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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

殺りくの遠近法

 8月14日(金)付東京新聞朝刊25面に、「本音のコラム」という欄がある。筆者は、法政大教授・竹田茂夫氏だ。
 今日は、この筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「1942年7月のある朝、占領下のユダヤ人の村をドイツの治安警察が急襲した。成年男子を別にして、老人、女性、子どもは処刑せよとの命令に従い、部隊はためらいつつも約1500人の銃殺を実行した(ブラウニング「普通の人びと」)。
 この部隊は故郷に家族や仕事を持つごく普通のドイツ人からなるが、他でも殺戮を繰り返し、無抵抗の約4万人を殺した。殺す側は返り血を浴び、阿鼻叫喚は耳元に迫る。」と切り出した。
 つづけて筆者は、「中国大陸で捕虜や民衆に暴虐の限りを尽くした情報将校も、戦後は悪夢にうなされる夜が続いたという(鵜野晋太郎「菊と日本刀」)。総力戦では国民が戦争を担い、膨大な戦死と心身の傷を引き受ける。
 だが、戦略爆撃(日独都市への大空襲)や原爆投下で、事態は根本的に変化する。専門の部隊が無差別殺人を担当し、自国民にはそれを正当化する宣伝を行うのだ。
 いまだに米国の大半は、原爆投下で日本の敗戦が早まり、多くの命が救われたと信じている。」と教えてくれる。
 最後に筆者は、「中東やアフリカなどの「オバマ戦争」ではドローンや特殊部隊を投入し、厳重な情報統制を敷く。イラク戦争に倦んだ米国民は戦争業務を専門部署に委ね、帰還兵の心身の傷やドローン攻撃の巻き添の死に目をつぶり、戦争から距離を取る。
 日本人も将来、米軍支援の自衛隊に同じ態度をとるのか。」と締めくくった。 
 読んで勉強になった。
 「総力戦では国民が戦争を担い、膨大な戦死と心身の傷を引き受ける」と教えてくれ、「中東やアフリカなどの「オバマ戦争」ではドローンや特殊部隊を投入し、厳重な情報統制を敷く。」とも教えてくれる。
 そして、「米国民は・・帰還兵の心身の傷やドローン攻撃の巻き添え死に目をつぶり、戦争から距離を取る。」と教えてくれる。
 このアメリカ軍と一緒に日本が戦争する「安保法制」は、日本の社会を暗くする。やはり、阻止しなければならない、と思った。
by sasakitosio | 2015-08-17 21:15 | 東京新聞を読んで | Trackback