧米のあまりの違いはなぜでしょうか。ピケティ氏の言説が米金融街の「1%たい99%」の対立に火をつけたのはよく知られところです。欧州では特に南欧諸国で若者の失業率40-50%にもなる。
 格差はかってないほど大きいと言われる日本ですが、米国や欧州の格差、富の偏在の方がはるかに大きいのです。
 むしろ日本は、一部の富裕層を除き国民の多くが貧しい方向に滑り落ち、格差よりも貧困が深刻化している。ピケティ氏は富裕層を対象に格差問題の「解」を求めたのに対し、日本は貧困や下層の人々どうするかが問われている。そのずれがピケティ・ブームの急落を生んだのかもしれません。
 安倍政権の目指す政策は成長一辺倒で、所得再分配など格差を縮める努力や貧困対策に見るべきものがありません。この国は「富める者がますます富む」というピケティ氏が懸念する資本主義の短所をそのまま体現しています。」と指摘した。
 最後に社説は、「ピケティ氏の主張する国際協調による累進的な資本課税はすぐには実現しそうもありませんが、社会保障の充実など所得再分配政策や教育への投資拡大はやる気があればただちにできるはずです。
 大切なのは、格差を放置したり固定化する社会でいいのか、不平等を黙認するのかを私たち自身が判断することです。ピケティ氏なら「もちろんそれは正しくない」というでしょう。」として締めくくった。
 読んで勉強になった。
 「名門の国立大2年生に聞いても「知りません」と答えが返ってくる。」とのこと、
 「税の専門家の会合では参加者全員が読んでいなかった。」とのこと、等を知って本当に驚いた。日本の今から50年前の出来事が、経財の視点で書かれていて、自分の生きてきた「日本史」を振り返るような気がして、わくわくしながら読んだ事を思い出す。
 昨年末近く、東京新聞の「時代を読む」の記事で、トマ・ピケティの著書「21世紀の資本」が世界中で読まれていて、日本語版が12月1日に出ることを知り、予約して12月1日に購入。経済書というより歴史書的な読みやすさで、一気に読み終え、その後ワードで前頁写し終わった。
 日本の現代を理解し、将来を考えるのに、自分的には大いに役立ったと思っている。
 また、特に、「ピケティ氏が明らかにしたのは、資本主義下では、お金持ちの資産の増大の方が勤労者の所得の伸びより大きいので、ほっておけば格差は拡大する。また、お金持ちの富は世襲される」とのこと、 
 だから、「所得再分配や教育機会の平等のための投資が重要になるのですが、緊縮財政はそれらを妨げてしまう。結局成長も阻害することになるのでピケティ氏は異を唱えるのです。」との記事のくだりは、実にその通りではないか。
 日本的には、1000兆円余の政府の借金の解消策と、並行して「ピケティの提言」を実行することが、今必要な気がするが?
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by sasakitosio | 2015-10-20 06:38 | 東京新聞を読んで | Trackback