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by sasakitosio

ソフィストの子孫の理屈

 7月12日付東京新聞朝刊社説横に、「太郎の国際通信」という欄がある。筆者は、ジャーナリスト・木村太郎氏だ。今日は、この筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「その昔、古代ギリシャには「ソフィスト」という人たちがいたらしい。
 本来は人々に徳を説く教育家のことだったが、中にはへ理屈をこねて他人を論破することを教えるものも出てきて今ではこの言葉は英語の「詭弁」(sophism)つながることになった。
 詭弁もいろいろあり、たとえば「犬は動物である、猫も動物である。従って犬は猫である」というのを論理学では「媒概念不周延の虚偽」というそうだが、それはともかく古代ギリシャではそうした詭弁がまかり通っていたようだ。
 そうした「ソフィスト」を題材にした喜劇「雲」がある。
 作品は紀元前400年前後のギリシャの代表的な詩人アリストパネスで、この作品では哲学者ソクラテスを詭弁を弄する「ソフィスト」として登場させている。」と切り出した。
 つづけて筆者は、「物語はこうだ。多くの借金を抱えた男がソクラテスの主宰する塾に息子を弟子入りさせる。そこで借金を帳消しにする論法を教えてくれると聞いたからだ。そこで、ソクラテスは「正論」と「劣論」に議論をさせてみるが、正義を説く「正論」を「劣論」がことごとく論破してしまう。
 こうして息子が学んだ「詭弁」を武器に、男は借金取りに議論を吹きかける。
 借金取りが「利子だけでも払ってくれ」と言い、それは「月ごとにお金が増えていくものさ、時がたつにつれてね」と説明すると男がこう言う。
 「うまい、それじゃどうだ。海は前よりも大きくなったと思うかね」。
 借金取り「どうして、同じだよ。大きくなる法はない」
 男「それじゃ、ウジ虫め、たくさんの川が流れ込んでいるのに海はちっとも大きくならないのに、おまえはおまえのお金を大きくしようとするんだな。家からさっさと消えてなくなれ。(奴隷に)おい、むちを持ってこい。(むちで打つ)」(アリストパネース「雲」高津春繁訳 岩波文庫)
 ソクラテスが現実に借金踏み倒しの論法を教えたのかどうかは定かではないが、この「雲」上演から20余年後にソクラテスが裁判にかけられ死刑になった。その理由は「無益な弁論で青年たちをたぶらかした」というものだった。」と教えてくれる。
 最後に筆者は、「そのギリシャがいま膨大な借金でにっちもさっちも行かなくなっている。欧州連合(EU)などの債権国が救済の手を差し伸べたが、ギリシャ国民はその条件は国家の主権を侵害するものだと国民投票で否決してしまった。
「これはギリシャの問題ではなく欧州の問題だ」
 ギリシャのチプラス首相はこう言って債権団と再度の交渉に入った。
 12月のユーロ圏首脳会議までに結論を出すとされているが、現代の借金取りたちは「ソフェスト」の子孫を論破することができるのだろうか?」と締めくくった。
 読んで面白かった。昨日のニュースで、ギリシャ議会は緊縮案を野党の賛成を得て可決し、街にデモが発生しているという。公約を守れなかったチプラス首相は退陣することになり、またまたギリシャは不安定な政権がしばらく続きそうな予感がした。
 また、ソクラテスが詭弁を弄する「ソフィスト」として登場する「雲」の上演から20余年後にソクラテスが裁判にかけられ死刑になった」とのことを初めて知った。過日、アテネの街、旧アゴラを歩き回りソクラテスやアリストテレスを偲んで来た時、左右に二つ並んだソクラテスとアリストテレスの石像の前に立った時、不思議なことに「自分の体がフート膨らんで大きくなった」感覚に襲われ、自分で驚いたことも思い出した。
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by sasakitosio | 2015-07-17 07:08 | 東京新聞を読んで | Trackback