チキンレースと資本論
2015年 03月 26日
まず筆者は、「青春映画「理由なき反抗」に二台の車を崖に向かって爆走させるチキンレースのシーンが出てくる。
転落を恐れて、先に運転席から飛び降りた方が弱虫(チキン)で負けというわけだ。
この遊びはゲーム理論で「瀬戸際戦略」と命名され、国際紛争のお手軽な説明図式になった。」と切り出した。
つづけて筆者は、「欧米のメディアはギリシャ左派政権の財務相がゲーム理論研究者であったことに注目して、欧州連合(EU)や欧州中銀への対決姿勢をチキンレースに持ち込むものと解釈する。ドイツの保守派高級紙は、40歳のギリシャ新首相を無知で無謀な若者にたとえる。この映画の独語タイトルは「知らずにやってしまう」(無分別の意)と訳せるが、ほぼ同じ言い回しが「資本論」にある。」と指摘した。
さらに筆者は、「市場交換の当事者は、自分の行為が社会全体にどう作用するかを知らないし、知らずに済む。市場は幻想(商品への物神崇拝)を生み出しつつ、資源配分の機能を果たすことをマルクスは指摘したのだ。保守派経済学の大御所、ハイエクは同じ事態を情報効率性として称揚する。価格情報さえ流布すれば、誰も実情を把握しなくても、市場全体はうまくいくという。」と教えてくれる。
最後に筆者は、「EUなどは市場の論理を振りかざして緊縮財政と構造改革をギリシャに強要したが、その結果は社会の破綻だ。知らずに行うのはどちらなのか、」と締めくくった。
読んで勉強になった。
「ドイツの保守派高級紙は、40歳のギリシャ新首相を無知で無謀な若者にたとえる。」とのこと。
「資本論に、市場交換の当事者は、自分行為が社会全体にどう作用するか知らないし、知らずに済む。市場は幻想(商品への物神崇拝)を生み出しつつ、資源配分の機能を果たすことをマルクスは指摘した」とのこと。
「ハイイクは同じ事態を市場の情報効率性して称賛する」とのこと。
「EUなどは市場の論理を振りかざして緊縮財政と構造改革をギリシャに強要したが、その結果は社会の破綻だ」とのこと。
ギリシャの破綻とEUの行くへは、世界の平和にとって、目が離せない問題だ。また、マルクスの指摘とハイエクの称賛は、ピケティの格差拡大の指摘、と合わせて、理解してみたいとおもった。
ちなみに、ギリシャへは数年前に、ソクラテスとアリストテレスの足跡をたどりたくて、アテネで連泊して歩き回ってきた。その期間内に、ソクラテスとアリストテレスの石像が左右の門になっている博物館らしき「施設」の前に来た時に、自分の体がフ―と膨らみ大きくなったような不思議な感覚を覚えたことを思いだした。