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by sasakitosio

ピケティ・コラム 難民受け入れ 欧州は開かれた取り組みを

 9月16日付朝日新聞朝刊社説の次頁下に「ピケティコラム」という欄がある。
 筆者は、「21世紀の資本」の著者・トマ・ピケティ氏だ。今日はこの筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「この数週間で見られた難民に対する連帯感の高まりは、遅ればせながらとは言え、欧州の人たちや世界の人たち、最も重要なことを思い出させたという点で、意味があると言えるだろう。
 21世紀において、欧州大陸は移民の大陸になりうるし、なるべきだということだ。あらゆる事情が、その方向を指している。欧州を内部からむしばみ、現在、進行している高齢化社会が移民を必要としているし、また欧州の社会モデルは移民を受け入れることが可能だ。そしてアフリカ大陸における人口爆発は、気候の温暖化と相まって、今後ますますこの流れを進めていくことになるだろう。こうした事実はよく知られている。
 だが一方では見過ごされがちなのは、金融危機以前の欧州は、移民の流入について世界で最も開かれた地域になろうとしていたということだ。2007年から08年にかけて米国で発生した金融危機をめぐり、欧州は自分たちの誤った政策のために、いまだ危機を脱するに至っていない。
その結果、失業の増加と排外主義の広がりを招き、移民に対して容赦なく国境を閉ざすことになったのだ。
 「アラブの春」や難民流入という、昨今の国際状況を考察すれば、本来は国境をますます開いていくべきときに全く反対のことをしたわけだ。」と切り出した。
 つづけて筆者は、「時間を前に戻してみよう欧州連合(EU)の人口は、1995年に約4億8500万人だったのに対し、2005年には5億1千万人になった(なおこの期間中EUに加入した国は含んでいない)。20年間で2500万人増えた計算になるが、この増加数自体は何ら特別なものではない(この時期の世界全体の年間人口増加率が1.2%なのに対し、0.2%程度の増加率にとどまっている。
 しかし、重要なポイントは、そのうち4分の3近くに相当する1500万人以上の人口増加の要因が、人口移動に求められるということだ。このように00年から10までに、人口流出をのぞくと、EUは年間約100万人の移民を迎え入れたが、これは米国で見られる水準と同じものだ。
 さらに言うならば、文化の上でも、地理の上でも、欧州に向かう移民は、米国より多岐にわたっていた(米国では、イスラム教徒の人たちの数は、少なくとどまっている)。
 欧州大陸はついこの間まで、移民に対して門戸を(あくまで比較的とは言え)開いていく構えを示してきたのである。
 この時期の失業率、少なくとも、07年から08年までは低下していた。
 逆説的話だが、米国はそのプラグマティズムを生かし、予算や通貨を柔軟に活用した結果、自らが引き起こした危機からすばやく立ち直った。そして、自国経済を速やかに軌道に乗せてた(米国の15年の国内生産は、07年比10%増である)。
 移民の受け入れ数は、年間100万人程度を維持している。
 これに対して欧州は、不毛な対立と政治的な混迷のなかで身動きがとれなくなり、いまだに金融危機以前の経済活動の水準を回復していない。その結果、失業率の増加を招き、移民に対して国境を閉じていった
 00年から10年までの移民の数は年間100万人だったのが、10年から15年までは40万人以下に激減したのだ。
 どうすべきだろうか。難民の悲劇は、欧州の人たちにとって、内部での小さないさかいや自己中心主義から抜け出すきっかけになり得るかもしれない。世界に目を向け、経済と投資(住居、学校、インフラ)とを活性化し、デフレのリスクを抑えば、EUは金融危機以前に見られた移民の水準まで、まったく問題なく戻ることができるだろう。」と指摘した。 
 さらに筆者は、「こうした観点から見ると、カビが生えて老いていく欧州の行く末を案じていた人にとって、ドイツが表明した難民受け入れは素晴らしいニュースだ。もちろん、出生率の低さを考えると、ドイツには移民の受け入れ以外の選択余地はほとんどないとも言えよう。国連による最新の人口予測によると、ドイツに今後数十年の間、フランスの2倍にのぼる数の移民が流入すると計算しても、ドイツの人口は現在の8100万人から、21世紀末には6300万人まで低下すると見られて入る。これに対し、フランスの人口は同時期6300万人から7600万人に増加するようだ。
 さらに言えば、ドイツの経済活動の水準は、ある程度は巨額に上る貿易黒字の結果あるとも言え、そもそも定義上、このような巨額の黒字を欧州全体に広げることはできない(なぜならそのような輸出量を吸収できるほど、地球上に人間は存在しないからだ)。しかしまた、この水準はドイツの産業モデルの効率性がもたらしたものでもある。とりわけ、このモデルは労働者と(取締役会の議席の半数を占める)労働者の代表との緊密な連携にもとづいており、これは参考にした方がよいのではないか。」と指摘した。
 最後に筆者は、「ドイツが示した世界に対して開かれた取組はEU加盟国である、旧東欧諸国に対して強いメッセージを送っている。これらの国々は子どもも、移民も求めていないが、国連によれば21世紀末にかけてこれら国々の人口は、現在9500万人からほぼ5500万人に減るという。
 フランスはドイツの取り組みを歓迎し、この機会をとらえて、難民、移民そして世界に対し前向きで、開かれたビジョンを強くおしださねばならない。」として締めくくった。
 読んで勉強になった。ピケティの著書「21世紀の資本」を読んで、著者が「経済成長と人口増加」の関係を指摘していたことから、この記事での筆者の論調は、良く理解出来た。
そして、国連による最新の人口予測によると、 
 「ドイツは今後10年の間フランスの2倍にのぼる数の移民が流入すると計算しても、ドイツの人口は現在の8100万人から、21世紀末には6100万人までに低下する」とみられていること、
 「フランスの人口は同期間に6400万人から7600万人にぞうかするようだ」とのこと、等等をしった。
 また、「国連によれば、これらの国々(旧東欧諸国)の人口は、現在の9500万人からほぼ5500万人に減る」とのことも知った。
 人口が減少傾向の時、労働者の所得・賃金は、年金は、医療は、教育は、生活インフラの維持は、どうなるのだろうか。
 そのことが知りたくなった。
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by sasakitosio | 2015-09-19 16:24 | 朝日新聞を読んで | Trackback