憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

「日本を変えた男」 今こそ国家主導に決別を

 10月1日付朝日新聞社説下に、「ザ・コラム」という欄がある。筆者は、編集委員・駒野剛氏だ。
 今日はこの筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「去るものと来るものが際立つ紙面だった。
1960(昭和35年)、7月14日付の朝日新聞夕刊(東京)は、1面で池田勇人氏が自民党総裁に選ばれたと伝え、満面の笑みで記者会見する写真も掲載された。
 一方、同じ面の左肩に「岸首相、刺される」の記事と写真。安倍晋三首相の尊敬する祖父岸信介氏が、官邸の新しい主に祝意を伝えて去り際、右翼の男に襲われた。
 1か月前、日米安保条約の改定に反対する学生らのデモ隊が国会に乱入し。東大生樺美知子さんが死亡するなど国を二分した対立の余燼が、くすぶり続けていたのだ。
 条約が発行した6月23日の夕刊のコラム「素粒子」は「日本中が疲れている。早く平穏を、ともかくも」と世情を代弁した。」と切り出した。
 つづけて筆者は、「池田氏が政権を担った時、日本は殺伐としていた。「疲れ」をいやすには、対立を団結に、悲しみを幸せに、そして、貧しさを豊かさにかえる。大転換が急務だった。
 「明るい豊かな日本をつくろう」。池田氏の政策発表のための小冊子がある。
 「民心の安定が第一であり、政治家が国民と結びつき一体となってやらねば駄目だと切実に感じた」と危機感をにじませた。
「一人よがりの力の政治ということについて、大いに反省しなければならない」。
国民の強い批判があっても「千万人といえども、われゆかん」と目的の達成を優先させた力の政治からの脱却を誓った。
 池田氏にとって政治の最大目的は「生活水準を引き上げ、働く人に働く場所を与え、不幸な方々に温かい手をのばすこと」であり、その手段が、経済成長の加速による国民の所得倍増論だった。
 「所得を倍増する時に日の当たらない方々に喜びの水口をつけてあげたい」
 成長の果実を分かち合う「絆」を結び直すことこそ繁栄の基盤と考えたのだろう。
 国民も一丸となって懸命に働いた。」と指摘した。
 さらに筆者は、「安全保障関連法案を成立させた安倍首相は、祖父の安保改定に匹敵する大仕事をした思いだろう。しかし、それを持って退いた岸氏と異なり、政権を維持するという。
 池田氏ばりの「経済最優先」をテコに、対立を和解に転換させる役割も務めたいようだが、とてつもなく難しい道だろう。
 岸氏は「放漫なる自由主義経済は弱肉強食」と語り、「一種の計画性とか、自ら超えてはならない制約を設ける」という「計画的な経済」を標榜した。開戦時の東条内閣で商工相を務めるなど、国家主導の統制経済を推進した人らしい考えだ。
 極力民間の自主性や市場に任せ経済を拡大させた池田氏の手法とは大きく異なる。
 池田氏の評伝をしるした藤井信幸東洋大教授は「アベノミクスが停滞するのは、岸的手法と、池田流の経済との折衷型だからではないか」と指摘する。
 政府日銀による異次元の金融緩和や財政出動という2本の矢だけが目立ち、民間主導の経済成長の推進力となる3本目の矢の正体がはっきりしないのも、安倍首相が岸流の国家主導を池田的な自由主義より優先しているからではなかろうか。
 民間が創意工夫を発揮するには、徹底した自由化、規制緩和が不可欠だ。しかし、安倍首相は経済界に給与アップや、携帯料金の引き下げを促すなど介入を続けている。これでは成長はおぼつかない。国内生産(GDP)成長率は一進一退を続け、4~6月期は年率換算1.2%減だった。
 首相は子育て支援や社会保障を「新3本の矢」として今後の重点施策に掲げた。子どもの6人に一人が貧困状態にあることを考えれば首相の問題意識は正しい。
 だが、成長なくして、施策の財源なしである。今こそ、国家主導に決別し、民間主導への成長路線、自由主義的政策への大転換が求められているのだが、できるだろうか。」と指摘した。
 最後に筆者、「今年は池田氏没後50年。故郷、広島県のたけはら美術館で24日から、彼の残した言葉を中心に、その足跡をたどる特別展「日本を変えた男」が開催される。
 「私は嘘は申しません」。所得倍増をいぶかる声に、反論した言葉が目を引く。事実、一人当たりの実質国民所得は60年度を基準にすると、68年度にはほぼ倍になった。
 安倍首相もGDP600兆円の達成を目標に挙げた。ぜひ、嘘はないと願いたい。」と締めくくった。
 高校生の頃、池田勇人首相の所得倍増論を聴き、京大―大蔵省―総理大臣への道がまぶしく見えたことを思い出す。
 昭和43年4月に就職し48年3月に退職するまでの間、毎年ベースアップが35%前後あったことを記憶している。
 之と同じ現象が、最近の中国に起きていたような気がする。
 そして、ピケティの「21世紀の資本」の読後は、社会が「少子高齢化」になると、かっての高度成長は望めないことがわかってきた。それが正しければ、池田総理の時代と、安倍総理の現代では、社会情勢が異なり、柳の下に二匹目のどじょうを探すこと自体難しいと思うが。
 筆者の「ぜひ、嘘はないと願いたい」は、ないものねだりになる様な気がする。 
 
[PR]
トラックバックURL : http://sasakitosi.exblog.jp/tb/22253543
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
by sasakitosio | 2015-10-02 09:47 | 朝日新聞を読んで | Trackback