憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

「社会的経済」の視点

 5月5日付東京新聞7面に、「メディア観望」という欄がある。筆者は、編集委員・土田修氏だ。
 今日はこの筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「2014年11月にソウル市で開催された社会経済の国際フォーラムで、日本政府が進めている農協改革に対し驚きの声が上がった。農業の競争力を強化するため、JA全農の株式会社への転換を促進しようとしていたからだ。
 農協や生協の協同組合は「相互扶助と連帯」の精神に基づく社会的経済の構成員で、利潤追求を目的とした営利団体とは違う。「儲かる農業」を旗印に協同組合の根幹を否定しようとする日本政府の政策に、国際社会は厳しい批判の目を向けている。」と切り出した。
 つづけて筆者は、「19世紀のフランスで協同組合や共済組合として始まった社会的経済は、近年の経済危機を背景に資本主義の欠陥を克服するシステムとして世界中に拡大している。欧州では福祉・保険・農業など多様な分野で協同組合や共済組合がつくられ、社会的経済が事業に占める割合は05年に10%を超えた。スペインやイタリアの労働者協同組合は障がい者など社会的弱者の雇用を促進している。中規模の株式会社を協同組合に転換する動きもある。」と教えてくれる
 さらに筆者は、「現在の欧州連合(EU)は1989年に社会経済部局を設置、国連も13年に社会的連帯経済促進委員会を設置し、国際労働機関(ILO)などと連携し社会経済を推進してきた。フランス、スペイン、ポルトガル、メキシコでは社会的経済に関する法律が成立し、韓国でも法制化の動きが始まっているが、日本では報道されていない。
 欧州では協同組合運動が発展したのは、組織間の連帯の仕組みが領域を越えて形成されたからだ。少人数でも届け出だけで設立できるように法制度も整備されている。
 日本では、法制度が整っていないうえに、省庁ごとに管轄が分かれ、設立には認可が必要で、規制も厳しい。こうした状況が、多様な協同組合の発展を阻害してきた。
 生協や農協のような巨大な協同組合が存在するが、組合員が社会経済の一員だという自覚を持っているとは思えない。
 利潤追求に走る協同組合も少なくない。本来、社会経済は社会変革を促すものだ。農家と連携して安心安全な農産物の供給システムをつくった生協は、その一例だ。」と指摘した。
 最後に筆者は、「ソウルの国際フォーラムを契機に日本で結成された「ソウル宣言の会」は7月に都内で報告会を開催し、社会的経済の意義や重要性を訴える。
 それは参加・民主主義や連帯・協力を理念とし、公平・公正な社会の創出をめざすものだ。農協改革のような成長戦略一辺倒の政策とは無縁だ。
 「奪い合う社会」から「分かち合う社会」への転換を促進するには、マスメディアが社会経済の視点を持つことが不可欠だろう。」と締めくくった。
 読んで、自分の知らない世界にまたひとつ気づかされた。
 「19世紀のフランスで協同組合や共済組合として始まった社会経済」、
 「欧州では福祉・医療・保健・農業など多様な分野で協同組合や共済組合がつくられ、社会経済が事業に占める割合は05年に10%を超えた」、等は初めて知った。
 「日本では、法制度が整っていないうえに、省庁ごと管轄が分かれ、設立に許可が必要で、規制も厳しい」、等々は確かに現実問題だ。 
 「「奪い合う社会」から「分かち合う社会」への転換を促進する」との思想は、火災共済の給付の現状を見る限り納得できた。だから、知り合いには、火災共済という助け合い制度が、いざというときに本当に役に立つことを説明し、加入者で被災した人からはいつも感謝されている。恥ずかしながら、これが、社会経済の一つの事業形態であることを初めて知った。
[PR]
トラックバックURL : http://sasakitosi.exblog.jp/tb/21774315
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
by sasakitosio | 2015-05-09 09:25 | 東京新聞を読んで | Trackback