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by sasakitosio

安倍政権のネタ元!?アーミテージ・ナイ報告書を読む

 8月26日付東京新聞朝刊26面と27面に渡り「こちら特報部という欄がある。担当記者は、三沢典丈氏と鈴木伸幸氏の二人だ。
 今日はこの記事を学習することにした。
 まず記事は、「米国のアーミテージ元国務副長官やナイ元国防次官補ら超党派の日本専門家が三年前に発表した報告書がにわかに脚光を浴びている。集団的自衛権の行使容認に原発再稼働、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加・・・。
 「二流国に転じてもいいのか」と恫喝交じりで突きつけた提言が、安倍政権の主要政策と酷似しているのだ。
 アーミテージ氏ら「ジャパンハンドラーズ」の跋扈は今始まった話ではないが、中国の台頭など世界情勢が激変する中、いつまでも「対米従属」でいいのか。
 19日、安全保障関連法案に関する参院特別委員会。
 生活の党の山本太郎共同代表は、「アーミテージ・ナイ報告書」の内容と安保法案の類似点を列挙したクリップを示しながら皮肉った。
 「ほとんど重なっている。完コピって言うんですよ。完全コピー」
 日本のタンカーが 通過する海上交通路(シーレーン)の保護、掃海艇のホルムズ海峡への派遣、日米共同の南シナ海監視・・・。なるほどうり二つではないか。
 集団的自衛権については、「禁止は同盟にとって障害」と断じる一方、「平和憲法の変更は希求されるべきではない」と付言した。憲法解釈の変更による行使容認を促しているとも読める。
 中谷元・防衛相は「結果として重なる部分もあるが、わが国の主体的取組」と反論したが、
山本氏は、「米国のリクエスト通り。いつ植民地をやめるんだ」と切り捨てた。」と教えてくれる。
 つづけて記事は、「報告書の正式名称は「米日同盟――アジアの安定のために」。米国の保守系シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)が民主党政権時の2012年8月に発表した。アーミテージ、ナイ両氏の共同執筆による報告書は00年、07年に続く第三弾だ。
 第一次では、米英の関係をモデルに、日米同盟の再構築を提案した。
 第二次では、中国、インドなど新興国の台頭によるアジアの秩序変化を念頭に、日米同盟強化と米国のアジア回帰路線の強化をうたった。
 民主党政権下の第三次報告書はどうか。
 「日本は一流国であることを望むのか、二流国に転じても不満はないのか」
 「二流国の地位で満足なら本報告書に用はない」と威圧した上で、 「日本が(米国の)完全なるパートナーになること」を迫った。
 第一次、第二次と比べると、第三次では、経済を色濃く絡める。
 エネルギー戦略では「原発を慎重に再稼働を進めるのは適切」と強調。貿易問題でも、発表時は交渉参加前だったTPPについて「交渉入りの遅れを食い止めることが、日本の経済安全保障上の利益にかなう」とせかした。
事実、日本は13年にTPP交渉参加。
原発の再稼働も、九州電力川内原発(鹿児島県)が先陣を切った。民主党政権下のメッセージのはずだが、安倍政権の政策マニュアルかと見まごうばかりだ。
 それもそのはず、安倍晋三首相は、政権復帰から間もない13年2月に訪米した際、CSISで講演し、「日本は今も、これからも、二級国家ににはなりません」と第三次報告書の履行を暗に宣言した。集団的自衛権の行使容認を閣議決定した直後の昨年7月中旬には、CSISのジョン・ハレム所長やアーミテージ氏らが来日し、安倍首相を表敬訪問している。」と教えてくれる。
 さらに記事は、「ところで報告書に名を冠したアーミテージ、ナイ両氏はどんな人物なのか。
 アーミテージ氏はアナポリス海軍兵学校を卒業後にベトナム戦争に従軍。共和党の大統領候補にもなったボブ・ドール上院議員のアシスタントを経て政界に近づき、共和党政権下で国防次官補、国務副長官を歴任した。現在は自ら興したコンサルタント会社の代表に就いている。 
 ナイ氏はハーバード大で博士号を取得した国際政治学者。母校で教える傍ら、民主党政権下で国務副長官、国防次官補を務めた。
 両氏ら日本専門家は、米国では、「ジャパンハンドラーズ」と呼ばれている。その呼称を元外務省国際情報局長の孫崎享氏は「侮辱的」と表現する。「ハンドラーとは馬や犬の調教師を意味する。米国は日本を調教する相手と思っている」
 ハンドラーズは戦後史の随所で活躍してきた。典型例は1989年に始まった日米構造協議である。
 繊維、鉄鋼、自動車と日本の対米輸出が膨らむ中、米国は「日本市場は閉鎖的。規制を緩和し、開放すべきだ」と主張。
 大規模小売店舗法(大店法)の見直しや内需拡大のための公共事業の拡大など、内政干渉まがいの対日要求を繰り返した。
 その後、同協議は93年から日米包括協議に衣替えして継続され、94年には相互に規制緩和を求める年次改革要望書がスタートした。
 相互といっても、米国からの要望事項が圧倒。
 日本の国民生活に大きく影響した郵政民営化や銀行の不良債権処理も同要望書に記載されてていた。
 「戦後、日本は軍事的には米国に守られ、対米輸出で豊かになった歴史がある。敗戦の劣等感も あって、米追従が習い性。かなりの要求に応えてきた」と孫崎氏は打ち明ける。
 もっとも、そんな従属構造を日本側も利用してきた。
 「政治家や官僚が政策実威のために米側から要求してもらうことがままある。
 第三次アーミテージ・ナイ報告書の「原発再稼働」は日本の原子力ムラから働きかけたのだろう」(孫崎氏)
 不思議なのは、現在民間人のアーミテージ、ナイ両氏が民間団体のCSISから出した報告書が、安倍政権が「冠コピ」するほどの影響力を持っていることだ。
 孫崎氏は「CSISのようなシンクタンクは国務省や国防総省とも親密で人材の交流も盛ん。
 ジャパンハンドラーズは超党派の集まりなので、政権交代しようと影響力は変わらない。
 今回の報告書は安全保障にかかわる人たちの総意といっていい」とみる。」と教えてくれる。
 さらに続けて記事は、「もちろん、米国の要求は、日本の国益とは必ずしも一致しない。いつまでも対米従属でいいのか。
 群馬県立女子大の野口和彦教授(国際関係論)は「米国から見れば、冷戦終結後、日本の戦略的価値が低下している。
今の日本政府には、同盟国としてきちんとした対応をしないと、米国から見捨てられるという恐怖心がある」と指摘した上で、安保から経済まで網羅した第三次アーミテージ報告書について「安保だけではなく、経済やエネルギー面でもより米国の期待に応える方向で政策決定がなされているのではないか」と解説する。」と教えてくれる。
 最後に記事は、「日本の地盤沈下は、軍事的にも経済的にも存在感が増して得いる中国抜きには語れない。
 元駐レバノン大使の大木直人氏は「上海株の暴落といった中国発の経済事象が世界に影響するようになっている。米中は相互関係を強めていて、経済危機には日本抜きに米中で対応するようになる」と説く。
 孫崎氏も「外交は親米か、反米かという単純な話ではない。米国との関係は大切だが、中国や韓国、東南アジア連合(ASEAN)などの周辺国とも戦略的に相互関係を強化しておかないと、米中に挟まれて日本が翻弄されるといった事態になりかねない」と警鐘を鳴らした。」と締めくくった。
 読んで大変勉強になった。
 「米国の保守系シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)が民主党政権時の2012年8月発表した「米日同盟――アジアの安定のために」が、安倍政権の主要政策と酷似している」とのことは、政権側から聞こえてくる「愛国主義」はどこへ行ったのだろうか?
 また、元外務省国際情報局長・孫崎氏の「米追従が習い性」の発言は、外務省が日本国民の利益より、アメリカの利益に奉仕しているように見えるのは、ごく自然な受け止め方だったらしい。
 さらに、「政治家や官僚が政策実現のために米側から要求してもらうことがままある」との指摘は、為政者による国民だましのような気がして、腹立たしく思った。
 
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by sasakitosio | 2015-08-28 06:18 | 東京新聞を読んで | Trackback