憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

元は太陽通貨になれるか

 4月12日東京新聞朝刊4面に、「時代を読む」という欄がある。筆者は、同志社大教授・浜矩子氏だ。
 今日は、この筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「新参者が国際金融の舞台中央に躍り出ようとする。その舞台で、長らく大主役を張ってきたガキ大将は、心中いたって穏やかならずだ。
 この構図、2015年春の光景だな。新参者はアジアインフラ投資銀行(AIIB)構想を打ち上げた中国だ。ご機嫌斜めの旧ガキ大将が、アメリカだろう。みなさんそう思われただろうか。それは正解だ。だが、正解は実はもう一つある。この光景を、70年前の1945年冬のものだと解釈されても、大いに正しい。
 時は1945年12月、29カ国の国々が国際通貨基金(IMF)協定に調印した。この時の新参者はアメリカだった。対する旧ガキ大将の位置づけにあったのがイギリスである。ニューフェース通貨のドルが、通貨の太陽系における太陽の位置につくことに対して、古株の親分は不快感が募る。
 アメリカ提案をつぶすべくイギリスは対案を出した。対案作りには、かのJ・M・ケインズが当たった。だが、大先生をもってしても、新興国の勢いは止められなかった。」と切り出した。
 つづけ筆者は、「ただ、太陽通貨すなわち基軸通貨としてのドルの位置づけも、実はあまり長続きはしなかった。1971年8月15日、当時のニクソン大統領がドルの金交換停止を宣言した。ドルが太陽通貨であり得たのは、当時において、ドルだけが固定価格で金と随時交換可能な唯一の通貨だったからである。
 したがって、この関係を放棄してしまえば、もうドルもその他大勢と本質的に変わらない。これが世にいうニクソンショックの顛末だ。
 いずれにせよ、そもそも、AIIB構想を通じて人民元が太陽通貨になることはないと思う。1945年のアメリカの経済には、他の追随を許さない圧倒的な強さがあった。何しろ、日欧諸国は第二次世界大戦のおかげでおおむね焼け野原と化していたのである。その中に、アメリカだけ屹立していた。
 そんなアメリカの手元には戦時中を通じて世界中から金が集まってきていた。終戦時において、世界の貨幣用金の7割がアメリカに集中していたのである。」と教えてくれる。
 さらに筆者は、「グローバル時代は、このような突出ぶりを誰にも許さない。ヒト・モノ・カネがここまで容易に国境を越えてしまう今日、強さを独占することは、誰にも許されない。しょせんは、ドングリの背比べの世界だ。中国は確かに大きなドングリだ。だがドングリであることには変わりはない。
 それはそうと、この構想をめぐるイギリスの動き方が面白かった。かっての親分も、いまやアメリカに対する腰巾着ナンバーワンの位置づけになり下がっている。それだけに、必死で親分と行動を共にすると思いきや、いち早く、新参者の仲間になった。
 このなりふり構わぬ実利主義が、実にイギリス的だ。かっての海賊国家、面目躍如の場面だ。
 それに引き替え、もう一方の腰巾着ナンバーワンである日本は情けない。日本の現政権は、どうも自分たちが親分になりたいと思っているようだ。そんな危険な野望を抱いている割には、本件についてはやたらとアメリカへの忠実ぶりをアピールしている。」と教えてくる。
 最後に筆者は、「アジアの新参者が国際金融のためにひと肌ぬぐなら、アジアの先輩国は、もろ肌ぬぎでそれをサポートしようじゃないか。そう宣言した上で、上手に親分と新参者の仲介を取りもつ。それくらいの小粋な芸当はできないものか。いや、絶対無理だな。夢のまた夢。」と締めくくった。
 読んで大変勉強になった。
 「1945年のアメリカ経済には、他の追随を許さない圧倒的な強さがあった」とのこと、
 「終戦時に世界中の貨幣用金の7割がアメリカに集まっていた」とのこと、
 「ドルが太陽通貨であり得たのは、当時において、ドルだけが固定価格で金と随時交換可能な唯一の通貨だったからである。」とのこと。
 また「グローバル時代は、このような突出ぶりを誰にも許さない。ヒト・モノ・カネがここまで容易に国境を越えてしまう今日、強さを独占することは誰にも許されない」とのこと。等々を知ることができた。
 そして「アジアの新参者が国際金融のためにひと肌ぬぐなら、アジアの先輩国は、もろ肌ぬぎでそれをサポートしようじゃないか。そう宣言した上で、上手に親分と新参者の仲を取り持つ。という小粋な芸当はできないものか」との筆者の指摘は、日本の指導者に、国際社会での「名人芸」を超えた「達人芸」を伝授しているようなものだと思った。
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by sasakitosio | 2015-04-18 15:33 | 東京新聞を読んで | Trackback