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by sasakitosio

北京からーー誰のための軍事パレードか

  9月5日付朝日新聞17面下に、「風」という欄がある。
 筆者は、中国総局長・古谷浩一氏だ。今日は、この筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「3日、北京であった軍事パレードを天安門前の観覧席で見た。空を見上げれば、目を開けていられないほどのまぶしい晴天。強い日差しで、汗がシャツの下を流れるのが分かった。
 閲兵用の特別車に乗った習近平国家主席も暑そうだった。顔を赤くして、厳しい表情に見える。「同志たちよ、御苦」。そう習氏が声を掛けると整列した兵士たちが一斉に叫んだ。
 「人民のために服務します」。中国指導部の閲兵では定番のセリフ。中國指導者のキャッチフレーズのようなものだ。
 これが何度も繰り返された。
 何か違和感を覚えた。そもそも、この「人民」って誰なんだろう。
 頭に浮かんだのは、パレードの2日前の昼に見た光景だ。」と切り出した。
 つづけて筆者は、「天安門から約2キロ離れた北京協和医院。前日夜になって、軍事パレードの開催のために2日間と半日、外来診療が休みになると発表されていた。
「まったく。軍事パレードなんて面倒なだけだね」。突然の休診を伝える張り紙を見ていた白髪の高齢女性は、そうつぶやいた。受診の予約をいれていた患者たちはみな、あきらめ顔だ。
 1921年に米国の財団が設立した歴史を持つ中国有数の病院。中國では北京と地方の医療レベルの差は大きく、各地から治療を求めて来る病人は1日1万5千人に上る。受診の整理券を売るダフ屋も多く、値段を聞くと「2千元(約4万円)」といわれるほどである。
 山東省から来た40代の出稼ぎ労働者の夫婦の状況は深刻だった。この病院に通うために近くのホテルに宿泊して通院するつもりだった。ところが、軍事パレードの警備強化地域(天安門から半径2キロ)内だとの理由で、ホテルから追い出された。突然の休診で受診もできなくなった。
 「もちろん軍事パレードがあることは知ってたさ。でも、こんなに(警備が)厳しいとは知らなかったよ」。日焼けした短髪の夫は、そう悔しそうに語った。
 病院の発表に「急患窓口は24時間受信できる」とはある。でも、パレードの前日から、付近一帯は立ち入り禁止。窓口の女性看護師は言った。「私たちは勤務するけど、(病人が)ここに入ってこられるかどうかは知らないわ」
 この期間、ほかにも数カ所の病院が休診となった。また、警備強化地域にある多くの事務所や飲食店は立ち入りが禁じられ、臨時移転を余儀なくされたところもある。知り合いは、自分の住む賃貸住宅から追い出されたと嘆いていた。」と教えてくれる。
 最後に筆者は、「中国当局は今回のパレードについて。「中華民族の偉大なる復興を実現するため重要な意義がある」とする。国家が国民よりも常に優先される国。確かに、共産党政権に取っては、約30カ国に上る首脳級要人を迎えての晴れ舞台だったろう。
 でも、自らの生活を翻弄される人々の不満はどうなるのか。私には、強大な中国を見せつけるパレードのすごさよりも、病院で会った人々の困った顔の方が、はるかに心に残った。」と締めくくった。
 読んで、中国の今日の生活事情の一端が見えた気がした。
 政府の治安に対する自信の無さ、国民への信頼のなさ、国民を信頼していない様子が目に見えるような記事だった。
 軍事パレードの警備強化地域(天安門から半径2キロ)のホテルから国民を追い出し、天安門から2キロ離れた北京協和医院が2日半、外来が休診された、とのこと。政府って、国民にとってなんなの、という気になる。共産主義の思想そもそも問題があるのか、権力を手にした「人間の本性」から来るものなのか。
 民主集中といおうが、プロレタリア独裁といおうが、権力の独裁を是認する思想は、多くの国民を少数の権力者のために「不自由・不幸」にする気がしてならない。
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by sasakitosio | 2015-09-07 14:10 | 朝日新聞を読んで | Trackback