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by sasakitosio

管理された南北対話

 9月29日付東京新聞9面に、「論説委員の ワールド観望」という欄がある。筆者は、論説委員・山本勇二氏だ。
 今日はこの筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「朝鮮半島での軍事衝突の危機を回避した8月下旬の南北高官会談。韓国の首席代表は金寛鎮大統領府国家安保室長、北朝鮮は黄炳端軍総政治局長だった。
 安保政策を担当するナンバー2同士が向き合ったが、韓国の報道によると、二人とも交渉の裁量権はほとんどなかった。会談の経過は逐一、ソウルと平壌に報告され、何を主張し、合意するかという一番重要なところは、朴槿恵大統領と金正恩第一書記が詳細に指示したという。これで協議が徹夜になり、計43時間まで長引いた。」と教えてくれる。
 つづけて筆者は、「韓国・国家安保戦略研究院の劉性玉院長は「朝鮮日報」(8月24日付)で、かって国家情報院の当事者として経験した南北対話の内実を証言している。
 今回のように軍事境界線にある板門店の会議場で行われる場合は、ケーブルテレビで中継され、ソウルにある担当部署が執務室で見守り、大統領も画像を見る。音声は中継されないが、代表団メンバーが、随員に経過を記したメモを渡し上部組織に連絡する。ヤマ場を迎えたらいったん休憩に入り、トップの指示を聞いた上でまた会談に臨む。盗聴を防ぐ通信手段を使い、暗号で話すこともある。
 北朝鮮も同様のことをしている・・・・。
 8月の高官会談は非公開でメディアの取材は冒頭に限られたが、劉院長は対話は完全に指導部に管理されていると強調した。
 どこまで主張するか、何を譲歩して妥結を図るかなど、かなり厳しい交渉になるので、両国指導者の決断がないと話はまとまらないという。
 南北対話の歴史で最も緊張が高まったのは1994年3月、板門店での協議だった。
 当時、北朝鮮寧辺にある核施設を米軍が爆破して破壊するとの情報が広がっており、北朝鮮代表は「戦争の準備はできている。ソウルは火の海になるだろう」と発言した。
 韓国では、パニックになり、水や食料の買い占めまで起きた。
 韓国代表だった宗栄大氏(元統一省次官)は後日、本紙の取材に対し「北側代表は用意した書面を見ながら、ソウルは火の海に、と言った。指導部が命じた内容だったのだ」と述べた。会談では時には激しい口論になるが、互いに内心は冷静で、上部からの指示から外れる議論は絶対にしないという。脅迫も事前に準備していたということか。」と教えてくれる。
 最後に筆者は、「南北の信頼構築に取り組んだ盧武鉉政権の元高官は「今のように対話の無いままでな北朝鮮の情報が取れず、政策立案にもマイナスだ」と批判するが、朴政権は北朝鮮が核開発を中止する具体的な行動をとらない限り、本格的な交流、協力はしないという原則論を掲げる。
 今回の会談で朝鮮戦争で離散した家族の再会を10月に実施すると合意し、ようやく関係改善の糸口をつかんだ。しかし、北朝鮮は人工衛星だと主張する長距離弾道ミサイルの発射を示唆する。強行すれば、対話の窓は再び閉じてしまうだろう。」として締めくくった。
 読んで、勉強になった。
 おかげで、8月下旬の南北対話が43時間まで長引いた原因が分かった。そして、「何を主張し、合意するかという一番重要なところは、朴槿恵大統領と金正恩第一書記が詳細に指示した」とのこと等をしって、安心もした。
 朝鮮半島有事の際は、今回の安保法制が通るまでもなく、有事法制が存在していたので、日本は国全体が後方支援をすることになると思っていた。その事態が生じないのは、何と言ったって、今日まで朝鮮半島有事が勃発しなかったからだと思っている。南北会談が事実上トップ会談だったことは、偶発的に朝鮮半島で戦争が起こる可能性が低くなったような気がした。
 
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by sasakitosio | 2015-10-01 16:31 | 東京新聞を読んで | Trackback