憲法の良いとこ発見しませんか?


by sasakitosio

渡航の自由をどう考える

210日付東京新聞社説に、「旅券返納 渡航の自由どう考える。」の見出しで、「シリアへの渡航を計画していたフリーカメラマンの旅券返納が命じられた」ことが載った。

 今日はこの社説に学ぶことにした。

 まず社説は、「シリアへの渡航を計画していたフリーカメラマンの旅券返納が命じられた。目的地は過激派「イスラム国」の支配地域ではない。憲法が保障する「渡航の自由」は、十分に尊重されねばならない。

 新潟市在住の杉本雄一さんはカメラマンとして2012年と13年にシリアに取材に入っている。

 今回もトルコを経由しで現地に入り、1週間から10日ほど滞在し、難民キャンプなどを取材する予定だった。

 だが、外務省は渡航を自粛するよう強く要請した。杉本さんはそれを断り、あくまで渡航の意思を変えなかったため、同省職員が7日に命令書を渡し、旅券(スポート)返納を求めた。

 渡航阻止の法的根拠は旅券法19条の定めだ。「旅券の名義人の生命、身体または財産の保護のために渡航を中止させる必用があると認められた場合」については、旅券の返納を命じられるのだ。もちろん、この規定による返納は初めての出来事だ。」と教えてくれる。 

続けて筆者は、「菅義偉長官は9日の記者会見で「海外渡航する日本人の安全確保は政府の重要な役割だ。ぎりぎりの慎重な検討を行い、判断した。旅券を返納させることはある意味で国の責任だ」と述べた。

 「イスラム国」の支配地域はイラクやシリアにまたがっている。また、シリア全土は外務省が指定する最も危険度が高い「退避勧告」の対象地域でもある。勧告に強制力はないため、今回の旅券返納の措置を取ったのだろう。

 確かにシャーナリストの後藤健二さんらが人質事件に巻き込まれたばかりだ。国民を守ろうとするする政府の姿勢に対し、一定の国民の理解は得られるかもしれない。」とも教えてくれる。

 さらに社説は、「しかし、ジャーナリズムの役割は、人々の目となり耳となって、注目すべき事象を取材し、伝えることである。仮に危険と隣り合わせであっても、個人の判断やメディア側の判断でその地に足を踏み入れてきた。ベトナム戦争やイラク戦争などのときもそうだ。

 そこに政府の意向が介在、闊達たるべきジャーナリズムの精神は著しく毀損される。杉本さんは警察官を伴った同省職員から「返納しなければ逮捕する」とも告げられたという。」と教えてもくれる。

 最後に筆者は、「憲法22条は「居住、移転、の自由」を保障し、渡航の自由を認めている。21条は表現の自由を定める。報道・取材の自由も担保されなければならない。それが萎縮すれば、かえって民主主義の養分が不足する。政府の言い分に安易に寄り添うわけにはいかない。」と締めくくった。

 読んで考えさせられた。

 1つは、国家権力が日本国民の権利「基本的人権」を「奪ったり、制約」するとき、必ずつかう用語が「日本人の安全確保」であるが、後藤健二さんらの「安全も命も」守れなかった政府が杉本さんの渡航を力で阻止したのは、国外で日本国家は国民の「安全と命は」は守れないことの「明確なメッセージ」と、受け止めるべきではないか?と思った。

 この文脈で考えると、政府の「国民の命や財産を守るために」、自衛隊の活動範囲を海外に拡げる「論拠」のうそっぽさが気になってきた。

 そこで、海外へ出る人は、日本政府によって、また出先機関の日本大使館が、海外では日本人の「命や財産」を守れないことを自覚して、旅立たなければならないということなのかもしれない、と思った。行先の国家の治安状況の情報は、「旅行会社の現地情報」を信用して、いつも出かけていることに、改めて気づいた。


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by sasakitosio | 2015-02-14 06:46 | 東京新聞を読んで | Trackback