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憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

安保法制 違憲との疑義に答えよ

 6月5日付朝日新聞社説に、「違憲との疑義に答えよ」との見出しで、衆院憲法調査会での参考人招致の審議が載った。
 今日はこの社説に学ぶことにした。
 まず社説は、「国会で審議中の安全保障関連法案について、国会に招れた憲法学者3人がそろって「憲法違反だ」と断じた。
 きのうの衆院憲法調査会。内閣が提出した法案の正当性に、専門家が根本的な疑義を突きつけた異例の質疑だった。
 衆院の特別委員会では、自衛隊の新たなリスクなど論点になっている。その前に、そもそも一連の法案が憲法に照らして認められるのか、原点の議論を尽くす必要が改めて明確になった。」と切り出した。
 つづけて社説は、「憲法審査会には、与野党の協議によって選ばれた長谷部恭男、笹田栄司の両早大教授と小林節慶大名誉教授が参考人として招かれた。
 もともとは違うテーマでの質疑が予定されていたが、民主党議員から「安保関連法案は憲法違反ではないか」との質問が出て、それぞれが違憲との見解を示した。
 長谷部氏が問題にしたのは、「集団的自衛権の行使は認められない」という従来の政府の憲法解釈を変更し、行使を認めた昨年7月の閣議決定だ。
 長谷部氏は「従来の政府見解の基本的な論理の枠内では説明がつかない。法的な安定性を大きく揺るがす」と批判。笹田氏もまた「自民党政権と内閣法制局がつくってきた定義を踏み越えてしまっている」との見解を示した。
 こうしたやりとりを受け、解釈変更の与党協議にあたった公明党の北側一雄氏は「9条に明確に書かれていない中、どこまで自衛の措置が許されるのか、突き詰めた議論をした」と理解を求めた。それでも、長谷部氏は「他国への攻撃に対し武力を行使するのは自衛というより他衛。そこまで憲法が認めているのかという議論を支えるのは難しい」と一蹴した。
 一方、小林氏は自衛隊による他国軍への弾薬提供などについて、「後方支援というのは日本の特殊概念だ。要するに戦場に後ろから参戦する、前からはしないというだけの話だ」と指摘。その上で「露骨な戦争参加法案だ」と言い切った。」と教えてくれる。
 最後に社説は、「憲法や安全保障について3人の考え方は、必ずしも近くない。その3人が、憲法改正手続きを無視した安倍内閣のやり方はおかしいという点で一致したことの意味は重い。
 憲法学界からのこうした批判には「9条だけで国民は守れない」といった反論が必ずある。
 だが、時代の変化に即した安全保障の手立ては必要だとしても、それが憲法を曲げていい理由には決してならない。法治国家として当然である。」と締めくくった。
 読んで勉強になった。
 長谷部氏の「従来の政府見解の基本的な論理の枠内では説明がつかない。法的な安定性を大きく揺るがす」との批判、
 笹田氏の「自民党政権と内閣法制局がつくってきた定義を踏み越えてしまっている」との見解は、ストンと腑に落ちた。
 小林氏の「後方支援というのは日本の特殊概念だ。要するに戦場に後ろから参戦する、前からはしないというだけの話だ」との指摘は、目からうろこの落ちたような、そんなスッキリ感がした。
 国会で審議中の安全保障関連法案について、与野党の協議で選ばれ、招かれた、3人の学者がそろって「憲法違反」と断じた、とのこと。この結果の意味は大きく重い。
 御用学者の底が尽きたのか?それとも、「安全保障関連法案」が、御用学者も付き合いきれない「代物」だったということか?
 まあ、普通の神経ならば、法案を下げて、出し直す道をえらぶはずだが?
 今からでも遅くはない、国会審議の前に、国会議員全員で一緒に、参考人の3先生から、日本国憲法の講義を受ける必要があるような気がしてきた?
by sasakitosio | 2015-06-07 05:59 | 朝日新聞を読んで | Trackback