萎縮招かない社会に
2015年 05月 31日
筆者は、作家・森絵都氏だ。今日はこの筆者に学ぶことにした。
まず筆者は、「福島の原発事故で避難が始まってから、たくさんの高齢者がなくなった。
原発から20キロ圏内の立ち入りが規制され、多くのペットが取り残された。日本が、こんなにも弱者を切り捨ててしまう社会なんだと、改めて実感した。
事故から二か月後、20キロ圏内に取り残されたペットを救出する活動に同行した。自分の体をかけて犬や猫を守る女性たちを追いかけるほどに、その姿を記録したい思いが強まった。」と教えてくれる。
つづけて筆者、「将来、原発の近くで何か政府に都合の悪い事が起きたら、それを隠すために特定秘密保護法が利用されるかもしれない。私は何か調べるときに現場に行き、自分で見て、人に会って話を聞く。非常時だからこそ、自分の体を張って伝えなければならないことがある。だが、秘密保護法は取材対象にも罰則が及ぶので取材者の萎縮を招いてしまう。
昨年来、秘密保護法廃止を求める発言をしはじめてから、仕事先の人たちに「勇気がありますね」「大丈夫ですか」などと言われた。
先進国では市民が政治について意見を言うのはごく当然なのに、日本では発言しない人が多いからだろう。」と指摘した。
最後に筆者は、「政治のことは難しく、賢く、分かり抜いたうえで語らなくてもいい。間違えたことを言っても、拙くても、本当に自分たちが日常レベルで感じたり、疑問に思ったりすることをカジュアルな雰囲気の中で気軽に発言していくことが大事かと思う。
そして、私たちの心の中にある萎縮を取り除いていくことが、この社会に新しい風を吹かせて、政府からの締め付けにあらがっていくための一つの方法になるのではないか。」と締めくくった。
読んで勉強になった。
筆者の「将来、原発の近くで何か政府に都合が悪い事が起きたら、それを隠すために特定秘密保護法が利用されるかもしれない」との危惧は、正解のような気がした。そして、特定秘密保護法は、「私たちの心の中にある萎縮を」利用して、権力者に不都合な情報を隠し、政府への国民の批判を阻止するバリアとなり、権力を保持する者の地位を守るために、きわめて有効の作用すること間違いなしではないか?
これを阻止するのは、主権者国民の勇気ある「人権擁護」の行動と、それを支え続ける「マスコミ」と「勇気ある専門家」の存在が不可欠のような気がするが?