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by sasakitosio

ピケティ流 富の再分配とは

 2月24日付朝日新聞朝刊13面に、「シンポジュウム「広がる不平等と日本のあした」という欄がある。
 今日は、この記事を学習することにした。
 先ず記事は「世界的ベストセラー「21世紀の資本」の著者でパリ経済学校教授のトマ・ピケティ氏を招いたシンポジュウム「広がる不平等と日本のあした」(主催・朝日新聞社、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、協力・みすず書房)が1月29日、都内で開かれた。ピケティ氏が基調講演し、日米欧の各国内で所得や資産の格差が拡大していくことに警鐘を鳴らした。パネル討論には、政府の経済政策にかかわる西村康稔内閣府副大臣だが参加。日本経済の現状や、経済成長と格差解消を両立させる課税のあり方について話し合った。」と教えてくれる。
 つづいて記事は「富の分配という問題は、19世紀にはリカードやマルクスが政治経済学の中心に置いていたが、20世紀になると中心から外れていった。経済の発展が進めば不平等は自然に縮小するものだと、多くの経済学者が楽観的に考えるようになったからだ。しかい、いま、そんな話を本気で信じている人はいない。この数十年間、多くの国で、不平等が大きく拡大しているのだ。
 米国の学者クズネッツが指摘したように、1920年代から50年代にかけて、所得の不平等は大きく縮小していた。しかし、80年代くらいから拡大し始め、今や20年代よりひどくなっていると言える。不平等が拡大したのはグローバル化で熟練度の低い労働者の賃金が下がったからだ、という考え方を多くの米国人は好む。重要でないとは言わないが、それだけでは十分説明できない。
 私はまず指摘したいのは、教育における不平等が所得の不平等につながっていることだ。米国の下位50パーセントないし70パーセンのト所得層は、公立の高校か短期大学に進むことが多いが、ここには公的な投資があまりされていない。これに対し、名門大学にお金がつぎ込まれている。ハーバード大学の親の平均所得は、米国の上位2%にあたる。教育機会の不平等はフランス、そして日本にもある。
 労働市場の制度も重要だ。米国で、労働組合が弱くなっただけでなく、最低賃金も歴史的に見て非常に低くなっている。最上位の所得層にかかる税金が安くなったことも影響している。これでは、経営者たちが自分の給料をどんどんあげたくなるだろう。
 資産の不平等は、長い目で見れば所得の不平等より重要だ。上位10%の人たちが、欧州で60%、米国で70%の資産を所有している。日本では50-55%くらいという分析があるが、私は過小評価されていると思う。
 現在の資産の不平等は、1世紀前ほどひどくはない。しかし、国民所得に比べてどれくらいの資産が存在するかを見ると、歴史的にも非常に高い水準になっている。第一次世界大戦、大恐慌、第2次世界大戦で落ち込んだが、その後増加しているのだ。
 世襲社会、相続財産に依存する社会が戻ってきている。特に欧州と日本で。経済成長が低いため、過去に蓄積した資産が重要になるからだ。それは、親の資産なしに自分の給料だけで東京やパリで住宅を買おうとすると、非常に難しくなることを意味する。
 長い間、米国や英国は、課税制度を強力に使い、富の再分配をしてきた。戦争による富の破壊やインフレなど、再分配に効果をもたらすものはいろいろある。私は、累進課税が最も透明性が高く、最も民主的なやり方だと思う。不平等と富をめぐる民主的な議論に貢献すること、それが私のこの研究でやろうとしたことである。」と教えてくれる。
 また、ピケティはパネルデスカッションの中で、「富裕層が中間層や貧困層のために累進課税を受け入れるにはどうしたらいいか、というのは非常に複雑な問題だ。ただ言えるのは正義がなければ、グローバルで開かれた経済を維持できなくなること。これを富裕層も理解する必要がある。さもなければグローバル化への反発や排外主義が広がりかねない。
 技術革新と不平等との関係も難問だ。最善の対応は教育に対する投資だ。日本もそうかもしれないが、特に欧州では、大学に十分な投資がなされていない。世界のトップ大学の9割が大西洋の向こう側、すなわち米国にあるというは望ましい状況とは言えない。21世紀にバランスの取れた成長が果たせるかどうかは、高等教育への投資にかかっている。」と述べている。
 読んで勉強になった。
 ピケティ氏の指摘、「教育における不平等が所得の不平等につながっていることだ。」、「労働市場の制度も重要だ。」、「資産の不平等は、長い目で見れば所得の不平等より重要だ。」、「現在の資産の不平等は、1世紀前ほどひどくはない。」、「世襲社会、相続財産に依存する社会が戻ってきている。」、「長い間米国や英国は、課税制度を強力に使い、富の再配分をしてきた。」、「私は、累進課税が最も透明性が高く、最も民主的なやり方だと思う。」、「正義がなければ、グローバルで開かれた経済を維持できなくなること。これを富裕層も理解する必要がある。さもなければ、グローバル化への反発や排外主義が広がりかねない。」、等等の指摘は、良く理解出来た。
 日本の現代史に、照らして思い当たることもあった。
 中でも、「資産の不平等が第一次世界大戦と、大恐慌、第二次世界大戦で落ち込んだ(?)」ことは、よほど強烈なショックがないと、資産の不平等を世界的には縮小できないのではないとの、示唆なのだろうか?
そこで、「累進課税が最も透明性が高く、最も民主的なやり方だと思う」とのピケティ氏の指摘につながるのか?
  
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by sasakitosio | 2015-02-25 07:08 | 朝日新聞を読んで | Trackback