憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

見せつけた演説の力

 3月8日付東京新聞社説横に、「太郎の国際通信」という欄がある。筆者は、ジャーナリスト木村太郎氏だ。今日はこの筆者に学ぶことにした。
 まず筆者は、「中東問題を取材するときは聖書を欠かせない。キリスト教は新旧約聖書を、ユダヤ教は旧約聖書を教典とし、イスラム教でも両聖書の一部を啓典としており、聖書は現実に中東の政治を動かす大きな要素だからだ。」と切り出した。
 つづけて筆者は、「3日(現地時間)米上下院両院合同会議でイスラエルのネタニヤフ首相が行った演説をネット中継で聞いていたときも、あわてて聖書をめくる場面があった。
 それは、儀礼的あいさつのが終わり本題のイランの核開発問題に入った時のことだった。
 「明日はユダヤ教のプーリームの祭りで、ユダヤ人は(旧約聖書の)エステル記を読みます」
 「プーリーム」は期限前6世紀にペルシャ王に支配されていたユダヤ人たちを王の配下が虐殺しようと企てたのをユダヤ人の賢女でペルシャ王のきさきになったエステルの機知によって阻んだことを祝う日になったのだ。
 ネタニヤフ首相が「プーリーム」を引用したのは祭りの前日というタイミングもあったが、その昔ユダヤ人を虐殺しようとしたのがペルシャつまり今のイランであったように、今イスラエルがイランの核で再び虐殺の危機にさらされていることを訴えたかったからに他ならない。
 ネタニヤフ首相はオバマ政権がイランの核開発を最低十年間凍結させる検証可能な合意を目指しているのに対して強い不満を示してきた。そこへ共和党が支配する米議会の招待があったのに飛びついてワシントンにやってきたもので、この演説でイランのとの核合意がいかに危険なことか力説した。」と教えてくれる。
 さらに続けて筆者は、「ネタニヤフ首相は少年期に6年間米国で生活し、フィラデルフィアの高校では弁論部に所属していたので、英語での演説は米国の政治家も顔負けの巧みさで知られる。
 「これは「武器よさらば」ではなく、「武器管理よさらば」になるのです。
 ヘミングウェーの名作の書名を引用したり、モーゼの言葉や米国の詩人ロバート・フロストの詩を引用して議場の議員たちを引きつけていった。
 「プーリーム」を語ったのも、米国人は教会で必ずこの物語に接しているはずなのでその琴線に触れることを意識したものだろう。同首相の演説は40分あまり続いたが、この間45回も議員たちの拍手で中断されることになった。」と教えてくれる。
 最後に筆者は、「一方、ホワイトハウスはこの演説に不快感を表し、オバマ大統領は「首相の演説には何ら代案が示されなかった」と批判したが、米国人特に保守層に強い印象を与えたようで、ニューヨーク・タイムズ紙は「オバマ大統領に大きな重荷を与えた」と形容した。ネタニヤフ首相の主張の是非はともかく、弁舌は外交の大きな武器であることをあらためて印象づけられることになった。」と締めくくった。
 読んで、ネタニヤフ首相の演説をそのまま聞いて理解できる能力が、自分にないのが、残念だ。
 ニューヨーク・タイムズ紙が「オバマ大統領に大きな重荷を与えた」と形容したとのことであるが、いずれにしても米国のイラン政策の行くへが「中東動乱」の引き金にならないことを祈るしかない。ひとたび国家間の戦争事態になれば、軍事同盟が戦争抑止ではなく、戦争拡大に働くだろうから。
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by sasakitosio | 2015-03-13 06:44 | 東京新聞を読んで | Trackback