敵の敵は味方
2015年 06月 22日
今日は、この筆者に学ぶことにした。
まず筆者は、「「目を疑う」という表現はなにか信じがたいものを見たときによく使うが、5日のイスラエルの英字紙エルサレム・ポスト(電子版)のそのニュースの見出しには正直目を疑った。
「イスラエル、サウジアラビア秘密外交接触を初めて認める」
ワシントンで開かれた外交問題評議会で明らかにされたもので、イスラエルとサウジアラビアは昨年来五回にわたりチェコ、イタリアそれにインドで秘密裏に接触していたというのだ。
イスラエルとサウジアラビアは歴史的な敵対関係にある。両国間にはいまだ外交関係が樹立されていない。エジプトがイスラエルとの和平を成立させたキャンプデービット合意ににもサウジアラビアは反対した。その両国が恩讐を超えて協議を行っていたというのは、イランという共通の脅威に対処するため、まさに「敵の敵は味方」という」外交力学が働いてのことだったようだ。」と切り出した。
つづけて筆者は、「イスラエルにとってイランは、その最高指導部のハメネイ氏が昨年もイスラエル壊滅を呼びかけたように大きな脅威だ。イランの核兵器開発が進めばその脅威は現実のものとなる。
一方サウジアラビアは、イスラム教スンニ派の総本山を自他共に許している。そのスンニ派はイランに率いられたシーア派と歴史的に対立している。最近のイラクやシリアそれにイエメンの内戦も両派の抗争、つまりはサウジアラビアとイランの代理戦争という実態が表面化してきている。
「われわれは共通の問題と共通の挑戦、そしていくつかの共通の答えをみつけた。」」
両国の接触にイスラエル側から参加した退役将軍のシモン・シャピラ氏は、エルサレム・ポストにその成果をこう語っている。
その「共通問題」だが、イランの核開発は両国にとって共通の大問題である。であれば、「共通の挑戦や答え」とはそれを協力して排除することなのだろうか。イランの核兵器が完成しそうになれば、イスラエルが施設を空爆する可能性が取りざたされているが、その場合サウジアラビアはイスラエル空軍機の上空通過を黙認することを保証するのかもしれない。
また最近サウジアラビアはイランの支援を受けるイエメンのシーア派組織からスカッドミサイルを立て続けに撃ち込まれている。これに対してイスラエルはミサイル防衛システム「アイアンドーム」の提供を申し出たというが、これも両国にとっての「共通の答え」とも考えられる。」と教えてくれる。
最後に筆者は、「権謀術数が渦巻く中東では何が起きても不思議ではない。
しかし、これでたとえイラン問題が決着したとしても地域の根本的な問題が解決するわけではない。また新たな「敵の敵は味方」関係が生まれて混迷が続くのではないかと人ごとながら気になるのだが。」と締めくくった。
読んで勉強になった。
「イスラエルとサウジアラビアは歴史的な敵対関係にある。両国間にはいまだに外交関係が樹立されていない」ことを初めて知った。
「イランの最高指導者ハメネイ氏が昨年もイスラエル壊滅を呼びかけた」とのこと、
「最近のイラクやシリアそれにイエメンの内戦も両派(スンニ派とシーア派)の抗争、つまりはサウジアラビアとイランの代理戦争という実態」とのこと、
「「われわれは共通の問題と共通の挑戦、そしていくつかの共通の答えを見出した」と両国の接触にイスラエル側から参加した退役将軍のシモン・シャピラ氏はエルサレム・ポスト紙にその成果を語っている」とのこと、等々を知って、核戦争の危険を感じた。これを止められる、思想と指導者を出せる国はどこだろうか?