憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

原発と二つの安保

 6月7日付東京新聞社説に、「原発と二つの安保」という見出しで、安全保障問題が載った。今日は、この社説に学ぶことにした。
 まず社説は、「安保論議が盛んです。今は安全保障法案が注目ですが、少し前はエネルギー安保でした。どちらも原子力が関係しますが、原発ゼロが国益のようです。
 安倍晋三首相は安保法案提出の理由として「北朝鮮は弾道ミサイルを数百発、持っている。」「緊急発進が十年前に比べて7倍も増えている」と、日本を取り巻く安全保障環境が厳しくなったとの認識を繰り返し説明しています。
 エネルギー安保に関しては、安倍首相は「電力不足も存立危機事態」とし、中谷元・防衛相は「石油だけではなく、ウランやプルトニウムの輸送も含まれる」と述べています。
 ふるい話になりますが、安全保障と原発に関して岸信介首相は(当時)は1957年、国会答弁で「自衛のための核保有は合憲」との考え方を示しました。福島第一原発事故後、保守派の論客とされる人たちは「原発は安全保障上、必要だ」として再稼働を求めています。」と切り出した。
 つづけて社説は、「残念なことに、これらの話には誤解や矛盾があります。
 まず、エネルギー安保からみてみましょう。政府は原発が停止し、エネルギーの自給率が5%程度であることを問題にしてます。最近決めた2030年電源構成では、純国産エネルギーである再生可能エネルギーを22~22%とし、準国産エネルギーともいわれる原発20~22%にしました。30年には40%程度まで“自給”できるというのです。
 中谷防衛相が心配した燃料はどうでしょうか。
 関西電力のホームページには「万が一ウランの輸入がストップしても、原子力発電所に加え、国内の燃料加工工場にあるウランを使えば、約2.4年間原子力発電所の運転を継続できます」との説明があります。
 東京電力は先月19日、新潟県の柏崎刈羽原発にウラン燃料を運び込みました。理由は「燃料メーカーの倉庫がいっぱいになったから」と報道されています。政府は電力にこだわりますが、すでにウラン燃料が国内では余っていることをご存じないようです。
 次に原発と安全保障の問題を考えてみましょう。
その前にクイズ一つ。世界で一番危険な原発はどこでしょう。
 答えはイランです。理由は、いつ空爆されるか分からないからです。荒唐無稽な話ではありません。イスラエルは1981年イラクにあった完成間近の原発を空爆したことがあります。
 一方、イスラエルの原発は昨年、パレスチナからロケット弾を攻撃を受けました。原発は狙われやすいのです。
 常に核兵器の開発が疑われるイランですが、自らは「平和利用」と言い続けています。攻撃の口実を与えないためです。
 直接の攻撃だけではありません。イランでは2010年、原発などのコンピューター約3万台が「スタックネット」というウイルスに感染しました。このウイルスはインターネットに接続していないコンピューターにも感染する新種で、米国とイスラエルの共同開発とうわさされています。」と指摘した。
さらに社説は、「「科学」四月号によると、ヤツコ米原子力規制委員会委員長は「アトムズ・フォー・ピース(平和のための原子力)から、今はピース・フォー・アトムズ(原子力のための平和)になった。最大の脅威はサイバーテロだ」と話しているそうです。
 サイバーテロについては、日本年金機構のお粗末な対応が明らかになったばかりですが、電力会社も意識が高いとは言えません。東電は昨年、経費節減を理由に、危険だと警告されたウィンドウズXPを使い続けると発表。その後会計検査院の指摘を受けて、更新計画を前倒ししました。
 実質国営企業で黒字経営、しかも首都圏の電力供給を担う会社でこれです。
 東電に対しては福島第一原発事故直後、国際ハッカー集団「アノニマス」がサイバー攻撃を呼びかけたこともあります。こういう相手には、日米同盟をいくら強化しても抑止力にはなりません。
 万一、日本が攻撃対象になる事態が起きたら、国内に原発があるのは、国民の生命や財産にとって明白にリスクです。原発は全基停止を強いられ、一挙に20%もの電源を失うことになります。」と指摘した。
 最後に社説は、「二つの安保を重視するなら、原発ではなく、再生可能エネルギーを推進すべきです。コストが問題になりますが、太陽光や風力は原発と同じで、初期投資が大きく、ランニングコストは比較的小さいのです。安全保障の一部を充てればどうでしょう。反対する国民はあまりいないと考えますが。」と締めくくった。
 読んで勉強になった。
 「安倍首相は「電力不足も存立危機」とし、中谷元・防衛相は「石油だけでなく、ウランやプルトニウムの輸送も含まれる」とのべている」とのこと、「福島第一原発事故後、保守派の論客は「原発は安全保障上必要だ」として再稼働を求めている」とのこと、を知った。
 「イスラエルが1981年イラクにあった完成間近の原発を空爆した」こと、「イランで2010年、原発などのコンピューター約3万台が「スタックネット」というウイルスに感染した」とのことも知った。
 社説の「万一、日本が攻撃対象になるような事態が起きたら、国内に原発があるのは、国民の生命や財産にとって明白なリスクです」は、じつに現実的な指摘だと思った。
 福島第一原発事故で、原発も持つ危険性が、範囲に置いて広大で、回復の時間において超長期間で、損害の規模において膨大で、あることがはっきりした。
 そうすると、遠隔操作で、攻撃される危険が現実味を帯びてきた今日、原発の存在は、日本国に取って抑止力ではなく、明白なリスクになったのではないか?
 
[PR]
トラックバックURL : http://sasakitosi.exblog.jp/tb/21867832
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
by sasakitosio | 2015-06-11 06:54 | 東京新聞を読んで | Trackback