憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

役に立たない法制

 6月12日付朝日新聞朝刊4面に、「考論 」という欄がある。「憲法審査会 学者はどう見る」というタイトルで、慶大教授・駒村圭吾氏、明大教授・浦田一郎氏の二人の憲法学者が載った。中で、今日は、慶大教授・駒村圭吾氏の考論に学ぶことにした。
 まず駒村氏は、「憲法は、その条文だけでなく、実務的な解釈の集合体として存在する。その意味で、1972年の政府見解はすでに「憲法の重み」を持っていると言える。
 この見解は、砂川事件の最高裁判決が認めた「自衛の措置」について、許される範囲を明らかにしたうえで集団的自衛権の行使を否定した。「法理」として示された結論であり、政府・与党が主張するように日本を取り巻く状況に応じて変わり得るとは読めない。
 集団的自衛権の行使を可能にするためには、72年見解を覆すことが不可欠だ。集団的自衛権の行使を否定するために示された同見解の主要な部分を、行使容認の根拠として引き継いだ昨年7月の閣議決定は、根本的な矛盾を抱えている。」と指摘した。
 つづけて駒村氏は、「このままでは国家の危機に際した時、政府の判断が迷走し、存立危機事態の認定を決断できないというおかしな状況が生まれるだろう。役に立たない法制を作ったという意味で(いずれも弁護士で与党協議を主導した)自民党の高村正彦氏や公明の北側一雄氏は、法律家としてだけでなく政治家としての職責に背いたことになる。
 「お試し改憲」の一歩手前で、憲法がアンタッチャブルでないことを示し、ガス抜きをするーーーそんなゲームをしているようにさえ感じる。」と指摘した。
 さらに駒村氏は、「集団的自衛権の行使が必要だと言うなら、具体的な現実の要請を示し、自衛隊のリスクが増すことを語り、憲法改正を提起すべきだ。だが、政府・与党は知の塊である法を軽んじる反知性主義に陥っているばかりか、リアリズムを示す事もできていない。国民は自衛隊員が殉職しかねない状況でも本当のことを言わないのではと疑い、そんな政府には自衛隊を任せられないと感じ始めている。」とも指摘した。
 最後に駒村氏は、「このまま憲法を無視した法制を成立させれば、安倍晋三首相が米議会で強調した「法の支配」も、国際社会の信用を失うだろう。」と締めくくった。
 読んで勉強になった。
 1972年の政府見解は、砂川事件の最高裁判決が認めた「自衛の措置」について、許される範囲を明らかにしたうえで集団的自衛権の行使を否定した、「「法理」として示された結論」であるとの指摘は、ストンと理解出来た。
 また、「集団的自衛権の行使を否定するために示された同見解の主要な部分を、行使容認の根拠として引き継いだ昨年7月の閣議決定は根本的な矛盾を抱えている」との指摘で、いままでのもやもや感が無くなりすっきりした。
 さらに、「このまま憲法を無視した法制を成立させれば、安倍晋三首相が米議会で強調した「法に支配」も、国際社会の信用を失うだろう。」との指摘は、まさに「日本の国民益」にかかわるような気がした。
 
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by sasakitosio | 2015-06-27 09:02 | 朝日新聞を読んで | Trackback