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by sasakitosio

ギリシャ怨念の深層

 7月19日付東京新聞朝刊10面に、「論説委員のワールド観望」という欄がある。筆者は、熊倉逸男氏だ。
 今日はこの筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「ギリシャ財政危機をめぐる協議で、巨額の支援継続に難色を示すドイツとギリシャの対立が鮮明になった。
 ドイツは東西統一後、失業者が増大し、「欧州の病人」とまで呼ばれたが、社会福祉削減を断行、失業者給付金の支給期間を大幅短縮、年金支給年齢を67歳に引き上げるなど、“痛み”を甘受してきた。それだけに、ギリシャの取り組みは手ぬるく見える。
 一方、ギリシャにとって、財政緊縮を強いながら自らはユーロ安で輸出を伸ばし経済好調なドイツは許しがたい存在だ。」と切り出した。
 つづけて筆者は、「ドイツとギリシャの対立の根は深い。
ギリシャのチプラス政権は、金融支援交渉真っ最中の5月、ドイツに巨額の戦後賠償要求を持ち出してきた。
 ナチスドイツは、1941年から44年10月までギリシャを占領していたのだ。
 独シュピーゲル誌によると、過酷な占領で10万人以上が餓死、中部ディストモ村では子供を含む218人が虐殺され、ギリシャ系ユダヤ人約6万人が死亡したという。ギリシャでの犯罪は、ドイツではあまり関心を持たれていなかったとも指摘している。
 ギリシャ政府の推計では、賠償額は約2787億ユーロ(約36兆円)に上る。
 ナチスが中銀行から強制的に借りたという約110億ユーロ(約1兆5500億円)相当の返済と、ナチスによる被害を受けたとされる市民への補償という。
 ドイツ政府は「賠償問題は解決済み」と主張。西ドイツが60年に結んだ協定に基づき、ギリシャへの補償として1億1千5百万ドル(当時のレートで約98億円)を支払ったことを根拠にしている。
 しかし、これまでのドイツの補償が十分だったかどうかの疑問は、チプラス政権以前からもあった。
 ドイツのガウク大統領は「ギリシャ人の要求にかなう補償方法の話し合いの行方を関心をもって見守っている」と述べ、再検討の余地はあるとの考えも示している。」と教えてくれる。
 さらに続けて筆者は、「日本が戦後補償を国家賠償として進めたのに対し、ドイツはナチスの被害者に対する個人補償の形で進めてきた。
 足りない点を補い合いながら戦後補償を充実させている。
 ならば実体解明が遅れているギリシャの戦争被害と、あらためて向き合ってはどうか。
 ギリシャも、メルケル首相らドイツの政治家をナチスになぞらえるなど、「過去の克服」に取り組んできたドイツ人の気持ちを逆なでする振る舞いは控えるべきだ。」と指摘した。
 最後に筆者は、「戦後70年。歴史問題のトゲを冷静に抜くことは、財政支援をめぐりエスカレートしがちなドイツとギリシャの対立緩和にもつながる。
 ナチスへの反省から、ドイツは戦後、周辺国との協調に努めてきた。ギリシャへの債務問題に寛大な姿勢で臨むことも、ドイツの国際的信頼にとってはプラスだろう。」と締めくくった。
 読んで勉強になった。
 「ドイツが東西統一後、失業者が増大し、「欧州の病人」とまで言われたが、社会福祉削減を断行、失業者給付金の支給期間を大幅短縮、年金支給開始年齢を67歳に引き上げるなど”痛み“を甘受してきた」ことを知った。
 「ナチスドイツは、1941年4月から44年10月までギリシャを占領していた」とのこと、「ギリシャ政府の推計では賠償額は約2787億ユーロ(約36兆円)に上がる」とのこと、等々を初めて知った。
 ドイツとギリシャの対立の根深さを改めて知った。どちらの主張が是か非かの結論は、軽々に出せないと思った。アテネはオリンピックの直後歩き回ったが、ベルリンはまだ歩いていない。今年の年末年始には、ベルリンを歩いて思索を深めたいと思っているが。
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by sasakitosio | 2015-07-24 16:22 | 東京新聞を読んで | Trackback